ナタリー PowerPush - 小松未可子

拾いどころ満載!みかこし伝説徹底検証

アニメ「モーレツ宇宙海賊」のヒロイン加藤茉莉香を演じ、声優として大きな注目を集めた小松未可子。今年4月、同アニメのイメージソングとして制作されたデビューシングル「Black Holy」がヒットを記録し、夏にはアニメソングの祭典「Animelo Summer Live 2012 -INFINITY∞-」への初出演を果たした。そして11月7日には2ndシングル「冷たい部屋、一人 / 夏至の果実」が到着。これまでの楽曲とは異なる表情を見せている。

公式プロフィールには「特技:マリンバ演奏」と記載され、7月リリースのミニアルバム「Cosmix EXPO」ではテルミンの演奏を披露している彼女。今回のインタビューではニューシングルの魅力を探るとともに、そのあまりにユニークなキャリアと気になるエビソードの数々に深く迫った。

取材・文 / 成松哲 インタビュー撮影 / 臼杵成晃

 
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生粋の“倉木麻衣オタク”

インタビュー写真

──小松さんって、いい意味で音楽遍歴がおかしいですよね。

あはははは(笑)。

──特技がマリンバだったり、初めてご自分の演奏をレコーディングした楽器がテルミンだったり(笑)。なので、まずは「小松未可子の音楽史」から探らせてください。小松さんが最初に買ったCDはなんですか?

自分で買ったのは、倉木麻衣さんの「冷たい海 / Start in my life」っていうシングルでした。2001年とかだから、11年前か。

──へえ。あの大ヒットした「Love, Day After Tomorrow」のほうではないんですね。

音楽に興味を持ち始めた小学校中学年くらいのときに「Love, Day After Tomorrow」が大ヒットしてたんですけど、「冷たい海」と両A面だった「Start in my life」はアニメ「名探偵コナン」のエンディングテーマになったりもしていたので。

──倉木さんのファンになったのは「名探偵コナン」がきっかけ?

ええ、毎週観ていましたから。その影響もあって当時聴いていたのは(「名探偵コナン」のテーマソングを多く手がける)ビーイング系というか、GIZA studio所属の方の曲ばっかり。むしろそれしか知らなかったくらいで、音楽の趣味の幅は狭かったですね。

──小学校高学年や中学生ともなると、周りの子たちはロックや洋楽なんかも聴き始めますよね。

私もみんなの影響でアヴリル・ラヴィーンとか、ステイシー・オリコとか、MAROON 5とかを買って聴いてはいましたし、好きではあったんですけど、ガッツリそっち方面にいくわけでもなくて。基本的にはやっぱり倉木さんばっかり。最初に行ったライブも倉木さんでしたし、みんなからは「倉木オタク」なんて言われてました(笑)。

──倉木さんの音楽をマニアックに掘っていた、と。

そうなんですよ(笑)。高校に入ったあたりからいろんな音楽を聴くようにはなったんですけど、それでも浅く広くいろんな聴き方をするんじゃなくて、「あっ、この人好き」と思ったら、もうその人の曲だけを全部かき集めたくなっちゃうタイプでしたね。倉木さんの次に激ハマりしたのがBONNIE PINKさんだったんですけど、やっぱりシングルとアルバムを全部買い揃えて、そればっかり再生する、みたいな聴き方をしてました。

マリンバ奏者、小松未可子

──そういう非常に偏った音楽リスナーでありつつ(笑)、一方でマリンバプレーヤーでもあったわけですよね。マリンバを始めたきっかけは?

マリンバは、倉木さんにハマるよりももっと前。幼稚園の頃からやっていて。元々放課後の部活動っていう感じで私も習ってたんですけど、1年も持たなくて……。というのも、そのピアノのレッスンというのが結構人気で、習っている子がいっぱいいたんですよ。だから弾く順番が回ってくるまで待ってなきゃいけないんですけど、その間みんなの演奏を見学するでもなくずっと寝てたので(笑)。

──やる気ゼロ(笑)。

まさに「やる気なさすぎるでしょ、この子」と言われてしまい(笑)。で、その幼稚園ではピアノのほかにマリンバも教えていたので、そっちに移ることになったんです。マリンバのほうが習ってる子の数が少ないからすぐに順番が回ってくるし、打楽器なのでピアノよりは刺激があるだろう、ということで。

──立って体を動かしていれば、さすがに居眠りはしないだろうと。

そうなんです(笑)。親や幼稚園の先生としては、とりあえず眠らせないことを目的に始めさせたみたいなんですけど、これが結構ハマってしまって。そこから10年近く、高校生くらいまでは教室に通ってました。

──幼稚園にマリンバが置いてあることもそうですし、小中学生が通える距離にマリンバ教室があったっていうのも結構意外なお話ですよね。

インタビュー写真

私、生まれが三重なんですけど、中部地方ってマリンバが盛んらしくて。割と普通にマリンバ教室があったんですよ。マリンバの協会もあって、どこかの教室に通う人はその協会に加入して、協会の出している教科書で習うようになっていましたし。協会の主催している発表会に出て、ほかの教室の生徒さんと交流したり、みたいなこともありましたし。逆に東京に出てきてから「関東にはマリンバ教室がない!」「実はマリンバ教室って全国的にメジャーなものじゃなかったんだ!」ということを知りまして(笑)。こっちに来てからちょっと時間ができて「また習ってみたいな」ってなったときも、ネットで検索して見つけたマリンバ奏者の方に直々に「教えてください」ってお話をさせていただいて個人レッスンを受けましたから。

──じゃあ一緒に洋楽を聴いていた地元の友達の中にも、小松さんのようにマリンバを弾ける人が?

さすがにそこまではメジャーではなかったです(笑)。小学校でも中学校でも「マリンバって何?」って言われてましたから。クラスで「それぞれ得意な楽器を発表しましょう」という話になったときも、みんな歌を歌ったり、ギターを弾いたりしている中、ひとりマリンバだったのですごく目立って。最終的には全校生徒の前でも披露させてもらったんですよ。

──小松さんのプレイを観た友達はなんて言ってました?

打楽器ということもあって、マリンバを弾いてる姿って、観ている側からするとスゴいことになってるらしいんですよ。普通にピアノでも弾かれがちなクラシックの曲を演奏しただけなんですけど、観ているみんなにしてみたら「よくあんなに左右に動きながらポコポコ叩けるね」「鍵盤って見えてるの?」って。そういう感じで興味を持ってくれたのはすごくうれしかったですね。それにプロフィールや履歴書に「特技・マリンバ」って書くとアピールにもなりますし。小中学校のときと同じように必ず「マリンバって?」って訊かれますから。

──それこそ今日のインタビューのように。

そうなんですよね(笑)。

ニューシングル「冷たい部屋、一人 / 夏至の果実」2012年11月7日発売 / スターチャイルド
初回限定盤[CD+DVD] / 1500円 / KICM-91421
通常盤[CD] / 1200円 / KICM-1421
収録曲
  1. 冷たい部屋、一人
  2. 夏至の果実
  3. 冷たい部屋、一人(inst)
  4. 夏至の果実(inst)
初回限定盤DVD収録内容
  • 冷たい部屋、一人(PV)
小松未可子 (こまつみかこ)

1988年11月11日、三重県生まれの声優、歌手。中学生時代にアイドルグループ「いもうと」でデビューののち、女優としての活動を開始。2010年にはアニメ「HEROMAN」の主人公ジョセフ・カーター・ジョーンズ役で声優としてのキャリアをスタートさせた。2012年1月より放送のアニメ「モーレツ宇宙海賊」では主人公・加藤茉莉香の声を務め、4月には同アニメのイメージソング「Black Holy」で個人名義による歌手デビュー。7月にはミニアルバム「Cosmic EXPO」、11月7日に2ndシングル「冷たい部屋、一人 / 夏至の果実」を発表した。