眩しすぎて死ぬかと思いました

──完結編の撮影では、どこが一番印象深いですか？

うーん……屋上から落ちるシーンは大変でしたね。

──何度も撮り直したり？

日数も掛けましたし、すごく眩しかった。直射日光が（笑）。

──なるほど（笑）。

染谷くんと「これヤバいな」って話してましたね（笑）。右手を空にかざしながら太陽を見てたんですけど、眩しすぎて死ぬかと思いました。

──今日の取材の段階ではまだ完結編の最終仕上げの段階ですが、ラッシュ（※未完成の映像）はご覧になったんですよね。

はい、最近観ました。

──通して観ていかがでしたか？

もう、単純にすごく面白い映画を観たなという気持ちになって、本当にうれしかったです。原作もそうですけど、映画も、これだけエンターテイメント性と深みのある物語性が両立して成功している作品ってなかなかないと思うので。「素晴らしい映画を観たな」と思ったし、それにご縁があって参加することができたことを、改めてうれしく思いました。

ミギーが味噌汁を作るシーンはとんでもない

──ラッシュを観て「撮影中はわからなかったけど、こんなふうになってたんだ」って驚いた部分もあったのでは。

そうですね……もうほぼ全部そうなんですけど（笑）。三木役のピエール瀧さんは、あれだけ個性的なキャラクターを持ちながら、「出番これだけなんだ」っていう印象は少し持っちゃいました。

──（笑）。

ふふ。彼の最期も衝撃的で。原作でとっても個性溢れる面白いキャラクターなんですけど、映画でも強烈な印象が残りましたね。あとミギーがお味噌汁を作るシーン、すごかったです。もう、とんでもないことしてたんだなって。

──とんでもないことというと？

一瞬で終わるほのぼのした日常のシーンですけど、あれだけ面倒くさいCGを、すごい労力を掛けて作ったんだなって。ミギーがお皿落としたりする細かい動きの全部が、「よくこれを避けて通らなかったな」っていうことの連続で。山崎監督もですけど、スタッフの皆さん、やっぱり妥協しない、素晴らしい情熱を持った方たちだなって思いました。

──クランクアップから1年弱が経とうとしていますが、振り返ってみて自分にとって「寄生獣」はどんな作品だったと思いますか。

いま一番強いのは、無事完成してよかったっていう安堵の感情なんです。映画の中で「組織を作ることは難しい」って、深津（絵里）さんが演じる田宮（良子）さんが言うんですけど、本当にその通りで。これだけ大勢の人間が集まってものづくりをするっていう現場もなかなか経験をしたことがなかったですし、スタッフさんみんな個性豊かでバラバラなのに、お互い補い合うことを諦めずに、物を作るっていうことを達成できた喜びはすごく大きかったです。

──ファンの方に完結編を届けるのが待ち遠しいですね。

そうですね。まず前編を観ていただいた方は、絶対に満足させられる自信がある完結編になってると思いますし、早く続きを観たいって思ってくださる方々も、期待を超えるものができあがったのではないかと私は信じています。前編を観ていない方は、DVDも発売されることですし、一度前編をご覧いただいてから劇場に足を運んでほしいですね。

メイク：ナライユミ
スタイリスト：岩渕真希

衣装：カットソー2万6000円、スカート3万4000円（LIMI few、価格はすべて税別）
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