「将国のアルタイル」|村瀬歩×古川慎対談、対照的で、どこか通じ合う2人

ロジカルシンキングでひとつ上の男へ

──「将国のアルタイル」ではキャラクターたちの「戦略」や「戦術」で物語が動いていきます。例えばおふたりは日々の中で挑戦したいこと、目標を見つけたときに“戦略”ほどの大それたものではなくても、きちんと計画を練って実行していくタイプですか?

村瀬 えー、どうだろう。

古川 ……(顔をしかめる)。

──すごく難しい顔をされましたね(笑)。

古川 僕、計画を立てられないんですよ。それに物事を順序立てて説明することもすっごく下手くそっていうことに、つい先日気付きまして。

村瀬 そうなんだ(笑)。

左から村瀬歩、古川慎。

古川 ザガノスとしてはちょっと致命的なんですけど(笑)。それをどうにかしたいなと思って、この間“ロジカルシンキングができるようになる本”を買いましてですね。これを読んで、ザガノスに一歩でも近づけるようにがんばりたいなと思ってます。

村瀬 でもそれも目標に対しての情熱があるってことだよね。

古川 ……違うんですよ! 僕は社会人として未熟だなっていうのを、いろんな現場で痛感しているので、これはやらなくちゃいけないことだなと思うんです。

村瀬 おお、偉い!

古川 なので、僕は今日からロジカルシンキングを学ぶ本で、1つ上の男を目指します。

村瀬 あー、それ宣言しちゃったらマネージャーさんも聞いてるし、できてないと怒られるよ。

古川 (小声で)……あの、人によって得意なことは違うので……(笑)。

村瀬 (笑)。でも古川くんってホントにまっすぐだと思いますし、そうやって突き進む感じは僕にはないところなので、すごく羨ましいです。

古川 そうですか?

アニメ「将国のアルタイル」PVより。

村瀬 僕は興味ないことに対しては何もやらないし、興味あることに対してもどうやっていけばいいのかわからないから“とりあえずやる”方式で進めることが多いんですよ。わからないなりに、あたふたしながらも何か吸収しようという意識だけは持ち続けるにようにしているんですが。そういう意味だと僕も計画的にはできないほうですね。「あ、これ楽しそう」とか「これが自分に足りてないかも」とか、思いつきでやってます。だからお互いロジカルシンキングが必要だね(笑)。僕もその本を読んだほうがいいかもしれない。

古川 でも村瀬さんって作品の奥底に隠されてるテーマとか、哲学的なものを探るのがすごくうまいじゃないですか。

村瀬 うーん、どうなんだろ? あくまで自分が感じたことだから、それを原作の先生に話したら「いや、そんなこと考えてないです」って言われるかもしれない(笑)。

古川 でもそういうアンテナを持ってるってことですよね。

村瀬 そういう意味では……感受性が豊かなのかな?

古川 そういうところが俺には足りないんだよなあ。

村瀬 いやいや、冗談だよ(笑)。

演じているうちにそのキャラクターに近づく気がする(古川)

──お話を聞いていると、演じているマフムートとザガノスにも対照的な部分がありますけど、おふたり自身にも、いい意味で対照的なところがあるように感じます。

「将国のアルタイル」より。

村瀬 そうですね。たぶん似てるところもあって、マフムートもザガノスも頑固じゃないですか。国のために自分なりの正義があって大義が通っているところも、僕らの根底にお芝居を好きという気持ちがあって、よりよい作品にするために貢献したいと思っている部分があるのと似ているのかなと。だからお芝居のアプローチの仕方が違っても、いずれどこかで重なり合うみたいなところはあるんじゃないかな……って、勝手に思ってます。

古川 いや、おっしゃる通りです。でも不思議ですよね。自分とはあんまり似た部分がないなと思ったキャラクターでも、演じているうちにそのキャラクターに近づいていってる気がするときがあるから。

村瀬 うんうん。やっぱりしゃべり方とか、自分が表現するキャラクターには少し似てくるのかもね。

古川 そういう意味でもお芝居って面白いなと思うし、「アルタイル」でも素敵な役に巡り会えたなと思います。

──それでは最後に、そんな「将国のアルタイル」のオンエアを楽しみにしている読者へメッセージをいただけますか。

左から古川慎、村瀬歩。

古川 史実ではないのが残念に思うくらいの壮大な物語が、「将国のアルタイル」では繰り広げられていきます。キャスト、スタッフ一丸となって作り上げておりますので、その物語をテレビを通して感じていただければうれしいです。7月からの放送をぜひお楽しみに。

村瀬 普段から歴史ものや戦記もののお話に触れていない方は「ちょっと難しそうだな」と思ってしまうかもしれないんですが、絵や音楽や役者のお芝居から作品の熱量を感じ取っていただければ、きっと面白く感じていただける作品だと思いますので、まずは気楽な気持ちで観てもらえたらうれしいです。もちろん原作のファンの方々も、キャストとスタッフみんながカトウ先生からお預かりしている原作のことを大事に思っていて、ご期待に添えるような作品にできるようがんばらせていただいておりますので、ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。

シド「螺旋のユメ」特集
テレビアニメ「将国のアルタイル」
「将国のアルタイル」

放送情報

MBS:2017年7月7日(金)より毎週金曜26:25~
TBS:2017年7月7日(金)より毎週金曜26:25~(第1話は26:27~)
BS-TBS:2017年7月8日(土)より毎週土曜24:30~

スタッフ

原作:カトウコトノ(講談社「月刊少年シリウス」連載)
監督:古橋一浩
シリーズ構成:高木登
キャラクターデザイン・総作画監督:菅野利之
アニメーション制作:MAPPA
製作:将国のアルタイル製作委員会

キャスト

マフムート:村瀬歩
ザガノス:古川慎
キュロス:KENN
アビリガ:諏訪部順一
スレイマン:小西克幸
カリル:緒方賢一
ルイ:津田健次郎
レレデリク:小林ゆう
グララット:櫻井孝宏
ルチオ:小野大輔
ブレガ:山路和弘
バラバン:中井和哉
バヤジット:内山昂輝
アイシェ:茅野愛衣
オルハン:島崎信長
イスマイル:岡本信彦
イブラヒム:佐藤拓也
シャラ:日笠陽子
ほか

カトウコトノ「将国のアルタイル⑲」
発売中 / 講談社
カトウコトノ「●●作品タイトル●●」

コミック 648円

Amazon.co.jp

Kindle版 540円

Amazon.co.jp

“警告の鐘”をもって、ついにバルトライン帝国の喉元・城壁の町(ミュール)に刃をつきつけたザガノス軍。帝国存亡の危機ともいえるこの戦況に、皇帝に忠誠を誓った新貴族(ヘルマン)が、獅子奮迅の戦いを挑む。レレデリク率いる重騎兵4千の大軍団の増援を待ち、自ら囮となり戦場を駆ける新貴族。トルキエとバルトライン。暁が昇るとき、勝利を手にするのはいずれの陣営か!?

村瀬歩(ムラセアユム)
アメリカ合衆国出身、12月14日生まれ。主な出演作は「ハイキュー!!」(日向翔陽役)、「D.Gray-man HALLOW」(アレン・ウォーカー役)、「怪盗ジョーカー」(ジョーカー役)など。
古川慎(フルカワマコト)
熊本県出身、9月29日生まれ。主な出演作は「ワンパンマン」(サイタマ役)、「orange」(須和弘人役)、「タブー・タトゥー」(赤塚正義)など。

2017年8月2日更新