「パンサー向井の#ふらっと」パンサー向井×新レギュラー・ヤーレンズ インタビュー (2/2)

こういう気持ちを持っている人のほうがラジオに向いている

──3人共通の盛り上がる話題は何かありますか?

楢原 モーニング娘。じゃない?

向井 世代だから? 「誰派?」とか言って。

楢原 向井くんっていくつだっけ?

向井 38。

楢原 じゃあ(自分が37歳で)ほとんど同い年か。

出井 ここ(ヤーレンズ)は同学年なんですよ。当時のことなら何をしゃべっても盛り上がります。

向井 鈴木あみ(現・鈴木亜美)は通ってる?

出井楢原 通ってます(笑)。

向井 「white key」のCDを買ったらちょっとしたカードが付いてくるとか(笑)。

出井 そういう話があったら盛り上がります。

楢原 小室世代ばかりで。

左からヤーレンズ、パンサー向井。

左からヤーレンズ、パンサー向井。

出井 あと、みんな独身という話とか。と言っても僕は(彼女がいて)たぶんもうすぐ結婚するんですけど、向井さんと楢原さんは独身。

向井 “こじらせ”の種類は違うよね?

出井 逆のこじらせだと思います。向井さんはモテすぎて意味わかんなくなってる。

向井 全然そんなことない!

出井 楢原さんはモテなさすぎておかしくなってる。ぜひそこに関してしゃべってみてほしいです。

楢原 両極端で一切盛り上がらないと思う(笑)。

向井 話合わない?

楢原 絶対に話合わない。

向井 たしかに恋愛の話とかはしてみたいですね。38歳のリアルな男の恋愛の話は面白そうです。

出井 あと2人とも共通して、まわりの後輩から見ると「心を開いているのかどうかわからない」という感じだと思うんです。

向井 なるほどね。

楢原 たしかに。

パンサー向井(中央)とヤーレンズ。

パンサー向井(中央)とヤーレンズ。

出井 向井さんとミキがMCの「よるのブランチ」(TBS)に出させてもらうことがあるんですけど、ミキが「向井さんのことはなんにもわからん」と。「こんなにしゃべってるのに、何も心開いてくれへん」って。

向井 ハッハッハ(笑)。楢原くんにはかわいがっている後輩はいる?

楢原 特にいないね。まんべんなく。

向井 すっごくわかるわ、それ(笑)。誰ともそれなりにしゃべるけど、「この子を個別にメシへ連れて行く」みたいな後輩はそんなにいない。“気ぃ使い”というのもあるんじゃない?

楢原 めちゃめちゃそうだと思います。

向井 自分が後輩のときに先輩に誘われてうれしいけど「予定あったのに」とか「家でゆっくりしたかったな」と思いながら行ったりしていた時期がある(笑)。その思いをしてるんじゃないの?と思っちゃうとね。

楢原 「俺と一緒にいるメリットってある?」って考えちゃう。

出井 朝の番組やる2人じゃないでしょ!(笑)

向井 こういう気持ちを持っている人のほうがラジオには向いてるんじゃないかな。いろんな人の気持ちを考えられるのは一個の強みだろうし……と無理やり思っています(笑)。

向井慧

向井慧

ラジオ前にあらかじめしゃべっておくヤーレンズ

──朝の生放送を連日続けるにあたって、向井さんにルーティンはありますか?

向井 僕は月~木なので、どこから次の日の朝の準備をするのかと。ゲストを迎えるにあたって準備を始めようと思ったら、どんなに前からでもできちゃう。これをやっちゃうとキリがないんです。だから次の日のことは前の日から、というのは決めています。そのゲストのことを知るということに終わりはないので。

出井 そうしないと、月曜だけ盛り上がっちゃう、という可能性もありますもんね。

向井 週末に準備できすぎて(笑)。隔週にお願いする2人に有効な話かはわからないですけど、それは自分の中では2年やっていて決まったことです。

──ヤーレンズのお二人はラジオ前に準備するようなことはありますか?

出井 2人であらかじめしゃべっておく、というのはありますね。

向井 アイドリングみたいなこと?

出井 僕らには必要なことだなと思います。早めに入って楽屋でしゃべるようにはしています。

向井 何をしゃべるの?

出井 その日あったこととか。

楢原 適当な話を。

出井隼之介

出井隼之介

楢原真樹

楢原真樹

向井 それをラジオの本番でしゃべりたい、というふうにはならない?

楢原 それもありますよ。「今のは面白かったな。やろうかな」って思うんだけど、いかんせん適当にしゃべっているから、いざ本番になったら覚えていない(笑)。

出井 漫才コンビなので、1回出た話をもう1回するのはそんなに苦じゃないんです。ネタをやるようなものだから。「先にしゃべっておくか」と。

向井 それができるのは強いよね。

出井 (楢原に向けて)何かある?

楢原 ヤクルト1000を飲む。

向井 絶大な信頼を置いている?(笑)

楢原 ヤクルト1000を飲むのと飲まないのとで睡眠の質が全然違う。臓器の半分が腸だから、腸を一番大事にしないといけない。腸は自分の力で改善できる。心臓は無理。

向井 その話はもういいや(笑)。

楢原 え?(笑)

出井 こんなになんでも受け入れてくれる人が?(笑)

パンサー向井(中央)とヤーレンズ。

パンサー向井(中央)とヤーレンズ。

「ラヴィット!」みたいにしてほしい

──ラジオといえばリスナーとの関係性が各番組によって違いますし、それが番組のカラーとも思います。「#ふらっと」ではリスナーとどんな付き合いをされているでしょうか?

向井 自分よりも年齢が先輩の方が聴いているから、その方からは若く見られるし、かといって若造の立場からしゃべっていいかと言うと、そうじゃなかったりするし。夜のラジオではまわりの吉本の芸人の話をよくしますけど、朝にしゃべるときは説明を入れるとか、そこは考えていますね。

──幅広い層のリスナーを意識していらっしゃるんですね。この番組の今春のリニューアルコンセプトが「いつもの朝を、ワクワクする朝に」ということで、向井さんが今の「#ふらっと」でワクワクできるようなことは?

向井 毎曜日パートナーの方が違うので、(滝沢)カレンさんがしゃべっていたら、それは2時間半ワクワクしっぱなしですよ。「何言うんだろう?」って。それは三田(寛子)さんもそうですし。かと思えばココリコの田中さんは僕よりめちゃくちゃ先輩ですけど、どんな球を投げてもしっかり受け取ってくれます。今回、木曜にヤーレンズのほかにも(横澤)夏子がパートナーとして入ってくるので、どこを切り取っても僕からすると、すごくワクワクして楽しみなことばっかりですね。

──ヤーレンズのお二人も「#ふらっと」を始めるにあたってワクワクするようなことを教えてください。

出井 芸人のコンビであんまり朝のラジオ番組に2人揃って出ることはないですよね。昼からだと、わりといると思うんですけど。2人でこの番組をできるとなると、けっこう新しいなと。芸人としての幅も広げられたらうれしいです。

楢原 ワクワクすること? ゴロリ?

出井 あ、「つくってあそぼ」(NHK Eテレ)のワクワクさんとゴロリの話じゃなくて。

向井 どうしても言いたかったんでしょうね。入念に「ワクワクすること?」から自分で振り出して(笑)。

楢原 ペットボトルで椅子を作ったり、竹ひごと缶をくくりつけたり、という工作をラジオでして、日本の皆さんをワクワクさせたいです。

出井 ワクワクさんに寄せなくていいよ(笑)。工作はしないんですけど、ラジオをやっていたら知見は広がります。達筆なお便りがご年配の方から来たりしますし。人間的に視野が広がればいいなと思います。

向井 朝のラジオは伝統みたいなこともあるけど、ヤーレンズのようにコンビで担当してくれるということで、本当に「ラヴィット!」みたいにしてほしいな、という気持ちもあります。テレビだと朝のあの時間はニュースだよね、というのを「ラヴィット!」はガラッと大きく変えている。そういう意味では「朝のラジオでこれをやっていいんだ」というのもやってもらえたらワクワクすると思いますね。

出井 僕の中に架空のお蕎麦屋さんがあって、朝の仕込みの最中に厨房のラジオで「#ふらっと」が流れているんです。その店の仕込みに集中してる角刈りの大将でも、クスッと笑うようなことが言えれば最高だなと思います。

向井 イメージとしてはそういう時間帯ですね。

出井 我々にとってはかなり新しい試みなので、まず失敗しないことですね(笑)。がんばりたいと思います。

楢原 聴取率100%ですね。

向井 それは歴史上、初じゃない?(笑)

出井 100パー? なんでも掲げりゃいいってもんじゃないでしょう!

楢原 目標だからね。100パー目指します!

左からパンサー向井、ヤーレンズ。

プロフィール

写真左 / 向井慧(ムカイサトシ)

1985年12月16日生まれ、愛知県出身。東京NSC11期生。8期生の尾形貴弘、9期生の菅良太郎と2008年にトリオ・パンサーを結成する。「有吉の壁」「王様のブランチ」「よるのブランチ」といった番組で活躍中。さらに「パンサー向井の#ふらっと」「#むかいの喋り方」「又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間」「パンサー向井のチャリで30分」などのラジオ番組にも多数レギュラー出演している。吉本興業所属。

ヤーレンズ

写真中央 / 楢原真樹(ナラハラマサキ)
1986年11月17日生まれ、大阪府出身。

写真右 / 出井隼之介(デイジュンノスケ)
1987年3月2日生まれ、神奈川県出身。

大阪NSC28期生の楢原真樹と29期生の出井隼之介が2011年9月にコンビ結成。当初のコンビ名はヒートアップで、のちにパープーズに改名。2014年に現在のヤーレンズとなった。2012年に「THE MANZAI」で認定漫才師50組に選ばれる。2023年12月に「M-1グランプリ」で決勝に初進出し、準優勝した。ケイダッシュステージ所属。