2022年3月28日にTBSラジオでスタートした朝のワイド番組「パンサー向井の#ふらっと」。2024年4月からパンサー向井が不在となる隔週木曜のパーソナリティとしてヤーレンズがレギュラー出演する。ヤーレンズは、すでにこの番組で向井の代役を経験済。また向井とヤーレンズ楢原はNSC同期の間柄でもある。そんな彼らの関係性や4月以降の「#ふらっと」への期待を聞くべく、ある日の「#ふらっと」生放送を終えたラジオブースを、お笑いナタリーが訪問。向井とヤーレンズの3ショットインタビューを実施した。向井が魅力を感じる「自分たちの色を出したとき」のヤーレンズのすごさとは。
取材・文 / 成田邦洋撮影 / 渡会春加
感慨深い出井、心落ち着く楢原
──「パンサー向井の#ふらっと」に4月からヤーレンズさんが隔週木曜、向井さんの代役でレギュラー出演されます。現在の心境は?
出井隼之介 率直にうれしいです。向井さんの留守の間にミスだけないように(笑)、炎上することのないようにしたいと思います。この枠は個人的に思い入れがあって、1個前の番組「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)で5年ほどリポーターをやっていたんです。なので、代役ではありますけどメインでしゃべれるのは感慨深いです。
楢原真樹 僕はこの枠に思い入れは特にないです(笑)。
向井慧 まあ、そういう人もいるだろう(笑)。
出井 だとしても、あんまり言わなくていい!
楢原 でも、うれしいです。朝のラジオをやっている人はラジオスターなので。そんじょそこらの若手芸人にはできないですよ。それをやらせていただけるのは光栄以外の何ものでもないです。
──すでにお二人は「#ふらっと」に向井さんの代役やゲストとして出演されていますね。
出井 一度メインで出させていただいたとき、すごく楽しかったです。この感じでできるならいいかなと。こっちが楽しくてもスタッフさんがそう感じていないパターンかもしれないですけど(笑)。
──スタッフやリスナーからの反響はいかがでしたか?
楢原 軒並みよかったんですが、「ふざけすぎ」「うるさい」とかの反応がチラホラありました(笑)。
出井 僕が鉄道情報や天気予報を読んでいるときに(楢原が)ふざけていたときは、お叱りのメールが来ていました。
向井 そこのチューニングは合わせないといけないか。
楢原 夜のラジオとは違うんだなと。何事も経験です。
──そのほかに出演時の思い出は?
出井 面と向かって言うのもあれですけど、向井さんはしゃべりやすいですね。
向井 ありがとうございます、ほんとに。
出井 特殊なくらいしゃべりやすい。自然体なのに、こんなにしゃべりやすい人がいるんだと。誰が来ても番組が成立しちゃうんじゃないかと思います。ゲストで出演するときって、メインパーソナリティの人の受け方を勉強させてもらう気持ちもあるんですよ。もし自分が迎える立場になったら、どういう感じで立ち回ればいいんだろうと……。
楢原 ありがと!
出井 お前じゃないよ!
向井 自分の話だと思って聞いてたの?
楢原 いや、(向井とは)同期なんで。褒められてうれしい。
出井 ただ勉強とは言うものの、向井さんとしゃべっていても、しゃべりやすさの理由は何もわからないです(笑)。
──楢原さんのこれまでの「#ふらっと」の思い出は?
楢原 初めて出た「ラヴィット!」(TBS系)ではしゃべれなかったんですけど、ここではいっぱいしゃべれました。
向井 「ラヴィット!」に初出演した直後のタイミングで、「#ふらっと」にも初めてゲスト出演したんだよね。
出井 あなた(楢原)が「ラヴィット!」で落ち込んでいるときに来て、向井さんにいかにダメだったのかを伝えていました。
向井 あのときは反省会をしただけなんだよ(笑)。
──楢原さんは一視聴者としても「ラヴィット!」好きとしてSNSで投稿されていましたよね。
楢原 そうなんです。結局あの日はここで話を聞いてもらって、心を落ち着けて帰りました。「ここではこれだけしゃべれたから、よかったじゃないか」と。“ありがたラジオ”でした(笑)。
ヤーレンズなら、どこを任せたって大丈夫
──向井さんから見たヤーレンズの魅力は?
向井 こうして自分とがっつりしゃべるようになったきっかけは「#ふらっと」だと思うんです。出井くんには前の枠(「伊集院光とらじおと」)からの流れもあって、早い段階でコーヒーの特集のときに1人で来てもらったことがありました。そのときは「どっしりしてるなあ」と思ったのと、朝のラジオの「ここまではボケてよくて、ここまでは情報を伝える」という押し引きがお見事だなと。楢原くんはNSCの同期(向井が東京11期生、楢原が大阪28期生)なんですけど、そこまで絡んだことはなくて。
楢原 東京と大阪だったので。
向井 最初は「ラヴィット!」の自己採点がまあ低くて、落ち込んで来てたんですけど、そこからちょくちょく来ていただくと、回を重ねるごとに堂々たるヤーレンズとしての空気が出てきて、そこからの「M-1」(2023年の準優勝)があっての今です。場慣れして、場数を踏んで、いざ自分たちの色を出せるようになったときのヤーレンズはすごい。
出井 うわ、うれしいな。
向井 それは「#ふらっと」でもそうですし、名古屋でやっている「#むかいの喋り方」(CBCラジオ)に出てもらったときは、「#ふらっと」に来てくれてるときのヤーレンズとはまた全然違ったんですよ。「あ、こっちももちろんできる2人なんだな」と。というのは、めっちゃボケるほうもできるし、出井くんはちゃんと仕切ることと、一緒にふざけるほうもできる。そこを調整できる2人ならどこを任せたって大丈夫という印象です。
出井 めちゃくちゃうれしいインタビューですね(笑)。
向井 ヤーレンズは、どこでも同じ量をボケ続けられる、というのがまずすごいと思うんですよ。意外とできないことなので。
楢原 収録の番組では全部カットされるんだろうなあと思いながらもボケ続けています(笑)。それも場慣れです。
向井 楢原くんはそれができるし、止めることも乗ることもできる出井くんがいる、というのがタレントとしてすごく強いと思います。
出井 そうですね。ダムとしての役割を僕が担っている。
向井 朝は楢原さんをせきとめるし、夜は一緒に乗るし。
出井 理想というか……憧れですけど、ラジオに関しては伊集院さんの番組に関わらせていただいて、全然レベルは違いますけど、それこそ朝も深夜も完璧にやる様子を見てきたので、少しでも近づきたいという気持ちはあります。
──新たなラジオスター誕生に期待ですね。
向井 ラジオの仕事、ほかにもすごくやっているよね?
楢原 ありがたい話、やっていますね。
向井 なるべくしてなっているという感じがしますね。
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こういう気持ちを持っている人のほうがラジオに向いている