「竹宮先生の新作」に対する気負い

──新曲のリリースは昨年7月のシングル「夏の約束」以来およそ1年4カ月ぶりとなりますが、その間ベストアルバム（2012年9月発売「BEST ALBUM」）があり、幕張メッセでの大がかりな2DAYSライブがあり、そのライブも映像化されたりと……活動としてはスローペースだった印象はないですね。

そうですね。逆に忙しかったような気がします（笑）。

──ということは「ひさびさの新曲！」という気負いはなく？

新曲！というよりも、「ゴールデンタイム」のテーマソングだという気負いのほうが大きかったですね。「とらドラ！」のときに竹宮（ゆゆこ）先生の本を読ませていただいていたので、竹宮先生の新作だったら絶対面白い作品に違いない！って。

──「とらドラ！」に続く竹宮先生の新作「ゴールデンタイム」のアニメ化、しかもヒロインの声も演じて、オープニングもエンディングもテーマ曲を担当するという、完全に作品を背負う立場ですもんね。では曲作りは最初から「ゴールデンタイム」ありきで？

はい。でも最初にいただいたのはオープニングテーマのお話だけだったんですよ。役をいただくより先に。それですぐに小説を読ませていただいたんですけど、オープニングテーマはぐっと作品に寄せた、作品を象徴できる曲になったらいいなと思って作りました。

──タイトルもズバリ、アルファベット表記の「Golden Time」ですしね。

一応先生のご許可もいただいて、このタイトルにさせていただきました。この曲をきっかけにオーディションも受けて、さらにエンディングテーマも付いてきたみたいな（笑）。

初の“着うた系”ソング

──では「Golden Time」を作ったあとで、カップリングの「Sweet＆Sweet CHERRY」も同じアニメのエンディングとして作ることになったと。

順序としてはそうなんですけど、すごくこだわりを持ってオープニング曲の制作を進めているうちに、エンディングにぴったりな曲がすぐ見つかって。結局できあがりは「Sweet＆Sweet CHERRY」のほうが早かったです。

──オープニングにはどのようなこだわりを？

「ゴールデンタイム」は大学を舞台にしたお話なので、中学生や高校生の“学園モノ”と違って、大学生は夜動くことが多いなと思ったんです。主人公の万里くんと香子ちゃんが仲よくなるきっかけになった怪しげな施設からの脱出シーンも夜だし、コンパ後の告白シーンなんかも夜だったりして。それで夜という時間をテーマにしたかったのと……あとは大学生の人が聴いてそうな曲っていう（笑）。

──大学生が聴いてそうな曲？

どんな曲だろうなって考えて「あ、着うたに入りそうな曲かな」って（笑）。そういうイメージで作りました。

──「Golden Time」が堀江さんの中の着うたディーヴァ感（笑）。

はい（笑）。オープニングもエンディングもやっぱり大学生というのがキーワードで、「Sweet＆Sweet CHERRY」はどちらかというと朝をイメージして。どっちも共通して、大学生が聴いてそうな曲……完全に想像なので、合ってるかわからないですけど（笑）。

──あははは（笑）。でもそう言われるとなるほどと思えるところが確かにあります。どこかこれまでの曲とは違うなという印象があったんですけど、うっすら漂う“着うた感”ですね。

リズム的にも、今までは裏打ちとかそんなにやってこなかったんですけど、そういうリズムで歌っても、私が歌うとどうしてもまろやかになるだろうし、あまりかけ離れたものにはならないだろうという考えも視野に入れつつ。それに「Golden Time」には「party night」って単語もあったりしますけど、それもどこか大学生のノリみたいなイメージですね。