10月12日から14日までの3日間、東京・Shinjuku BLAZEにて「10th Anniversary ザ・ミュージカルマン starring エハラマサヒロ」を開催したエハラマサヒロ。歌、ダンス、ヒューマンビートボックス、モノマネにコント、これまでに培ってきたすべてのエンタテインメントを「一番得意」とするミュージカルに詰め込んだ。
キャストや日替わりのスペシャルゲストはエハラの10周年を祝うにふさわしい面々。ヒロインを演じたたこやきレインボーの清井咲希をはじめ、ミラクルひかる、加藤諒がステージの軸となる物語をコミカルに進行し、世界的ダンサーの黄帝心仙人、ヒューマンビートボクサーのMC ZU-nAがエハラとのコラボで会場を沸かせる。さらにGLAYのTERU、山崎まさよし、清水翔太らSPゲストもその日だけしか見られないようなセッションやモノマネを披露。全出演者、そして音楽監督の宗本康兵を中心とした即興のリクエストにも応えるバックバンド、演出の佐々木敦規氏をはじめとするスタッフたちが、成功のために出し惜しみないパフォーマンスで最高のショーを作り上げた。
ストーリーは、あることがきっかけで歌うことができなくなった少女・ハーモニー(清井)が、歌と笑いにあふれる楽しい国・スパークルでミュージカルマン(エハラ)に出会うところから始まる。ミュージカルマンは冒頭から西田敏行や北斗晶のモノマネを盛り込みながらハーモニーに事情を聞き、歌う喜びを取り戻してもらうべくビバーチェ(ミラクルひかる)とラルゴ(加藤)と共にさまざまなショーを展開する。
まずはロックスターになりきった“歌のお兄さん”が登場。代表曲「雪やコンコン」「桃太郎」を熱唱し、「2才席ー!」と会場を煽ってみせる。「俺も地べたはいずり回ってた時期があった。でもがんばっていればいつか首、すわるから!」と熱いメッセージを贈り、最後の「チューリップ」で会場を1つに。
黄帝心仙人との手術ダンスやMC ZU-nAとのビートボックスは、エハラが“お笑い芸人”の域を超えたプレイで観客をうならせつつ、アドリブを入れて笑いも忘れない。清水翔太を迎えた最終公演のゲストコーナーでは、美空ひばりのモノマネで「川の流れのように」を歌唱してくれた清水へのお返しとして、エハラとミラクルひかるが清水翔太&加藤ミリヤ風の「どんぐりころころ」を歌い、清水は「ちょいちょいイラッとするメロディがありますね(笑)」とツボをついたパロディに感心する。同じ回にはトークゲストとして、エハラが「天才」に挙げる芸人・永野が登場した。エハラは昔から大好きだという“ラッセン以前”のネタをおねだりし、会場がポカンとする中、1人大喜びする。
物語の終盤では「あらびき団」ファンにはおなじみ、布施明の風俗漫談が繰り出され、これを気に入ったハーモニーは「♪もらったー!」とオチの部分を楽しそうに復唱。自分のために歌う喜びを思い出したハーモニーは、ミュージカルマンとビバーチェ、ラルゴと共に歌い踊ってハッピーエンドを迎えた。
カーテンコールではキャストがステージ上に並び、改めて観客に感謝。黄帝心仙人は「千秋楽だからって俺の大事な作品をあんなにぶっ壊して……(笑)」とダンス中に遊びすぎていたエハラに笑顔でクレームを入れる。稽古期間が短かったにもかかわらずこうして3日間、やり遂げたことをねぎらいあい、最後は全員で手をつないでお辞儀。大きな拍手に送られながらステージを後にした。
~エハラマサヒロ 終演後コメント~
人生で一番、「本当にいろんな人に支えられているんだ」というのを感じました。何かプラスがあるわけではないのに、いいものを作ろうって同じ目標に向かってくれた。感謝しかないです。演者もスタッフさんも、仕事っていう感じじゃなくて、楽しんでくれているのもグッときました。音のリハーサルのためだけにスタッフさんが布施明漫談のネタをオリジナルで作ってきてくれたのも本当にうれしかったです。
率直に、10年やってきてよかったなと改めて思いました。この3日間で「僕のやることはこれだ!」っていうのを見つけられた気がします。同じことを続けていればご飯は食べていける、だからこのままでもいいのかなって思っていた時期もあったんですが、今回の公演ですごい人をいっぱい見て、自分ももっとすごくなりたいって思ったんです。「自分もこんな人になりたい!」って。そしていつか僕もそう思われたい。だからもっと努力して、もっと多くのことを吸収して、もっといろんなことをお客さんに伝えていこうと思いました。