コミックナタリー PowerPush - さと「フラグタイム」

WEB発、SF(すこしふしぎ)な百合ワールド さと×橘田いずみの新世代百合エイター対談

WEBマンガサイト・Championタップ!(秋田書店)の連載作から、初の単行本がリリースされた。ウルトラセブンを敬愛する女子高生を描いた「セブンきゅ~ぶ」、「魔法少女・オブ・ジ・エンド」の佐藤健太郎による残酷魔法少女戦記「魔法少女サイト」、そしてさとによる「フラグタイム」の3作品がラインナップされている。

コミックナタリーでは3作品の中から、女子高生同士の不思議で危ない関係を描いた「フラグタイム」をフィーチャー。百合ファンとして名高い声優の橘田いずみを召還し、作者のさとと、同世代の女性クリエイター同士で百合作品の魅力を語ってもらった。

取材・文/安井遼太郎 撮影/唐木元

 
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さと×橘田いずみの空想“百合”放談

女の子だって、他の女の子のパンツが気になる(橘田)

左からさと、橘田いずみ。

橘田いずみ 「フラグタイム」すごく面白かったです! 私、スマホで一気に読んじゃいました。

さと あ、ありがとうございます……! どういうところがよかったですか?

橘田 えっと、あの……、女の子だって他の女の子がどういうパンツ履いてるか、気になるじゃないですか。

さと え、あ、はい……、そうですね(笑)。

橘田 そういうちょっと変態的っていうか……、実際考えてるんだけどあんまり人に言えないようなところを描いてくれていて、嬉しいなって思いました。

さと よかったです。嬉しい(笑)。

橘田 あと、「時間を止められる」っていう設定そのものは非日常的なんですけど、主人公の心の中は日常の延長線っていうところ。現実と空想の間みたいな感覚がすごく面白くて。百合好きの友達にマンガのURLを回して、みんなで「3分間時間止められたらどうする?」って盛り上がりました。

さと 橘田さんは、3分間時間が止められたらどうされますか?

橘田 そうですねー、まずマネージャーの服を脱がします。

「フラグタイム」カット

マネージャー えっ?

橘田 私のマネージャー、多分うちの会社のなかでいちばんのナイスバディなんですよ。服を着ててもわかるくらい(笑)。だから時間を止められたら、彼女の中身をチェックしたいです!

さと あははは(笑)。

橘田 だから私、主人公の森谷さんと考えてることは結構近いと思うんですよね。

教室で服、脱いでみたくないですか?(さと)

さと 橘田さんは、主要キャラでは村上さんと森谷さんのどちらがお好きですか。

橘田 村上さんが好きですね。こういうちょっかい出す子って、誘い受けっぽくて(笑)。それに、相手を手のひらで回してるようなフリをしてるけど、その実何か抱えてそうなところとか。いきなり冷たくするところなんてすごくグッときて、「うまいなー」って思います。

橘田いずみ

さと ありがとうございます。いきなりツンのほかに、どんなことしてもらいたいとかありますか?

橘田 そうですね……作中にも出てくると思うんですけど。「さわりたいんでしょ?」って言いながら、こう、相手の子の手を取って、自分のところに持ってくる、みたいな。まさに誘い受けな動きをしてほしいです。

さと 橘田さんに村上さんを演じてもらいたいですね。

橘田 ありがとうございます。実は私、百合マンガを読むときに、自分の声で1人2役で音読したりするんですけれど。

さと そ、それ録音したい。

橘田 「フラグタイム」もそれをやって、すごく楽しかったです。でも読んでいくうちに疑問が沸いてきて。6話なんですけど、どうして村上さんは教室で脱いだんですか?

さと あ、それはこれから徐々に明らかになっていく予定です。でも教室で服、脱いでみたくないですか?

橘田 えー(笑)、どうだろう。

さと 服ってやっぱり、自分を縛り付けてるものだと思うんです。それに抗う感じで脱ぐのもいいかなと。

橘田 ああー。時間が止まったらまず他人を脱がすことを最初に考えちゃうんでしょうけど、自分が脱いでみるというのもありかもしれませんね。なるほどー。

女の子同士のほうが感情移入しやすい(さと)

さと 橘田さんは、百合ものがずっとお好きなんですか?

「フラグタイム」より。

橘田 はい。自分が出演する作品などの資料として持ってるマンガ以外は、百合しか持ってないです! さと先生は、ずっと百合作品を描かれてるんですか?

さと いや、本格的な百合作品は「フラグタイム」が初めてです。

橘田 あ、そうなんですね。なぜ百合作品を?

さと いやー私、男の子が描けないなと思って(笑)。あとやっぱりずっと百合をやってみたいなと思っていたんです。橘田さんがお好きな作品とかはありますか?

橘田 私、百乃モト先生という作家さんが大好きなんです。中でもドロドロの三角関係を描いた「キミ恋リミット」っていう作品がいちばん好きで。

さと 読んでみます!

──最初に百合作品に目覚められたのはどういったきっかけだったんでしょう。

さと 私はやっぱり志村貴子先生の「青い花」ですかね。あの作品を連載している雑誌で読んで、「いいな~」って思ったのが最初だと思います。

橘田 「青い花」は私、アニメにちょっと出ていたのでもちろん読みました。でもまだ最終巻を読んでないんです。

さと あ、そうなんですか。最終巻すごくいいですよ。

橘田 わ、そうなんだ。読みます! ただ「青い花」って付き合ったりする以前の、心が接近していく過程を描いていく話じゃないですか。私の個人的な趣味としては(笑)、もうカップルとして付き合いだしてからの、イチャイチャしてる感じのほうが好きだったりしますね。そのほうがリアルに感じられるんです。

「フラグタイム」より。

さと そういう、女の子同士の体験とかが身近にあったんですか?

橘田 ふふふー(笑)。わりと小学校の頃から、女の子と恋人ごっこみたいなことしてました。大学も女子大で、女同士で「愛してるよー!」って夕日に向かって叫ぶ、みたいな、授業中はずっとイチャイチャしてるみたいな学生生活を送ってたので。百合マンガの世界が、日常的にあった感じです。

さと ああー。でもわかります、女の子とイチャイチャするほうがよくあるというか。私、基本的に身の回りにあんまり男性がいなくて。

橘田 えっ、素晴らしい。すごくいい生活ですね(笑)。

さと だから女の子同士のほうが、感情移入できるのかもしれないです。

Championタップ

秋田書店のチャンピオンレーベルから誕生した、オール新作・オール無料、登録不要のWEBマンガサイト。毎週木曜日に更新される。

さと「フラグタイム(1)」 / 2014年3月7日発売 / 630円 / 秋田書店
さと「フラグタイム(1)」
作品紹介

1日3分だけ時間を止められる女子高生・美鈴……。コミュ障な彼女の趣味は時間を止めての人間観察。ある日、クラス一の美少女・村上さんのパンツを覗いたら秘密がバレて……!? 連載時から話題沸騰、衝撃作がコミックス化!!

さと
さと

2006年、ヤングガンガン(スクウェア・エニックス)にて「いわせてみてえもんだ」でデビュー。2010年から2012年にかけて週刊少年チャンピオン(秋田書店)にて「りびんぐでっど!」を連載。2013年もっと!Vol.2(秋田書店)にて「フラグタイム」の連載を開始し、2014年現在はWEBマンガサイトのChampionタップ!にて同作を連載中。

橘田いずみ(きったいずみ)

11月27日生まれ。東京都出身の声優。出演作はテレビアニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ」シリーズ(コーデリア・グラウカ役)、「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」(黒木智子役)など。声優ユニット「ミルキィホームズ」のメンバーとしても活動中で、ラジオやテレビ番組への出演などをマルチにこなす。餃子評論家としての顔も持ち、最近では雑誌に餃子記事の連載を持つなど、声優の枠に囚われず活躍の場を広げている。