チャットモンチーが12月14日（月）20:00から、auの定額制音楽配信サービス「うたパス」および「KKBOX」のチャット機能「Listen with」を使ったイベントに登場する。

「Listen with」はアーティストやタレントがセレクトした楽曲をユーザーがリアルタイムで聴きながらチャットできるコミュニケーション機能。今回音楽ナタリーでは「Listen with」の特集連載の中で、チャットモンチーへのインタビューを実施した。生配信やチャットをしたことがないという彼女たちの「Listen with」への思いや、デビュー10周年を迎えたバンドの近況を聞いた。

取材・文 / 石橋果奈　撮影 / 福本和洋
ヘアメイク / 清水有希子　スタイリング / 岡部美穂

「Listen with」は未来感がある

──「Listen with」の説明を受けて、どう感じましたか？

福岡晃子　「Listen with」の機能では、自分と同じ音楽をリアルタイムで聴いている人たちのリストが表示されるということで。その人のページに飛ぶとプレイリストがあったりして、「この人の音楽の趣味好きやな」って思ったらそのまま聴けるんですよね。さまざまな音楽に派生していくっていう意味では、すごくいいことだなあと。リスナー同士でチャットで交流もできるから、新たな音楽を教えてもらったりもできそうですね。

橋本絵莉子　私は普段1人で音楽を聴いてることのほうが多いんですけど、そういうときに「あ、この人今これ聴いてるんだ」って知るのをきっかけに新しい音楽を聴くっていうのが、すごいなあって思いました。未来感がありますよね。

福岡　えっちゃんは最近スマホを使い始めたんだよね。ずっとガラケーだったんですよ。

──そうなんですね。スマホを使ってみていかがですか？

橋本　びっくりしたんです。もうすごい便利で……！

福岡　あははは（笑）。新鮮やなあ、このリアクション。何年くらい前にみんなしたんだろうっていう。

──どうしてずっとガラケーだったんですか？

橋本　んー、なんでだろう。特に「変えよう」って思わなかったというのが一番の理由ですね。「大丈夫かな」という感じで延ばし延ばしにしていたんです。

えっちゃんの最後の交流はBBS時代

──そういえば、橋本さんはSNSもやっていないですよね。

橋本　そうですね。Twitterもほかの人に見せてもらったことはあるんですけど、自分ではやったことはなくて。

──橋本さんの近況がインターネット上でわかるのは、オフィシャルサイトのブログのみですね。お2人ともデビュー当時からずっと更新されていて。これだけ続いているのって、すごいことだと思います。

福岡　最近は更新が少なめなんですけどね。年始はいつもやる気が出て、「今年はブログちゃんとしよ！」って思うんですけど……。

橋本　あはは（笑）。

福岡　ブログって、TwitterとかInstagramと違ってしっかり読みたい人が飛んでくるから、それだけになかなか筆が重くなるというか。「ちゃんと書かなきゃなあ」と思うので。

──福岡さんは、ブログでは近況をまとめて報告していますよね。

福岡　私はそれが多いですね。でもえっちゃんはTwitterみたいに使ってるんですよ。それこそ140文字ぐらいでいつも書いてて（笑）。

橋本　少ない文字数のほうが続く気がして、途中から変えたんです。あ、デビュー前の話になるけど、BBSっていうのもあったよな。

福岡　ああ、サイトの掲示板な！ 懐かしい！（笑） 分担して全部返事してたね。チケット予約とかもそこで直接やりとりしてて。

橋本　それでデビューしたらBBSの書き込みが多くなっちゃって、「どうする!?」みたいな感じになって、BBSからだんだん疎遠になるっていう。

福岡　むしろえっちゃんは、BBS時代から止まってるよな（笑）。

橋本　うん。私の最後のそういう交流はBBSかもしれん。

ライブみたいなあったかい空間に

──今回の「Listen with」のイベントでは、ファンの方と直接チャットでコミュニケーションを取りながらオススメの音楽をかけていきますが、イメージは湧いていますか？

橋本　チャットモンチーのファンの人はすごく優しいから、ファンの人同士も、なんかほんわかした話し合いになると思いますね。「いいねー」「そうだねー」みたいな（笑）。ライブもそうだけど、音楽で同じ時間を共有する、一緒に楽しむっていう意味では一緒だから、あったかい空間になるんじゃないかなあ。

福岡　そうだね。私は曲に関する思いとか、エピソードとか、そういうことを書き込めたらなって思ってます。私自身、ほかのアーティストのルーツにすごく興味があって。例えば自分が好きなアーティストのルーツを聴いたときに、それがその方の楽曲に反映されてるな、ってわかると感動するし、すごく面白いんですよね。

──なるほど。今回お2人がどんな曲を流すのか、ファンの方も気になっていると思います。ラインナップは考えていますか？

橋本　私はトム・ウェイツ「Ol’55」、ポール・サイモン「Still Crazy」、ボブ・ディラン「I Dreamed I Saw St. Augustine」とかをかけたいなあっていろいろ思い浮かべてたんですけど、気付いたら全部寝る前に聴く曲ばっかりになっていて（笑）。

──寝る前に音楽を聴くことが多いんですか？

橋本　そうですね。寝る準備とか全部やっちゃって、あとは落ちるのを待つだけっていうときに聴いていて。気持ちよく眠るのに、すごくオススメなんです（笑）。ノリノリ系だったらREBECCAの「PRIVATE HEROINE」とか流したいなあ。私、この曲大好きなんです。

──好きになったきっかけは？

橋本　初めてライブDVDを観たときに、もうびっくりして！ なんて言うんだろう……NOKKOさんはリボンとか、ネックレスとか、ふわふわの服を着てらっしゃるのに、もうそういうのが目に入らないぐらいあふれ出るような情熱で歌っていて、それに衝撃を受けたんです。

──そうだったんですね。福岡さんもラインナップは考えていますか？

福岡　はい。昔から聴いてる曲を中心に流したいなあと思っています。ファンの人は私たちが好きな曲とかは大体知ってくれてると思うんですけど、たまたまListen withを聴いてくれた人は知らないと思うんです。だからそういう音楽を聴いて、興味を持ってくれたらうれしいですね。

──どのような曲をかけたいですか？

福岡　Spangle call Lilli lineの「Sugar」を流したいです。スパングルは19歳ぐらいのときに出会って、アルバムも全部持っているぐらい好きで。「Sugar」はけっこう前の曲なんですけど、最近特によく聴いてます。寝る前とかツアーの移動中に聴くことが多いんですけど、気持ちがフラットになるんですよ。