7月1、2日に神奈川・東扇島東公園 特設会場にてSiM主催のライブイベント「DEAD POP FESTiVAL 2017」が開催される。

会場を野外に移して3度目の開催を記念して、今回音楽ナタリーではSiMのMAH（Vo）と、出演者のLiSA、THE ORAL CIGARETTESの山中拓也（Vo, G）による鼎談を実施。「DEAD POP FESTiVAL」についてはもちろん、互いにリスペクトし合う理由なども語り合ってもらった。

取材・文 / 小林千絵　撮影 / 後藤倫人

MAHさんは心強い先輩です（LiSA）

──まずMAHさんとLiSAさん、山中さんの出会いをそれぞれ教えてください。

MAH（SiM）　LiSAちゃんと知り合ったのはずいぶん前で、LiSAちゃんが高校生くらいのとき。岐阜の山奥で小さいフェスがあって、それに若手バンドとして、LiSAちゃんが当時やってたバンドと、俺らが日にち違いで出てた。俺はそのラインナップの中から気になるバンドを試聴してて、「あ、同い年くらいなんだ」って思ったのが最初にLiSAちゃんを知ったきっかけで。そこからは岐阜にライブしに行くたびに遊びに来てくれるようになったんだよね。だから初めて会ってからはもう10年近く経ってるのかな。

山中拓也（THE ORAL CIGARETTES）　そうなんだ。知らなかった。

LiSA　ふふふ（笑）。

MAH　LiSAちゃんが1人で上京するって決まったときに相談に乗ったり、デビューが決まったときに報告を受けたりしてたから、そういうのを全部見てきたなあ。

LiSA　東京のことを最初に教えてくれたのがMAHさんです。岐阜にいるときに、SiMが岐阜に来てくれるたびに私の仲間がみんな集まって、「東京ってどんなとこですか？」「こういうバイトがあって、こういう人がいて……」って聞くっていう。

山中　何、その会、めっちゃ面白そう（笑）。

MAH　俺も神奈川だからそんなに東京のことは詳しくなかったんだけど（笑）。で、たまたまそのあとLiSAちゃんが入った事務所が、俺らもいた事務所で。当時SiMを担当してくれたディレクターから「LiSAって知ってるか？ うちでやることになったから」って言われて驚きましたね。ライブで一緒になったりすることはそんなになかったし、表向きにはそんなに長い付き合いがあることを出してなかったから、ファンの人は意外だと思うかも。でも実は長いんだよね。

LiSA　私はずっとSiMのライブに遊びに行ってましたし。横浜のライブハウスとか。

MAH　ああ、そうだね。来てくれてた。俺が初めてLiSAちゃんのライブに行ったのって、たぶんSHIBUYA-AXで。

LiSA　あ、そうですね！ お客さんがペンライトを持ってることにすっごいびっくりしてて（笑）。

MAH　そうそうそう。客席にいるのもやっぱり普段俺らがライブやるとき来るようなお客さんじゃないから「ああ、マジか」みたいな。ライブではLiSAちゃんがかわいい感じとか出すから恥ずかしくなっちゃって（笑）。でもそこに至るまでのいろいろな苦労を知ってるから「よかったなあ」ってほっこりした。

LiSA　バンドやってた頃の先輩たちに誤解を与えそうで、あんまり「今こういう音楽やってます」って言えなかったんです。けど、MAHさんはそんなこと気にせずライブに遊びに来てくれて、「すごいね」って言ってくれるので、心強い先輩です。

オーラルの第一印象は「誰やねん」（MAH）

MAH　拓也とは……こいつらいまだに根に持ってるんだけど、アレだよね？ デビューのタイミングだったっけ？

山中　そうですね。僕らがデビューのタイミングでラジオ局に挨拶回りしてたときですね。

MAH　俺らとオーラルのプロモーション時期がかぶってて、エフエム長崎で挨拶してくれたんだけど、俺の態度が「誰やねん」みたいな感じだったらしくて。

山中　「こっわー」って思いました（笑）。

LiSA　それ、何年前？

山中　3年半前くらいかな？

LiSA　3年前でまだそんなにとがってたんですか？（笑）

一同　はははは（笑）。

MAH　いや、なんか、レーベルの人とかに紹介されるとちょっとフィルターを張っちゃうというか。どんな人かわかんないから。スペシャとかいろんな会社が一緒にやるプロジェクトでデビューするってことは噂では聞いてて、「ああ、よかったじゃん」って感じだった（笑）。さらに俺だけよそよそしかったんだよね、たぶん。

山中　そう。MAHさんとSIN（B / SiM）くんが一緒にいて、SINくんはしゃべってくれたんですけど、MAHさんは速攻でトイレ行って……「え！ 怖！」が最初の印象でしたね（笑）。

MAH　そのあと「RUSH BALL」って大阪のフェスで一緒になったんだよね。そのときにライブ観てくれて話しかけてきて。

山中　そうです。「RUSH BALL」でようやく打ち解けるんです。初めて会ってから「RUSH BALL」までの1年くらいの間にも、何度かフェスとかで一緒になってそのたびに挨拶に行ったんですけど、MAHさんはずっと「あ、ういっす」みたいな感じで、「怖！」が続いてたんですけど、俺らもSiM愛がすごかったからずっとめげずに挨拶に行ってて。で、「RUSH BALL」の打ち上げのときに「1年間の鬱憤を全部ぶつけたろ」と思ってMAHさんの隣を陣取りました（笑）。

MAH　結局バンドって酒飲んで仲良くなるんだけど、（オーラルとは）対バンがないから打ち上げやる機会もなくて。ようやく「RUSH BALL」のときに一緒に飲んで「ああ、こいつ酒飲むんだ！」と。ギターロックでいいのかな、なんかそっち系のバンドってあんまり酒飲まない人が多くて壁を感じてたんですけど、拓也は飲めたからすごく親近感が湧いた。そのあとは東京に戻ってきてからも飲むようになってね。

山中　3日後ですね、僕覚えてます。僕も上京してきたばっかりやったので、東京での僕の居場所みたいなものを作ってもらって、すごく感謝してます。MAHさんは人間としてのバランス感覚がすごくあるなって思ってて。だから精神的におかしくなりそうなときはMAHさんに「明日、聞いてください」って電話しちゃうんですよ。ちゃんと時間作って話聞いてくれるし。そういう人間として筋が通ってるところもすごく好きです。