ジャングルポケットが語る劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」 “お笑い賞レースの裏側”にも通じる熱さがある (2/2)

「ウマ娘」とお笑い賞レースの共通点

──芸人さんのレースといえば、お笑い賞レースですが、お笑いの大会に臨む皆さんの姿とウマ娘の姿に重ねる部分はありましたか?

太田 「好きでやっているのに、楽しさの向こう側に辛さがある」という部分は似たものを感じました。基本的には楽しい世界なんですけど、負けた悔しさとか、いろんな感情が渦巻いていて、そういうものを含めて1つの大きなストーリーになっているというか。

斉藤 作中で、優勝候補が不在になってしまうという場面があって、それは賞レースでも起こることだなと。「あそこが出ないんだったら優勝できるな」と思う芸人もいれば、「あそこに勝って優勝したかったな」と思う芸人もいる。「大本命を倒すぞ!」みたいな意気込みを失ったときの「それでも出場するのか?」という迷いはお笑いの賞レースにもあって、主人公の心境と重ね合わせました。

お笑いトリオのジャングルポケット。

お笑いトリオのジャングルポケット。

──ジャングルポケットさん自身も「キングオブコント」に参戦するかしないか注目される存在になってますよね。

斉藤 そうですね。毎回「今年は出ないほうがいいのかな」みたいな葛藤はあります。

太田 我々もだいぶ古参になってしまいましたからね(笑)。この間まで最若手として戦ってたかと思えば、気付けば準決勝で周りを見渡すと老害みたいな扱いをされていますから。

──中堅やベテランが大会に出場することで盛り上がるお笑いファンはたくさんいると思います。

太田 そう思ってもらえる人がいるならうれしいです。

もしも芸人バージョンのレースがあるとしたら

──ライバル関係にあるジャングルポケットとアグネスタキオンですが、芸人バージョンの<トゥインクル・シリーズ>があるとしたら、それぞれライバルは誰になりそうですか?

ライバルのジャングルポケット(左)とアグネスタキオン(右)。

ライバルのジャングルポケット(左)とアグネスタキオン(右)。

斉藤 うーん……明石家さんまさんですかね。

太田 自分の見積もり高いな!

斉藤 さんまさんよりも面白くなりたいし、さんまさん以上の手数で攻めたいです。なんとか勝ちたい。

太田 心強くはあるけど(笑)。

斉藤 今のところ、まだ1勝10敗くらいです。

太田 1勝してんのかよ! その現場、見たことないぞ? ニュースになるレベルよ!?

斉藤 「踊る!さんま御殿!!」で「踊るヒット賞」というのをいただいたことがあって。そのときは「さんまさんじゃなくて俺が選ばれたな」って思いました。

太田 違う違う、「踊るヒット賞」はさんまさんが選ばれることはないのよ。回してる側だから。

斉藤 そうなの?(笑) さんまさん、「これは負けたなあ」みたいな顔してたけどなあ……。

左から、おたけ、太田博久、斉藤慎二。

左から、おたけ、太田博久、斉藤慎二。

──トリオとしてのライバルは誰になりそうですか?

太田 劇中のジャングルポケットとアグネスタキオンみたいな同世代でいえばパンサーかな。今となってはいがみ合う関係じゃなくなりましたけど、昔はバチバチでした。

──「333(トリオさん)」時代ですか?
※ジャングルポケット、パンサー、ジューシーズのレギュラー番組。2010年から2015年まで放送。

太田 まさにそのときです。「負けないぞ」みたいな思いはありました。

斉藤 僕が尾形さん、太田は向井さん、おたけは菅さんを倒しにいって、おたけだけが菅さんから「絶対にお前は俺とじゃねえだろ?」と言われる、みたいなお決まりはありました(笑)。

「賞レースを観ていて熱くなる」みたいな感覚で楽しめる

──最後にお笑い好きの方々への作品のアピールポイントを教えてください。

斉藤 太田とおたけは「ウマ娘」をガッツリ観たのがこの映画からだったんですけどハマっていたので、今までのシリーズや競馬のことをあまり知らなくても純粋に楽しめる作品になっています。事前に予習しておかなければいけない部分もないので、皆さん観てほしいです。

太田 最近だと「M-1グランプリ」とか「THE SECOND」の裏側に密着したコンテンツが人気じゃないですか。やっぱり戦いの裏のドキュメントってみんな大好きなんですよ。「ウマ娘」もそれに近いので、「賞レースを観ていて熱くなる」みたいな感覚で楽しむと没入できると思います。そもそも、お笑い好きな人はエンタメ全般も好きだと思うんです。そういう意味で今作は圧倒的なエンタメ作品。音も映像もスケールがすごいのでそこも堪能してほしいです。

おたけ ……僕もいいですか?

──お願いします。

おたけ お笑いナタリーを読んでる人はかなりお笑い好きだと思うんです。でも、そんな人たちがこの作品を観たら、きっとお笑いの概念が覆されるはずです。

お笑いトリオのジャングルポケット。

お笑いトリオのジャングルポケット。

太田 そんな革新的なコメディ映画じゃないから!

斉藤 面白いシーンもいっぱいあるけど……。

おたけ これをきっかけに新しい自分を発見してもらいたい。それを頭の片隅に置いた状態で観てください。

太田 何を訴えたいのかがまったくわかんないよ! 「頭の片隅に置いた状態で」ってどういうこと? 日本語が変なんだよ!

──(笑)。時間がきてしまったのでインタビューは以上になります。ありがとうございました。

おたけ こんな感じで大丈夫でしたか? なんかもっと……。

太田 まだ話し足りなさそうだな!(笑)

プロフィール

ジャングルポケット

おたけ
生年月日:1982年12月2日
出身地:東京都

太田博久(オオタヒロヒサ)
生年月日:1983年12月10日
出身地:愛知県

斉藤慎二(サイトウシンジ)
生年月日:1982年10月26日
出身地:千葉県

東京NSC12期生のおたけ、太田博久、斉藤慎二が結成し、2007年にデビュー。2008年5月にコント番組「コンバットII」(フジテレビ)のレギュラーに選ばれ、その後も「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)や「エンタの神様」(日本テレビ系)といったネタ番組に出演し知名度を上げる。2010年10月にはパンサー、ジューシーズとの番組「333 トリオさん」(テレビ朝日)がスタートした。「キングオブコント」では2015年、2016年、2017年、2020年に決勝進出。2016年大会では準優勝した。現在は「有吉の壁」(日本テレビ系)をはじめとする多数のバラエティ番組に出演中。吉本興業所属。