音楽ナタリー Power Push - Da-iCE
一歩ずつ踏みしめ上るステップ Da-iCE、3rdアルバムで“NEXT PHASE”へ
Da-iCEがニューアルバム「NEXT PHASE」をリリースした。
2016年1月発表の前作「EVERY SEASON」からおよそ1年ぶり、3枚目のオリジナルアルバムとなる本作には、ボーカルの花村想太がDa-iCEの今の思いを歌詞に詰め込んだ表題曲の「NEXT PHASE」、シングル曲の「パラダイブ」「恋ごころ」「WATCH OUT」など11曲を収録。これまでのDa-iCEの表現を総括しながらも、タイトル通り“次のフェーズ”を見据える彼らの今のスタンスが伺える作品に仕上がっている。
リリースに際し、音楽ナタリーではメンバーにインタビューを実施。作品に込めた思いや最近の活動について聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 須田卓馬
武道館の景色
──まずは2016年のことをざっと振り返りたいなと思うのですが、初の武道館ワンマン(参照:Da-iCE“6歳記念日”に立った初の武道館、9000人前に「今日ここからがNEXT PHASE!」)開催決定のサプライズ発表が1月にありました。
工藤大輝 もうそんな前なのか。
大野雄大 そのときの発表は本当にビックリして、ステージ上に崩れ落ちましたね。
和田颯 発表された瞬間は、ただただうれしかったです。そのあと冷静に考えて「ヤバくね?」となったんですけど、自分たちがずっと掲げていた目標だったし、気付いたら涙が流れていました。
大輝 でもその後、12月の初めに「Act Against AIDS 2016『THE VARIETY 24』~魂の俳優大熱唱!助けてミュージシャン!~」で武道館のステージに立たせてもらう機会があって。
雄大 まるで「慣れろ」って言われているみたいにね。
大輝 ホントホント。実際に立ってみて「ここでワンマンがやれるんだ」って思えたのはタイミングがよかったですね(取材は2016年12月に実施)。
──ステージからの景色はどうでした?
岩岡徹 天井が高い!
雄大 でもきっと、オムニバスのイベントと自分たちのワンマンでは見え方、感じ方が違うんだろうなあと思います。
──その後は初の全国ホールツアー「Da-iCE HALL TOUR 2016 -PHASE 5-」があったりしましたが、2016年のDa-iCEはずっとライブをやっていた印象です。
雄大 その印象は、間違ってないです。
颯 間違いない(笑)。
雄大 2016年は108本だっけ?
──そんなに多かったんですか。
大輝 ありがたいことですよね。僕たちの活動のメインはライブなので、それを実現させてもらっているっていうのは本当にうれしいです。
いいことづくめの初ホールツアー
──初のホールツアー、回ってみていかがでしたか?
大輝 楽しかったです。表現の幅も広がったしお客さんの顔もよく見えるし、いいことづくめで。ライブハウスではできなかった演出ができたり舞台セットを置けたりして「こんなに面白いことができるんだ」って新鮮な発見ばかりでした。
──「できるようになったこと」って、具体的にはどういったものでしょう?
雄大 例えばその前に回っていたライブハウスツアーだと、ステージの大きさから演出が限られていたんです。それに会場の大きさもバラバラだったから毎回スピーカーの位置を確認したり、微調整を繰り返して試行錯誤していたんですけど、ホールツアーだと毎回ほぼ変わらない舞台の大きさだし、ほとんど同じ演出で曲を披露することができて。
──なるほど。では、パフォーマンスの舞台がライブハウスからホールに変わったことで、自分の中で変わったことはありましたか?
颯 お客さんがステージを観ている場所の高さが違うので、目線はすごく意識するようになりました。ライブハウスではまっすぐ前でよかったんですが、ホールだと若干上を向かないと下を向いているように見えてしまう。「今まで通りじゃしっかり伝わらないぞ」というのはすごく学びましたね。
徹 あと、これまでの振りをだいぶ崩したよね。ステージが広くなったから、上手や下手に行って踊ってみたりだとか、ステージを大きく使う表現ができるようになった。そのぶん自分たちのパフォーマンスを大きくしないとなっていう意識も生まれました。
颯 たくさんの演出のアイデアを知れたことが何よりの学びだったよね。
大輝 そうだね。
──ボーカルの2人はいかがですか?
雄大 僕らはホールツアーで初めてイヤモニを使わせていただいたんです。この変化はすごく大きくて、今後大きな会場でライブすることを目標とするうえでも、勉強になったんじゃないかなと思う。初めのうちはお客さんの声が聴き取りづらいからMC中に外していて、曲が始まったあとに慌てて着けたりだとか不慣れなところもあったんですけど(笑)。
花村想太 毎回同じ音を聴きながら歌えるのは本当にありがたいです。今までだと会場の機材によって、僕が歌いにくかったり雄大くんが歌いにくかったりってこともあったから、しっかり調整してもらった自分たち好みの音を聴けることが、僕たちにとっては特別というか。特に雄大くんは音作りには厳しいからね。
雄大 僕と想太が声のコンディションだけに集中できるのが一番いい環境だと思うんです。「機材が、反響が……」っていう要素が入ってくると、音作りが複雑になってくる。可能な限り安定した環境を用意してもらえるとね。
想太 全然違うよね。本当に歌いやすくなりました。
5人で渋谷を歩くと……。
──またツアーの合間にもシングルのリリースイベントだったりがあって。とても精力的に各地を回っていたと思いますが、「Da-iCEの名前が広まっているな」といったような実感はありますか?
大輝 時と場合によるって感じですね(笑)。
想太 でも僕すごくうれしかったことがあるんです。福井の学校の学園祭に僕らシークレットゲストとして出演させていただいたんですよ。「僕らがシークレット!?」っていう感じですごく緊張したし、司会の方が僕らのことをすごく持ち上げてくれて期待感を煽っていたから「大丈夫かな!?」と不安でもあったんですけど……。
雄大 シークレットゲストがステージに立っても“シークレットのまま”だったら最悪じゃないですか。
徹 あはははは(笑)。
想太 そうそう。でもお客さんが優しかったからなのか、一応黄色い声援をいただけまして。「誰?」っていう声もほとんど聞こえなかったんで。「ちゃんと知ってくれているんだ」と思えてうれしかったんです。
──実際、Da-iCEの名前を耳にする機会はどんどん増えていますよ。ただそれを皆さん自身はどう感じているのかな?と気になります。
雄大 やっぱり5人で渋谷とかを歩いてると……。
──はい。
雄大 まあー、普通に歩けますね。
大輝 まったく問題なく歩けます。
雄大 快適です! なんの不自由もなく。
大輝 買い物も食事もできます。
想太 囲まれて「身動き取れない!」とか言ってみたいわあ。
雄大 みんなで“気付かれたフリ”をするんですよ。「あ、見られてる見られてる!」って。でも実際は一切見られてないっていう。
──そういえば、Da-iCEのおなじみのキャッチフレーズ「顔面偏差値75」に、最近になって「むくわれないイケメンたち」というサブフレーズが追加されましたよね。
雄大 本人たちが持っている本当の実力を表しているフレーズですね。
想太 はあー。売れたい!
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- ニューアルバム「NEXT PHASE」 / 2017年1月25日発売 / UNIVERSAL SIGMA
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 4600円 / UMCK-9889
- 初回限定盤B [CD+DVD] / 4100円 / UMCK-9890
- 初回限定盤C [CD+DVD] / 4500円 / UMCK-9891
- 初回フラッシュプライス盤(Da-iCE ver.)[CD] / 2150円 / UMCK-9892
- 初回フラッシュプライス盤(ヴォーカル ver.)[CD] / 2150円 / UMCK-9893
- 初回フラッシュプライス盤(パフォーマー ver.)[CD] / 2150円 / UMCK-9894
CD収録曲
- NEXT PHASE
- WATCH OUT
- Step Back!
- Chocolate Sympathy
- Free Falling
- FANTASY
- 恋ごころ
- REASON
- BOND
- TWO AS ONE
- パラダイブ
初回限定盤A DVD収録内容
- 「WATCH OUT」Music Video
- 「パラダイブ」Music Video
- 「恋ごころ」Music Video
- 「Into You」Music Video
- 「BOND」Music Video
- 「TWO AS ONE」Music Video
- 「WATCH OUT」Dance Edit.
- 「パラダイブ」Dance Edit.
初回限定盤B DVD収録内容
- ふざけちゃって五面なサイ~Da-iCE HOUSE in与論島~
初回限定盤C DVD収録内容
- ふざけちゃってミアンなサイ~弾丸韓国旅行~
初回フラッシュプライス盤(Da-iCE ver.)ボーナストラック
- A WHOLE NEW WORLD
- Into You
初回フラッシュプライス盤(ヴォーカル ver.)ボーナストラック
- 366日(花村想太ソロ)
- Desperado(大野雄大ソロ)
初回フラッシュプライス盤(パフォーマー ver.)ボーナストラック
- 決意の朝に(岩岡徹&和田颯)
- 100回のKISS(工藤大輝ソロ)
Da-iCE(ダイス)
2011年に結成された、ボーカリストの大野雄大、花村想太、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるダンス&ボーカルユニット。クラブやライブハウスを主な活動の場として年間100本を超えるライブを行い、2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトに抜擢される。同年12月にミニアルバム「Da-iCE」でインディーズデビュー。2013年にメジャーデビューが発表され、2014年1月にユニバーサルシグマからメジャー1stシングル「SHOUT IT OUT」をリリースした。10月には1stアルバム「FIGHT BACK」を発表し、精力的にライブ活動とCDリリースを重ねる。2016年1月には2ndアルバム「EVERY SEASON」を発表。7月からは全国各地を回る初のホールツアーを行い、このツアーの最終公演として2017年1月に初の日本武道館公演を実施した。武道館公演の1週間後に、3rdアルバム「NEXT PHASE」をリリース。