コミックナタリー Power Push - “ネオ懐マン”復刊ムーブメント

90年代の少年たちへ捧ぐ! いま読むべき作品を徹底解説

瑳川竜原作 栗原仁作画「ウルトラマン超闘士激伝」

瑳川竜原作 栗原仁作画「ウルトラマン超闘士激伝」

●あらすじウルトラ戦士たちと敵対した怪獣・宇宙人がともに、宇宙の平和を破壊する敵と戦う熱い物語。ウルトラ戦士たちは強力な敵と戦うために苦しい修行を積んで「超闘士」を目指す。全4巻が発売中。コミックボンボン(1993年~)初出。

「友情・努力・勝利」! “ネオ懐マン”ブームの火付け役

瑳川竜原作 栗原仁作画「ウルトラマン超闘士激伝」

SD化されたウルトラマンたちがメタルブレスト(装鉄鋼)と呼ばれる装備を付け、「銀河最強武闘会」というトーナメント戦に参加。「はあっ!!」と気合を入れることで、オーラのようなエネルギーが全身を包みパワー全開。ライバルだったメフィラスは仲間となって一緒に闘い、さらには闘士を越える伝説の「超闘士」となる……などなど、誰もが一読すればわかる、非っ常~にジャンプマナー全開のバトルマンガだ。

とはいえ決してハンパなパロディに陥ることなく、ウルトラマンの世界観をキッチリと反映させながら、友情と絆をしっかり描く激アツ展開。ハイスピードでグイグイと最後まで読ませてくれる傑作である! それもそのはず、原作の瑳川竜は「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の原作者・三条陸の別名義。本家本元印の「友情・努力・勝利」エッセンスが、栗原仁による柔らかくも気合の入った作画と見事にマッチングしているのだ。

瑳川竜原作 栗原仁作画「ウルトラマン超闘士激伝」

もともとは「SDガンダム」が大ブレイクしたことにより、続く企画として始まったタイアップもの。カードダスのリリースに連動してストーリーもメフィラス編~ヤプール編~ゴーデス編~エンペラー星人編と展開していったが、ボンボンコミックスにはゴーデス編以降まるまる未収録だったため、今回の復刊でようやく悲願の完全収録。ファンは歓喜したことだろう。

「これが連載されていた頃の『ボンボン』がいちばん熱かった」と懐かしむ読者も多く、この復刊のヒットによって“ネオ懐マン”の他作品リリースにもつながったという、中身、実績共に大事な作品である。

岩本佳浩「ロックマンX」

岩本佳浩「ロックマンX」

●あらすじ人間を守るために開発されたはずのレプリロイドが人間を襲いはじめる。絶え間なく成長し続けるレプリロイド=ロックマンが、世界を守る為に立ち上がった。「ロックマンX1」「ロックマンX2」「ロックマンX3-1」「ロックマンX3-2」「ロックマンX4」の全5巻が発売中。コミックボンボン(1994年~)初出。

名言シャウトしまくり! ヘヴィな岩本版ロックマン

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「いつ終わる!! いつ終わるんだよ!! いつ闘いが終わるんだよーっ!!」「強さは俺の心の中にあるんだ!!」「俺は伝説のロックマンじゃない…。俺も一匹の…、鬼だ…」「俺と一緒に地獄に落ちろぉ…Σぁあ…」「俺は…いったい何の為に闘っているんだぁあぁあぁぁぁっ!!」「泣けなかったんだーっ!! あの時、あいつの為に泣けなかったんだよーっ!!」などなど、全編に渡って登場人物が名言シャウトしまくり! とにかく熱い! 濃い! 重い! ボンボンでは池原しげと、有賀ヒトシもロックマンをコミカライズしていたが、岩本版ロックマンは特にへヴィでシリアスな世界観が魅力の名作である。

世界中で暴れ回るレプリロイドのイレギュラー(故障者)を処分するのが仕事である主人公・エックスは、「人間こそイレギュラーだ」と反乱を起こした最強のレプリロイド・Σを倒すために闘い続ける。しかし、そこに至るまでの多くの犠牲や哀しみ、闘いの虚しさなどを経験し、涙を流しつつも前へ進んでいく。そのハードな絵柄と重厚なストーリーは本家のゲームにも影響を与え、ボンボンの「思い出の作品ナンバー1」に挙げる人も多い。

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見どころは数多いが、特筆すべきは1巻収録のイグリード(ゲームでの正式表記はイーグリード)との闘い。エックスの先輩・ゼロとイグリードの関係性をしっかりと描き、それでもエックスの成長のために死を選んだイグリードと、それを受け止めるゼロの男っぷりが印象的な名シーンだ。

ボンボンの2006年の大幅リニューアルにより、「ロックマン」のマンガや記事は作者を替えコロコロに移籍。しかし“ネオ懐マン”世代にとって、「ロックマン」は永遠にボンボンと共にあるのです。

注目の“ネオ懐マン”

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