お笑いナタリー Power Push - カンニング竹山
犬童一心監督ショートムービーで啓発「詐欺は防げる」
そんなに言うほど役者やってないんですよ!
──犬童監督とのやりとりを経て、「こういう芝居をしよう」と特に心がけたところはありましたか?
母親に「年取ったんかね」って言われたあとの、僕の心の迷いみたいなお芝居がなかなか難しかったです。監督と意思疎通は取れていたんですけど、それをどのような表情で表現していくか、っていうのはいろいろと注文もあって大変でした。
──たしかにお母さんからの台詞は気持ちにグサッと刺さるところがあります。
そこは動画の肝の部分でしょうね。大切なことに気付くことで、僕が営業先での仕事中に母親に電話するシーンも晴れやかになった。
──ところで今回の動画で主演を務められたように、竹山さんは役者としてのお仕事がとても順調なように思われるのですが、ご本人としてはどうお考えでしょうか。
僕ね、そんなに言うほど役者の仕事やってないんですよ! 「花子とアン」以来、がっつりとやってないですからね。
──役者としてご自身の演技をどのように評価してらっしゃいますか?
どのようにもなにも評価してないですよ! お笑い芸人としてやってるだけですから。スケジュールも皆さんが思っているほど無理やりドラマに割いていませんし。ほかの芸人のほうがよっぽどやってますからね!
悪い金で生きることほど恥なことはない
──以前から詐欺問題に関心があったということですが、竹山さんを動かす根本にあるものは何なのでしょうか?
やっぱりダメなものはダメだと思うんですよ。別に僕は正義感あふれる人間というわけでもなくて、ダメなこともいっぱいやるんですけど(笑)。だけど年寄りから金取るとか、やり方がちょっと違うんじゃないかと。好きじゃないんですよね、そういうのが。
──詐欺グループに対して竹山さんからおっしゃりたいことはありますか?
金が欲しいのはわかる。僕だって欲しいし、みんな欲しい。生活もみんなよくしたい。ただ一番の問題はね、その金って汚いお金なんですよ。いい金なのか悪い金なのか、金って意味があるんです。悪い金で生きることほど恥なことはない。いずれ捕まりますし、「捕まったあとの人生を考えてみなさい」と。他人にも迷惑がかかる。結局いいことなんて1個もない。だからやめなさい!と伝えたいです。
──お笑いナタリーの読者やそのご家族が詐欺被害に遭わないために、最後にアドバイスをいただけますか?
これを読んでいる人には、お父さんやお母さんのほかにも、おじいちゃんやおばあちゃんがいる人も、中にはいるでしょう。普段からコミュニケーションを取っておくことが、詐欺を減らす一歩になると思います。皆さんが思ってる以上にこの詐欺は広がっているんですよ。街の知らないおじいちゃんやおばあちゃんとコミュニケーションを取るのは難しいかもしれないけど、せめて身内だけでもコミュニケーションを取っておく。それしか防ぎようがないので、そういうことをやってほしいです。
「高齢者詐欺被害の未然防止」啓発キャンペーン
振り込め詐欺をはじめとする「特殊詐欺」の被害は2014年、認知件数が13,392件、被害総額が約565.5億円と、いずれも前年と比べ大幅に増加している。「『高齢者詐欺被害の未然防止』啓発キャンペーン」は、これらの被害の未然防止を図るため、内閣府と消費者庁、警察庁、金融庁の連携によって2015年12月3日にスタートした。
従来のキャンペーンは詐欺に遭う高齢者自身に向けたものが中心だったが、今回は詐欺に遭う高齢者の子供世代に向けた新たな視点で展開されている。カンニング竹山はこのキャンペーンのWeb限定動画「毎日話せば詐欺は防げる」編で主演を務めた。
カンニング竹山(カンニングタケヤマ)
1971年4月2日生まれ。福岡県出身。サンミュージックプロダクション所属。