コミックナタリー Power Push - アントンシク「リンドバーグ」

キャラデザからデジタル処理まで 門外不出!若き実力派の創作現場

デジタル仕上げ<カラー編>

カラー原稿もデジタルで。下描きをスキャンしたあとペインターで着彩し、フォトショップで加工して仕上げる。企業秘密だというテクスチャ加工も特別に公開。

下描き・スキャン

下描き・スキャン

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下描き・スキャン

モノクロと同様、ペン入れ後の原稿をコミックスタジオのスキャナ機能で取り込む。着彩はほぼ自分ひとりで行うため、青ペンでのアシスタントへの指示はほとんどない。[画像を拡大

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着彩(1)

着彩(1)

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着彩(1)

着彩にはペインターを使用。塗り終わったものを線画と重ね合わせる。[画像を拡大

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着彩(2)

着彩(2)

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着彩(2)

グラデーションツールを使い色を重ねていく。「ただ塗っただけだと味気ないというか、地味な印象がするので、オーバーレイで赤とか青を重ねて色の調子を整えます。色を乗せたいところだけ選択範囲を作って、グラデーションツールでバッと」。[画像を拡大

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着彩(3)

着彩(3)

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着彩(3)

さらに石の写真を撮ってきて作った独自のテクスチャを重ねる。「テクスチャは結構企業秘密なんですけど(笑)。これ真似されたくないなあ」。着彩した絵に、コントラストを調整しながらテクスチャを薄く乗せる。「これを足すと紙に描いたような質感になるんです。結構やってる方は多いと思うんですけどね」。[画像を拡大

独自の技法

独自の技法

「独自のテクニックなどありますか?」というコミックナタリーの問いに、しばらく悩んだ結果アントンシクから出た答えはなんとタバコだった。タバコのフィルターを使ってベタの効果などを演出するという。その姿を見ていた担当編集も「初めて見ました。かなり特殊なやり方だと思いますよ(笑)」と苦笑い。技術面はもちろん、こういったアイテムもアシスタントとして通った師匠である中村嘉宏の影響だという。「道具も技術も師匠から教えてもらったものがほとんどですね。師匠が俺の理想のような絵を描くので……ほんとに天才ですよ。でも俺には一生追いつけないんだろうな……」。[画像を拡大

アントンシク「リンドバーグ」 / 2009年12月12日発売 / 460円(税込) / 小学館 ゲッサン少年サンデーコミックス / ISBN: 978-4-09-122105-6

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アントンシク「リンドバーグ」(1)

あらすじ

周囲を“ボーダー”と呼ばれる絶壁に囲まれた、高地の国・エルドゥラ。空を飛ぼうとすることが禁じられたその王国で、プラモと名付けた不思議な生き物と暮らす少年ニット。そんな彼の前に、突然、外の世界から空を飛んでやってきた怪しげな男・シャークが現れて…!!??

誰も見たことのない、未体験アドベンチャー巨編!

アントンシク

アントンシク

4月2日生まれ。愛知県出身。血液型O型。「Webコミック幻蔵」2006年1月号より「ガゴゼ」で連載デビュー。幻冬舎バーズコミックスより全5巻が発売されている。2009年5月、ゲッサン創刊号(小学館)にて「リンドバーグ」の連載をスタートした。