横澤夏子が語る「心が叫びたがってるんだ。」|夏子’s EYEで主要4キャラ解説

大ヒット作「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」のスタッフが再集結して作り上げた完全オリジナルストーリーの劇場アニメ「心が叫びたがってるんだ。」。幼い頃、自身の言動がきっかけで家族がバラバラになり、しゃべることを封印され隠れるようにして生きてきた少女が、友人たちとの交流を通じて心を解き放つさまを描いた青春群像劇だ。この作品が、主演にSexy Zoneの中島健人、ヒロインに芳根京子を迎え待望の実写化。7月22日(土)に全国公開される。

物語の中心となるのは本音を胸の奥にしまっている4人の高校生。クラスで披露するミュージカルの主演に勇気を振り絞って立候補したヒロイン・順に感化され、彼らの心が動き出す。お笑いナタリーではおしゃべり好きな横澤夏子がこの作品にどんな感想を抱くのか、一足先に鑑賞してもらいインタビューを実施した。登場人物たちとは正反対のタイプかと思いきや、どのキャラクターにも共感を覚えたという横澤。自身の高校時代とも重ね合わせながら語ってくれた。

取材・文 / 狩野有理 撮影 / 辺見真也

意地悪目線なニューヨークでも楽しめる

──映画をご覧になっていかがでしたか?

本当に純粋でまっすぐな物語だなって思いました。濁っていた心が洗われるというか。お互いの関係性や空気を読み合って本音を言えないっていうのは高校時代の私でも共感していたと思うし、大人になった今でも「わかる、わかる」ってうなずくところがあって。こういう青春ドラマは最近あまり観ていなかったのもあって響きました。

──芸人さんにオススメするとしたらどなたに観てもらいたいですか?

うわー誰だろう。佐久間(一行)さんとか。すっごい心がきれいな方だから、なんかもう最初のシーンで泣いてると思います(笑)。素朴さがこの作品にぴったり。同期のニューヨークが観たら、こういうテイストのネタを作ってくれそうですね。でもバカにされたくないなー。

──意地悪な目線も持っていますもんね。

でも意地悪目線なニューヨークでも楽しめると思います。泣いて心をきれいにしてもらおう(笑)。

──先ほど「青春ドラマは最近あまり観ていなかった」とおっしゃっていました。久々の青春ドラマで、しかも自分とは世代の違う高校生が主人公の作品でしたがスッと入っていけましたか?

実は、順のお父さんが出てくるシーンを観て別の意味で面白そうって思ったんです。「え、昼ドラ?」みたいな(笑)。「ちょっとこれは私の好きなニオイがするぞ?」って思って。そこからの展開が、当たり前ですけど予想したのとは全然違ったんですが、優等生キャラの菜月のちょっとおせっかいな部分に「うわー。いる、いる、こういう子。っていうか私がこういうタイプだわ」って思ったり、終盤のミュージカルシーンがたっぷり描かれていることで発表会当日までの背景を想像したりして、のめり込みましたね。これって、どこが舞台になっているんですか?

──埼玉県の秩父です。

「映画「心が叫びたがってるんだ。」のワンシーン。

へー! 私は新潟出身なんですけど、地元の感じに似ていて。ノスタルジックな雰囲気がありますよね。風景がすごくきれいで、どこを切り取ってもポストカードになるような。駅の感じもいいな。

──1時間に1本しか電車が来ないような路線でしたね。

地元を思い出します。4時電、5時電とか呼んでました。

──ちなみに横澤さんは原作の劇場アニメはご覧になっていましたか?

原作が劇場アニメだって知りませんでした。映画スタートでしたけど、アニメも観てみたいなって思いました。「アニメではこの部分、どう描かれてるんだろう?」って。

──キャストに関してはどんな感想を持ちましたか?

私、(芳根京子が主演の連続テレビ小説)「べっぴんさん」は1話も欠かさずに観ていたんです。だからうれしくて!

──うれしい?

勝手に親目線になっているんですけど、芳根さん、「べっぴんさん」ではおばあちゃんの役をやっていたんです。それが一気に若返って今度は高校生。「そうだよね!」みたいな。やっぱりこの若さだったよねって再確認できて(笑)。それに芳根さんが演じた順は伝えたいことがあるのにしゃべれないっていう難しい役で、ずっと観ていた「べっぴんさん」とは全然違う表情をたくさん見せてもらって感動しました。そして、なんと言っても拓実役ですね!

映画「心が叫びたがってるんだ。」のワンシーン。

──はい(笑)。Sexy Zoneの中島健人さんです。

ただただカッコいいです。どのシーンになっても「ああ、またカッコいいわ……」って思う。だけどアイドルの明るい姿とは違ってこの作品では“陰キャラ”。多くを語らない、ミステリアスな雰囲気があって。中島さんのイメージになかった役ですがぴったりでした。

ぺこ×りゅうちぇるが語る「心が叫びたがってるんだ。」
「心が叫びたがってるんだ。」
2017年7月22日(土)より全国ロードショー
「心が叫びたがってるんだ。」公式サイト

自分の本心を隠して生活している高校3年生の坂上拓実は、ある日担任の城嶋から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。ほかに選ばれたのは、声を発さず筆談でクラスメイトとやり取りする成瀬順、中学の頃に拓実と付き合っていたが自然消滅してしまった仁藤菜月、ひじを壊した野球部の元エース・田崎大樹という3人。最初は実行委員を辞退しようとした拓実だったが、順との交流を通して、彼女を応援したいと思うようになる。“ふれ交”で披露するミュージカルの主役に立候補し、楽曲の作詞も手がけることになった順を優しくサポートする拓実と、そんな拓実に思いを寄せていく順。しかし拓実は順の気持ちに気付かず、菜月とのことで彼女を傷付けてしまい……。

スタッフ

監督:熊澤尚人
脚本:まなべゆきこ

キャスト

坂上拓実:中島健人(Sexy Zone)
成瀬順:芳根京子
仁藤菜月:石井杏奈(E-girls)
田崎大樹:寛一郎
城嶋一基:荒川良々
成瀬泉:大塚寧々

横澤夏子(ヨコサワナツコ)
1990年7月20日生まれ。 新潟県出身で「糸魚川市観光営業主任」「にいがた婚活応援大使」を務める。癖のある女性を演じる1人コントを武器に、2015年には当時の東京・ヨシモト∞ホールのランキングシステム「彩~irodori~East」で初の“女帝”に。2016年、2017年の2年連続で「R-1ぐらんぷり」決勝に進出している。

2017年8月25日更新