お笑いナタリー Power Push - マルさまぁ~ず
人気深夜番組が待望のDVD化 くだらなさの極致がここに!
「神さまぁ~ず」「さまぁ~ず式」「ホリさまぁ~ず」に引き続き、同枠で2010年4月から9月にかけて放送されていた深夜バラエティ「マルさまぁ~ず」。さまぁ~ずと青木裕子アナが毎回ゲストを交えて多彩な企画にチャレンジしていたあの番組が、いよいよDVDになって2カ月連続で計5巻発売される。
DVD制作にあたっては、大竹一樹が自ら収録内容を厳選。メンバーの行く先々にいたずらが仕掛けられた「みんなが笑っちゃうツアーズ」をはじめ、衝撃映像満載の「大竹に何とかやらせたい7のこと」、ブラックマヨネーズ小杉の名ツッコミが炸裂する「○○ちゃうねんから!BINGO」など、番組を代表する人気企画が余すところなく収録されることになった。
お笑いナタリーでは、番組の演出を手がけた水野達也ディレクターを直撃。それぞれの企画の舞台裏をたっぷりと語ってもらった。
取材・文/遠藤敏文
Vol.12011年7月27日発売
みんなが笑っちゃうツアーズ(2010年4月7日O.A.)
ゲスト:バナナマン設楽 / フットボールアワー後藤
内容
記念すべき初回を飾ったのがこの放送。視聴者から届いた“笑える鉄板”企画を出演者たちがツアー形式で実際にやってみるという内容だ。冒頭に登場する「酢ラーメン」は、メンバーがどんなに我慢してもむせてしまう強烈なシロモノで、一同涙目でチャレンジするも次々に口から吐き出してしまう。「顔に輪ゴム」を試したフットボールアワー後藤は、無数の輪ゴムを顔面に巻き付けて目玉が飛び出す寸前に。爆笑をもぎとりながらも自分では姿が見えないため、「やってる本人、手応えゼロです」とぼやいた。番組名物の“くっせー液体”も初回から大活躍。
水野Dによる解説
この番組は全編通して“大竹さんの脳みそを垣間見られる番組”っていうのが裏コンセプトにあるので、大竹さんと打ち合わせしながら「初回はこれがいいんじゃないか」ということで進めました。番組ではオンエア後に毎回「○」か「×」かを視聴者にオフィシャルサイト上で判定してもらっていたんですが、初回に視聴者との接点を作りたかったというのもあります。臭い液体と酢ラーメンは本当に誰がやっても面白いですね。ただ、今までテレビで罰ゲームを見ていて「電流と臭いのは伝わらない」と感じていたので、本当のリアクションを引き出すために“スーパー臭いやつ”を作りました。臭い液体は、くさやの汁がベースなんですけど、もう完全にレシピができあがってます。思ってる5倍ぐらい臭いから、やっぱりみんなすごいリアクションするんですよ。
自演ハプニングBEST10 ①(前半・後半)(2010年4月14日・4月21日O.A.)
ゲスト:有吉弘行 / アンタッチャブル山崎
内容
「ホリさまぁ~ず」時代に好評だった「自演ハプニング」が「マルさまぁ~ず」にも登場。自作自演のハプニングを10位から順番にベストテン形式で発表し、メンバー自ら徐々にハプニングの内容をエスカレートさせていくという人気企画だ。この放送で10位のカードを引いたのはアンタッチャブル山崎。自販機のコーラの炭酸が吹き出すというライトなハプニングからスタートするが、6位の有吉弘行がパチンコ屋の店内でパチンコ玉をぶちまけたあたりから激しい展開に。なぜかバランスボールを三村にぶつけてくる謎の少年“バランスボーイ”が要所要所で活躍した。
水野Dによる解説
「ホリさまぁ~ず」時代、1回も大竹さんに当たらなかったので、その意味も含めて再度やることにしました。万が一また大竹さんが1回もカードを引かなかったら、何にもやらないで終わってしまうので、「一度も当たらなかった人は1位のハプニングをやる」っていうルールを決めたんです。でも、まさか実際にそうなるとは思いませんでしたね。この番組はそういうところを本当にガチでやっているので、当たっていない人も「次に当たったらどうしよう」って、ずーっと考えてるんです。みんな心の中では結構ドキドキしてるんじゃないですかね。有吉さんをキャスティングしたのは、こういうハードルを上げた企画でボケるイメージがなかったから。実際パチンコ屋での有吉さんの動きは面白かったです。
大竹に何とかやらせたい7のこと(前半・後半)(2010年5月5日・5月12日O.A.)
ゲスト:アンタッチャブル山崎 / フットボールアワー後藤
内容
過去2回行われた「自演ハプニング」企画の被害者、山崎、後藤、三村が“くじ運王”の大竹にやらせたいゲームを持ち寄って集合。後藤案「中華あんかけ うずらつかみ」「全力自転車ブリーフ尻ブレーキ」、三村案「フーフー 酢ホース」「バランスボールヘッドスライディング」、山崎案「鼻風船マッチポンプ」「完コピ 大西ライオン」「仰向けコーラ ガブガブ飲み」の7つが実行された。くじ引きではほとんど大竹が勝利し、結局被害者3人がさらなる被害を被ることに。仰向けに寝転んだ山崎の口に“加湿器方式”でコーラのペットボトルを突っ込んだ“ガブガブコーラ”は大反響を呼び、のちに他企画にも登場。
水野Dによる解説
これは本当に何をやらせるかっていうのを大竹さんに事前に教えていないんです。ほかのメンバーには「大竹さん、耳鼻系はダメだから」って伝えたんですが、みんなそういうのばっかり考えてきて。後藤さんは1個ほんとにダメなやつを考えてきて、「これはさすがにやめましょう」って止めたのを覚えています。結局、後藤さんは自分で考えた「尻ブレーキ」をやるハメになるんですけど、オンエアできないぐらいにケツが腫れて面白かったですね(笑)。山崎さんは、大竹さんが一番精神的にイヤがりそうなものということで「完コピ 大西ライオン」を挙げました。ここで出てきた“ガブガブコーラ”、大竹さんはいまだに好きみたいですね。この回は収録が終わったあと、みんな余韻をずっと楽しんでいました。毎回そうですけど、浸る時間がやけに長かったのを覚えてます。
「青木ちゃんにやらせたい4のこと・前」
ゲスト:バナナマン設楽 / バナナマン日村
内容
撮り下ろしの特典映像では、さまぁ~ずとともに番組を盛り上げている青木裕子TBSアナウンサーをフィーチャー。特別ゲストとしてバナナマンも登場し、「大竹に何とかやらせたい」企画の青木版として、三村案「鼻クリーム舌キャッチ」、大竹案「仰向けガブガブコーラ」、日村案「なりきりAKB48」、設楽案「くっせークライミング」の4本勝負をメンバー全員で繰り広げた。前編には青木VS三村、青木VS日村の対戦を収録。
水野Dによる解説
特典映像は、久々に青木アナも集まって収録したんですけど、やっぱりいい空気でした。あんなにカードが白熱するとは思わなかったです。カードを引くだけのシンプルなくだりって、普通の人がやっても面白くならないんですよ。ただこの人たちがやると本当に面白くなるっていう。本気だからですかね、たぶん。みんな本当に青木アナにやらせたいと思っているし、自分がやりたくないものを持ってきているから。
さまぁ~ず
左/大竹一樹(おおたけかずき)
生年月日:1967年12月8日
出身地:東京都
右/三村マサカズ(みむらまさかず)
生年月日:1967年6月8日
出身地:東京都
水野達也
テレビディレクター。「マルさまぁ~ず」のほか、現在は「さまぁ~ずのヤリタ☆ガ~リ~」(TBS系)、「キカナイト」(フジテレビ系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)などの演出を担当している。