日本語吹替にはどんどん挑戦していきたい

──ホームズとワトソンに負けず劣らず、お2人もコントですごい長ゼリフをしゃべりますよね。

槙尾　そうですね。だから、この撮影すごく大変だと思いますよ。

岩崎　僕は、やってみたくなりました。

──ぜひやってほしいです。お2人のコント「パン泥棒」（※黒澤明の映画に影響を受けた男が登場するコント）の海外ドラマ版みたいな感じで。それに、先日公開された「パロウッド」で吹替にも挑戦されてましたよね。

岩崎　そうそう、僕は楽しかったです。「パロウッド」ではもともとの英語の音声が流れているのを聞きながら、日本語のセリフを入れていったんですけど、留学の経験が少し役に立って、「あ、もうすぐ文が終わる」とか「ここのワードでテンション下げてるな」というのがあらかじめわかったんです。だから、またやりたいんですよね。海外ドラマ、映画関係の方、お願いします。

──しっかり書いときます（笑）。

岩崎　槙尾も褒められてました。シガニー・ウィーバーの声とか、外国人女性のちょっとハスキーな声はうまい。それっぽく聞こえるんです。

槙尾　「エイリアン」もやりました。

岩崎　ここで、ちょっとアピールしとく？

槙尾　「あぁ……来るわ、ここに来るわ……！」（と、目の前で実演）

──素晴らしいです（笑）。

槙尾　いやいや（笑）。

2人で一緒に住んでいるのに何も起きないのが不思議

──話をもとに戻しますが、今までの「シャーロック・ホームズ」と違って「エレメンタリー」は男女コンビという点が大きく違います。その設定が生かされていると思ったのはどんなところですか？

槙尾　ワトソンは彼氏がいないんですよね。で、女友達から紹介された男の人に会ったりするんですけど、それがホームズにバレると、「そいつは既婚者だ、やめとけ」「え？ なんで？」みたいなやり取りがある。ホームズがワトソンの恋愛にアドバイスをするのが、今までにない感じでいいなと。

──なるほど。それでいて、この2人が単純に恋愛関係になるという展開は見えない。

槙尾　そこが面白くて、気になるところですね。

岩崎　不思議なのはホームズとワトソンが同居していても、何か起こりそうにならないこと。

槙尾　一緒に住んでいたら、ベタですけど、入浴しているところに間違って入っちゃって「あ、ごめん」みたいなことがあってもよさそうですよね。同棲あるあるというか、ラッキーエロみたいなのが。

──今後は何かあるかも……。

岩崎　だけど、この2人の場合は、恋愛に発展するとしたら、ワトソンのほうから恋心が芽生えちゃうのかなと。風邪を引くようにワトソンが恋の病にかかる。

──素敵な表現ですね。

岩崎　1、2週間だけ恋する。だけど、ふと我に返って「あれ、ちょっと私、どうかしてたわ」みたいな。

槙尾　それ面白いかも。

ただの足し算じゃないところに、コンビの魅力が生まれる

──演じているジョニー・リー・ミラーとルーシー・リューはいかがでしたか？

槙尾　最初は不思議なキャスティングだなと思いましたよ。英国人とアジア系。でも観始めたら、この2人だから面白いケミストリーが生まれてる。

──この2人は抜群のコンビネーションを見せてくれるわけですが、コンビの相性というものについてはどう思っていますか？

岩崎　単純に最強同士が組めば最強コンビになるかっていうと、そうじゃない。その分、反発もあったりする。2人だけですけど、同じゴールを目指して積み上げていく感じがチームプレーなんですよ。そして、何かを作り上げているときにいいケミストリーが発生するんじゃないかなと思うんです。

槙尾　タイプが違う者同士のほうが意外とうまくいったりすることもありますよね。ただホントにまったく違ったら、一緒にはならない。どこかでつながってるところがありつつ、それぞれの好きなものが少し違っている感じがいいのかも。

岩崎　ただの足し算じゃないところに、魅力が生まれるのかなって。それで言うと、「エレメンタリー」は成功してますよね。

──まさにお2人のコンビもそうだと思います。このホームズとワトソンにそれぞれ自分が似てると思うところってありますか？

槙尾　う大さんは、ホームズ並みの観察力。

岩崎　確かに観察しますね。「あの人、あのとき、うんこしに行きたかったんだろうなあ」とか推理する。

──（笑）。槙尾さんはどこが似てますか？

槙尾　生真面目なところは似てるかもしれないですね。僕は冗談が通じないところがあるんです。芸人としてどうなんだって感じですけど（笑）。破天荒なホームズについ怒っちゃうワトソンと似ているかも。