これをきっかけにまたネタ番組が広がっていけばいい

──さっそくですが、番組立ち上げのきっかけを教えてください。

伊達　去年2011年3月11日に震災があって、3組とも宮城県出身なので「チャリティライブをやりましょう」って声をかけて始まったのが最初です。当初はライブだけだったんですけど、「ユニットで番組作りましょう」ってBSフジさんからお話をいただいて。「ぜひ」ってことで。

──番組名の通り、東北への思いが詰まっている番組だと思いますが、当初どんなことをやりたいと思いましたか？

富澤　本業はお笑いなんでね。何ができるのかいろいろ考えましたけど、こうやって宮城の人間が頑張ってる、お笑いをやってるっていうのをちょっとでも見てもらって気分転換してもらえたらいいのかなって。

伊達　ネタ番組がなくなってきてるっていうのもあって、そろそろ笑いたい人たちが番組を見て笑って、これをきっかけにまたネタ番組が広がっていけばいいなと。

──お2人はいち早く義援金口座「東北魂義援金」も立ち上げました。

伊達　僕らは現場で津波を見たので……人生観変わるような、そういう出来事でしたから。それで、元気な奴がやんなくちゃいけないって自然と思った流れで立ち上げたんですけど。中には「芸人だから震災のイメージつくのはよくない」とかいう意見も多少あったりもしたんですけど、それでも全然問題ねえなって思って、そこはもう開き直りました。

──そうした思いはマギー審司さんや狩野英孝さんも一緒ですか？

伊達　まあ、マギーさんは一緒だと思いますね。狩野英孝はちょっと……。

──あはははは（笑）。

伊達　でも、純粋にただのお笑い番組なので、気軽に見てもらえれば一番わかりやすいっていうか、笑いやすいと思います。

スタジオコントは芸人の夢

──どのネタもみなさんの持ち味が活かされていて非常に面白かったです。

富澤　けっこう下ネタ多いですからね。

──そうですね。1本目のコント「ネタ見せ」から下ネタ全開で（笑）。これまで「エンタの神様」などでもスタジオコントをやられてきましたが、この番組で新しくチャレンジをしたことは？

富澤　作家さんが書いたネタなんで、僕らは書いてないんです。ただ、マギーさんと一緒にコントするのは初めてでしたし、英孝ちゃんもコントってなると一緒にやったことないんで、チャレンジといえばチャレンジですね。

伊達　「マジシャンと天然」っていう（笑）。その2人とユニットコントをやるっていうことで、ボケるのは富澤しかいなくて、ツッコむのは僕しかいないんで、すごく負担が大きかったです（笑）。

──変な汗かきましたか？

伊達　そうですね（笑）。台本も僕らだけ半端ない量で、なぜか1回しかネタ練習の日がなかったんです。「各自練習してこい」って、そういう問題じゃねえだろと思ったんですけど、BSフジの谷口さんっていうスタッフがドSなんですよ。とにかくずっとカメラを回しっぱなしにしたり、「もっと出るんじゃないの？」ってもう1回すぐやらせたり。そういうのがいい面白さにつながったかなと思います。

富澤　英孝ちゃんもネタ書いてきたんですけど、ちょっと面白くなかったんで。

伊達　台本見た上でカットっていう。

富澤　意味がわかんなかったんで（笑）。でも、もし今後番組があるときは誰かが書いたネタとかもやるかもしれないですね。

──1回しか練習しなかったんですね。

伊達　そうですね。基本的には優秀な作家さんが筋を作ってくれたんですけど、アドリブも相当入ってます。

──マギーさんとの富澤さんのコンビ芸は息がぴったりで、とても1回しか練習していないようには見えませんでした。

富澤　マギーさんのマジックは、本番でしかやってないんですよ。

伊達　富澤がたまに変なことするんですよ、台本以上のことを。それはなんとなく僕はわかるんですけど、マギーさんもちょいちょいやってくるんです（笑）。それが難しかったですね。

──さらにトミドコロさんも出演されています。

伊達　そうですね。100%完全なるバーターですけど（笑）。でも彼もこういう番組に参加できて非常に喜んでます。彼はできる人間なんで、安心してやれました。

富澤　本当にこんな感じの番組って子供の頃から「いいなあ」とか憧れてたんで。英孝ちゃんとも「すごいねえ、こんなことできてんだ」って現場で話をして。

伊達　スタジオコントは芸人の夢ですよね。