2022年3月28日にスタートした「パンサー向井の#ふらっと」。2024年4月からは隔週の木曜パートナーとして横澤夏子が出演する。すでに月曜パートナーとしてパンサー向井とタッグを組んでいる滝沢カレンと横澤は、親友同士として知られる間柄。そんな彼女たちにお笑いナタリーがインタビューを実施した。2人が仲良くなったきっかけ、共通して盛り上がる話題、ワクワクすること、そして向井の魅力などを楽しく語ってもらった。
取材・文 / 成田邦洋撮影 / 渡会春加
荷物を送ることだけは許されている関係
──お二人は親友として知られています。そもそものきっかけは?
滝沢カレン 私が夏子さんのことを大、大、大好きで、高校生のときに(横澤も出演していたコント番組)「パワー☆プリン」(TBS)を観ていて。そこから何年か経って私がこの世界にやってきて、夏子さんと同じ仕事の日があったんです。
横澤夏子 そのとき楽屋に来て「私、夏子さんと連絡先交換することが決まっているんです」と言われて、「あ、決まってたんだ」と(笑)。それがうれしくて。
滝沢 夏子さんと初めてしゃべったのはそのときで、そこからちょっとずつ、です。間違いなかったです。自分の想像を超えた人だったので。
横澤 うれしすぎ!
──仲を深めた出来事で印象的なものはありますか?
滝沢 なんでこんなに仲良くなったんでしたっけ?
横澤 初めて2人でごはんに行ったときに、どっちがお会計をするかというやりとりがあって、最終的に私が払ったら「夏子さん、今に見ててくださいね」と言われたんですよ(笑)。「何か仕返しされるのかな?」みたいな。こういうおごりおごられもなしに、それこそ“フラット”にお友達として仲良くしたいと言われました。
滝沢 そうです。そこからです。
横澤 ただ、じゃあ気さくに誘っていいんだと思って、別の日の夜10時くらいに「このあと一緒にごはん行く?」って聞いたら「なんて時間に誘ってるんですか」と断られて(笑)。「この時間は寝るに決まってるじゃないですか」と。
滝沢 時間が合わなかったんですよ。そんなこともありました。
──お互いのご自宅に行き来されることは?
横澤 うちには来るんですけど、私はカレンちゃんの家に入れさせてもらえないんです。
滝沢 私、こんなに信頼もしているし大好きなのに、家に入れられない自分がいるんです。
横澤 なんで入れさせてもらえないのって聞いたときに「夏子さんって何するかわからないじゃないですか」と言われて(笑)。出産や結婚のお祝いはカレンちゃんからいただけるので「お返しを送るので住所を教えて」と聞いたときも「何するつもりですか!」ですって(笑)。「絶対行かないから!」と言って、しぶしぶ教えてくれました。
滝沢 いろんな贈り物をしてくださってありがたいです。
横澤 荷物を送ることだけは許されている関係です(笑)。
「#ふらっと」ではカレンが夏子の教え役
──横澤さんは「#ふらっと」にこれまでも出演されていますね。
横澤 向井さんがお休みしたときのピンチヒッターも、カレンちゃんがお休みしたときのピンチヒッターもしました。これからレギュラーになるので、「ピンチヒッターからの大逆転、あるんだ」と。すごくうれしいです。
滝沢 毎回ピンチヒッターを引き受けてくださって、本当に奇跡だなと。私と向井さんは夏子さんに助けられた月曜日を何度も送ったし、本当にありがたかったです。
横澤 カレンちゃんとも仲がいいし、向井さんも直属の先輩でお世話になっているので、この関係性はうれしくて、いつか3人でお話したいと思っています。ゲストに呼んでください!
──では「#ふらっと」でこれまでに印象的な出来事は?
横澤 「#ふらっと」の空気感はいつも楽しくて、あっという間に時間が過ぎるんです。ただ私、番組の“終わり時間”が全然読めなくて。エンディングにその日の感想をいっぱいしゃべれると思っていたら、カレンちゃんに「ここ読んでください!」みたいに指示されて。(「#ふらっと」の次に生放送される番組の)ジェーン・スーさんとのクロストークが始まったと思ったら、もう終わって。
滝沢 毎回バタバタなんですよ。
横澤 そうこうしていたらカレンちゃんが「滝沢カレンと……」と言い出して「え、もう締めの挨拶?」と。
滝沢 あそこはいつも修羅場で(笑)。最後の5秒はあっけないんです。
横澤 その日も「横澤夏子でした!」と言ったら、もう番組が終わっちゃいました。「#ふらっと」のときはカレンさんと私の関係性がガラッと変わって、いろいろ教えてくれるし、ラジオに対して厳しく言ってくれるんです。「夏子さん、(スタジオ内の)赤いランプがついてるときはしゃべるんですよ!」とか。
滝沢 こんなに夏子さんを引っ張るのは初めてです。「#ふらっと」のときは教えてあげなきゃと。夏子さんのほうが先輩なんですけど。
横澤 いつも我が道を行くカレンちゃんが、ラジオにしっかり向き合っている。メールアドレスの読み方もお上手で「すごいじゃん」と言ったら「何千回やってると思ってるんですか」と返されました(笑)。そのときは番組の100回記念くらいだったので何千回はやっていないと思うんですけど(笑)。
──そんなお二人の間で特に盛り上がるような話題はなんでしょうか?
滝沢 私たち、この世にまつわる不思議なことの話が大好きなんです。
横澤 本当にあるのかないのかわからない都市伝説とか七不思議系。宇宙の広さとかブラックホールの始まりとかもですね。この間、「夏子さん、とんでもない人に会えました。『#ふらっと』にゲストに来てくれたんですよ」という話を聞いて。
滝沢 天文学者の博士(国立天文台の渡部潤一上席教授)が来てくれて、「宇宙には地球みたいな星が何億も存在する」と聞いたのが私の大収穫だったんです。それを夏子さんとそばにいた全員に大発表して、みんな震え上がっていました(笑)。
横澤 その話に行き着くまで「皆さん、とんでもない情報を手に入れました」と秘密の情報みたいに前振りをして。ただ「その話、ラジオでもうしたんじゃないの?」と思ったんですけど(笑)。
滝沢 そういう話が私たちの盛り上がりのピークです(笑)。
向井さんは「先生のような人」だが、モジモジもしている
──この番組のパーソナリティ向井さんについて、お二人が思う魅力を教えていただけますか?
横澤 向井さんはたくさん笑ってくれるんですよ。いろんなことに興味を持っていて、いろんな引き出しがある。話してて楽しくなるし、話を聞きたくなる、会いたくなる先輩です。お仕事や人間関係の悩みも相談します。向井さん自身が試行錯誤されている方で、哲学的な考え方を持っている。同じ目線でしゃべってくれるのもうれしいです。
滝沢 このラジオで向井さんとようやくいっぱい会うようになったんですけど、向井さんが私にとって楽だなと思うのは、すごくしゃべりかけてはこないんですね(笑)。
横澤 距離を取られているってこと?(笑)
滝沢 お互いに人見知りというのもあるんですけど。毎週会う人は私からしたら合うか合わないかの勝負で、向井さんが私の思っていたのと全然違ってとんでもなく話しかけてきたらどうしようと思っていたんですけど、しゃべりかけるにしても、相手を1人ひとりよく見る方なんだなと。「私のここは入らないでほしい」みたいなものも見えているのか、くらい。うまく私にしゃべらせてくれたりもして、「話を聞くのも技術なんだ」というのを向井さんで初めて知りました。「来週月曜が楽しみ」と思える今を送らせてもらって感謝です。人としゃべることの楽しさ、人に興味を持つ楽しさを教えてくれた、先生のような人です。向井さんのよさは夏子さんともよく話すんです。
横澤 本人がいなくても向井さんの話になったりします。
滝沢 昔から夏子さんが向井さんのことをいいふうに言っていたから、どんな人なんだろうと思っていたら、優しくて繊細な方でした。
横澤 だからこそいろんな人の悩みがわかるんだろうな、と。思いやりのある方です。分析力もあるからこそ、話を聞いていて面白いです。生き方や人生観もいいなあと思います。
滝沢 本当に3人で1回しゃべりたいです。
──逆に向井さんの「ここはちょっと……」という部分はありますか?
横澤 いっぱいあります(笑)。
滝沢 いいところもあれば、そうでもないところもある。それが人間です(笑)。細かい話にはなりますけど、私から思うと本当に気遣いがすごいんですが、そこはやめても誰も何も失わないので、自分をグッと縛っている縄を1本ほどいてほしいな、とはいつも思います。
横澤 思っている以上に繊細でがんばり屋さんで、そこまで?というところまで考えられている方です。
滝沢 「むしゃくしゃしているときにカレンさんならどうしますか?」と聞かれたことがあって、私はそこまで溜められないので何かを起こすことはないんですけど、向井さんは「朝シャワーを浴びるときに急に大声出します」と言っていて「え、大丈夫?」と(笑)。そうなる前に吐き出せる場所があれば素敵だなと思います。溜めすぎないで楽しんでほしいなと。
横澤 私は“恋バナ”というか、お互いに恋愛相談をしていたことがあります。それで向井さんがすごくモジモジしていることが多いから、「モジモジしているおじさんはちょっと見てられないな」と(笑)。
滝沢 “モジおじ”って命名していましたよね。
横澤 「俺“モジおじ”なのかー」って言ってましたけど。もっとグイッと行っちゃえばいいのにと思いました。
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放送前の30分、仲良くなる時間がすごく好き