「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン6は、これまでにない“女子多め”なキャスティングで話題を呼んでいる。女性陣の面々は友近、森三中・黒沢、ハリセンボン春菜、ゆりやんレトリィバァの4人。個々のパワーは述べるまでもないが、徒党を組んだときの攻撃力たるやすさまじい。シーズン5で1つの完成形を見せたかに思えた「ドキュメンタル」に、女芸人たちが風穴を開けた。
お笑いナタリーの特集第2弾では、そんな最新作を出場者である村上ショージとジミー大西が振り返る。数々の笑いの戦場を経験してきたベテラン2人は、“女子多め”な今回のバトルをどう戦ったのか。
取材・文 / 狩野有理 撮影 / 玉井美世子
やりたいことを突き通すジミーのすごさ
──「ドキュメンタル」シーズン6の全話が配信されました。収録を振り返って、率直にどんな1日でしたか?
村上ショージ いやあ、疲れた。長い!
──あはははは(笑)。ジミーさんはどうでした?
ジミー大西 女性陣が強すぎましたね。
ショージ そやねん! これね、女性と男性が一緒に戦うのはちょっとやりづらいと思ったわ。
──どんな部分がやりづらいと感じました?
ショージ やっぱり“芸人”というよりも“女性”として見てしまう部分があるから、もうひとつ脱皮できないというか。
──例えば下ネタを遠慮してしまうとか?
ショージ そうそう。あ、でもジミーちゃんは女性がいるとか関係なくけっこうやってるか。
ジミー 僕は今回アナルで攻めようと思って。
──なぜですか?
ジミー ずっとおちんちんばっかりだったんで。まさか女性陣があんなに引くとは思わなかったんです。
ショージ いや、俺も引いたで? 女性陣が、じゃなしに男性陣含め全員引いてた(笑)。今まではどんなことやってたん?
ジミー ちんちんに天狗のお面とか細工したこんにゃくをつけたり、いろいろやってたんですけど。
ショージ お前のちんちんネタすごいもんなあ(笑)。
ジミー 今まで女性はいても1人やったんである程度ウケていたとは思うんですけど、複数になるとやっぱり空気がちゃいますね。
ショージ でも女性陣がおる中でもやるのがジミーのすごさやと思うで。笑わせにいこうという強い気持ちで徹底してる。
ジミー ほんまですか? うわあ、兄さんに褒めてもらうのなんか30年に1回ぐらいですよ。
──場の空気を読んでやらないという選択もできるのに、やめないところがジミーさんらしさ。
ショージ うん、ほんまに。自分のやりたいことを突き通すところはやっぱりすごいなと思います。
とりあえずまだ600万ある
──今回初参戦のショージさんは招待状を受け取ったときどう思いましたか?
ショージ こういう番組があるっていうのは聞いたことがあって、「あ、俺のところにも来たんや」と。できたらもっと早めに呼んでもらいたかったけどな(笑)。回数重ねて、対策練ったり経験積んだりして、みんなのレベルが上がってるやん。
ジミー そうなんですよ。僕シーズン2のとき、実は「優勝ありえるんちゃうか」って思った瞬間があったんです。そのあとはどんどんハードルが高くなって全然勝てませんね。
──事前に過去作をご覧になってから収録に臨んだのでしょうか。
ショージ どんなものかまったくわからなかったからちょっと観ておいたんですけど、この状態で6時間戦うなんて地獄やなって思いました。
ジミー お笑いってせいぜい2時間が勝負っていうところありますもんね。
ショージ そうそう。時間が経てばどうにかなるってもんでもない。実際、自分がやってみて最後のほうは笑かそうっていうことより眠気のほうが強くなってきてたしな(笑)。
──ジミーさんは4回目の挑戦でした。招待状をもらってすぐに参加を決めることができましたか?
ジミー とりあえずまだ600万あるなと思ったので。
ショージ あはははは(笑)。すごいな、お前の計算。
──今までの参加費を優勝賞金から差し引いて黒字になるうちは出よう、と。
ジミー はい。でも僕ね、めちゃくちゃゲラやから勝ち目ないんですよ。いつもあの部屋にガチャって入ってメンバーを見るだけで、ギブアップしたいくらいおかしさがこみ上げてくるんです。
──今回の顔合わせのシーンはどうでしたか?
ジミー まさかショージ兄さんが来るとは思ってもいませんでした。いつも僕が最後に席に着くんですけど、今回は1個席が空いていたので「あれ? ここ誰なんやろう?」と。そしたら兄さんが僕の目の前に座ったんです。僕、若いときからショージ兄さんがかなりツボなので「絶対に顔合わさんとこ」って最初に決めました。ちょっと変な顔されただけでもクッと笑ってしまうから。
──ショージさんは?
ショージ 「えー?」って思いました。こんなに女性が多いんやって。
ジミー 僕も、これはちょっとヤバいんちゃうかなと思ったんですけど、(千鳥)大悟が何気ないときに笑うっていうのは頭に入っていたんで。
──これまでの経験で。
ジミー そうです。ネタを繰って笑かしにいってもあんまりウケないんですけど、偶然の出来事で笑ってくれるというか。だから大悟には勝てるんちゃうかなとか考えてました。
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笑いのツボをわかり合っている
2018年12月28日更新