コミックナタリー Power Push - スエカネクミコ「放課後のカリスマ」
ナポレオンもヒトラーも同級生 前代未聞の偉人学園ドラマ
キャラクターを掘り下げる、そして今日も伏線が増える
──ラノベっぽいキャラドラマを目指したということですが、描く上で実際に重視しているポイントなどあります?
キャラクター同士のやりとりや、関係性ですかね。当たり前のことですが、それを描かないことにはキャラの魅力を引き出せないので。ただ個々のキャラを掘り下げるほどお話が長くなるんですよ……。作品の深みが増すにつれ伏線が増えて、私がそれを回収し忘れるという罠……!
──確かにシナリオもどんどん複雑化してきました。では一度メインキャラクターを中心に、登場人物のおさらいをしてみましょうか。
ナポレオン
フランスの軍人「ナポレオン・ボナパルト」のクローンで、主人公・史良と行動をともにする友人グループのひとり。明るく友好的な性格で、リーダーシップを発揮するグループの兄貴的存在。喧嘩の仲裁はお手のもの。
フロイト
精神分析学者「ジークムント・フロイト」のクローン。友人グループのひとりだが、理屈っぽく意地悪な発言をするため主人公・史良とは喧嘩が絶えない。クローン・ケネディ暗殺の実態を独自に探る、グループ内の頭脳派。クールな顔して、その実はむっつりスケベ。
ナイチンゲール
看護師「フローレンス・ナイチンゲール」のクローン。優しく温和な性格をしており、友人グループ内のお姉さん的存在を担う。涙もろいが芯の強さを持ち合わせ、戦場の天使と呼ばれたオリジナルのイメージを受け継いでいる。巨乳。
エリザベス
イギリスの女王「エリザベス一世」のクローン。生涯未婚を通したオリジナルの運命を儚み、強い結婚願望を持つおきゃんな女子。友人グループの中では女子同士ナイチンゲールと仲が良く、行動をともにする場面も多い。微乳。
一休
日本の禅僧「一休宗純」のクローンで、グループ内のムードメイカーを担うお調子者。根は真面目で、たまに深い仏教的な教えを説く。オリジナルの人となりに加え、後世の創作である「とんち坊主」の一休さんまで意識している。眼鏡キャラ。
ジャンヌ
フランスの英雄「ジャンヌ・ダルク」のクローン。聖女と呼ばれたオリジナルと同じく気高い心を持つが、宗教裁判により火あぶりとなったオリジナルの最期に恐怖を抱く。クローンを救うというお守り「ドリー様」を崇拝。「ドリー様」を信仰する会合にナポレオンを勧誘する。
あらすじ
時は西暦2×××年。ナポレオン、エリザベス一世、ナイチンゲール、一休、モーツァルト、フロイト、ヒトラーといった世界中の「偉人のクローン」のみが集うセントクレイオ学園。そこで、ひとり「非クローン」として在籍する神矢史良は、学園生活の中でクローンたちの苦悩を目の当たりにする。そんな折、学園の卒業生であるクローン・ケネディが衆目の中で暗殺された。クローンを襲う謎の勢力、その正体とは? そして、史良の行く末は……?
スエカネクミコ
大学卒業後、株式会社カプコンに勤務。「逆転裁判」「ビューティフル ジョー」といったゲームソフトのキャラクターデザインを手がける。退社後、商業マンガ誌にて活動を開始。主な著作に「成城紅茶館の事情」「プリティ・マニア」など。