Amazon Prime Video「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン6 |村上ショージ×ジミー大西 手応えなし!最強女芸人カルテットとの攻防

村上ショージ(右)とジミー大西(左)。

笑いのツボをわかり合っている

──ジミーさんは4度目ということで、前回までの反省を踏まえて挑んだと思います。特にどんなことを意識しましたか?

ジミー まず方程式通りの笑いにはもうやられんぞ、と。松本くんから「次こういうボケが来るなっていうことくらい読めや」って怒られるんです。でも結局、(スリムクラブ)真栄田のしょうもないボケに笑ってましたね。下ネタ弱いんですよ。

ショージ 自分もやるくせに?

ジミー 人にやられたら弱いんです。下ネタが好きで好きで。

ショージ 好きやもんな。下ネタというよりシモが好きやろ(笑)。

──ほかに危なかった場面は?

ジミー 始まっていきなり兄さんが、ば、ば、ばにゅ、馬乳酒の……(笑)。

ショージ 思い出し笑いしてるやん(笑)。

「ドキュメンタル」シーズン6より、「馬乳酒をください!」と叫びながら登場した村上ショージ(右)と笑いを堪えるジミー大西(左)。

──「馬乳酒をください!」と叫びながらモンゴル人風の格好をしたショージさんが登場したシーンですね。

「ドキュメンタル」シーズン6より、ジミー大西。

ジミー 堪えるの必死やったんですよ! 僕、ああいうのにものすごく弱いんです。これはもう絶対兄さんにやられるなと悟ったので、ひとまず兄さんのことは見ないようにして、自分のやることだけがんばろうって思いました。

──よく知っている仲だけあって、お互いの弱点もわかっているんですか?

ジミー 兄さんを笑かせるネタ、1個だけあったんですよ。金属アレルギーのくだり。

ショージ うん。あれ好き。面白い(笑)。

ジミー 金属アレルギーとか先端恐怖症とか、兄さんってそんなんが好きなんです。

ショージ そうそう。自分のお気に入りのワードってあんねんな。ツボみたいなもの。ジミーとは長い間ずっと一緒にいるから、僕がこういうふうな笑いに弱いって知ってると思う。

ジミー 僕はけっこう人の不幸で笑う癖があるので、兄さんが炭酸で鼻うがいしていたのは最高でしたね。普段やったら「痛い! やめろ!」って言う兄さんやのに、痛すぎて炭酸を鼻からそのままダラーっと(笑)。もうたまらなかったです。

ジミーはちゃんと計算もしてる

村上ショージ

──やっている中で手応えを感じられた瞬間はありますか?

ショージ ない!

──1回も?

ショージ ないね。「これ最後どういう形で終わるんかな?」って思いながらやってた。

ジミー 難しかったですね。女性陣が防御強すぎて「あ、もうこいつら笑かされへん」と思いました。

──心折れましたか。

ジミー 「もう無理やわ」って。1回でも笑ってくれへんと「あれ?」ってなって調子狂うんです。

──防御が固かった女性陣の攻撃はいかがでした?

「ドキュメンタル」シーズン6より、友近(左)とゆりやんレトリィバァ(右)。
「ドキュメンタル」シーズン6より。

ジミー 女性陣がタッグを組むいうパターンは今回初めてで。友近くんが芝居っぽいことをしてくるのかなとは思っていたんですけど、全員で来るから……。あと僕、春菜のツッコミもツボ入るときがあって。

ショージ わかる、わかる。顔も武器やしな。普通にしてても笑える。

ジミー 根性あるなあと思ったのはゆりやんですね。お構いなしにガンガン攻めてましたけど、僕はそこまでの勇気ないです。

──ジミーさんでもそういう気持ちがあるんですね。

ジミー やっぱり怖いです。

ショージ ジミーはちゃんと計算もしてる奴やから。なんでもかんでも自由気ままにやってるわけでもないよ。

ジミー 自由気ままにやってたら捕まってます(笑)。

──「ドキュメンタル」を観ていると自由気ままタイプなのかと思っていましたが、意外と策士なのでしょうか。

ショージ ハプニング的なことも多いけど、ある程度はちゃんと考えてる。

ジミー大西

ジミー いやいや、策士ではないです。ただビビリなんですよ、お笑いのヘタレ(笑)。

──ジミーさんは始まる前からボケた状態で部屋に入ってきますよね。あれは作戦?

ジミー 一応、「こっからいくで」っていう意味で。自分の決まりでそうしてるだけです。僕は大体10個から11個のボケを用意していくんですけど、毎回足りませんね。

ショージ それ出したからってどう反応されるかはやってみないとわからへんしね。だから俺もぎょうさん持っていってたの。スイカとか。全然使われへんかったけど。

ジミー スイカどうするつもりやったんですか?

ショージ くり抜いて被って出ていこうとか。

ジミー あはははは!(笑)

──中をくり抜いたスイカを持ってきていたんですか?

ショージ いやいや、もうそのまま。いろんなこと考えとったけど、ほとんどが出せずじまいやね。

どれだけ笑いの神が舞い降りるか

「ドキュメンタル」シーズン6より。
「ドキュメンタル」シーズン6より。

──もしまた挑戦できるとしたらどんな戦略を立てますか?

ショージ 1回やってみて、次はこんなことができるかなとか頭には入りました。もう少し細かい仕込みをしていかないとあかんやろうね。

──ジミーさんはどうですか? 次で5回目になりますが。

ジミー 今回兄さんがモンゴルで来たので、僕は中国の陳龍誠先生でいきたいと思います。

ショージ 怖っ! なんやねんそれ。

──ショージさんは初めて参加してみてわかったことなどはありますか?

ショージ さっきジミーも言ってたけど、どれだけ笑いの神が舞い降りるかっていうのがすごく大事。練り込んで持っていったところで、「この格好してこれ持ってたら、だいたいこんなことするやろ」っていうのは芸人同士だから読めるんですよ。やっぱりハプニングとか、不意にしてしまう反応が我慢できなくなる。そこには計算が入っていないから。

ジミー 考えたらみんなプロですもんね。パターンもわかってる。

村上ショージ(右)とジミー大西(左)。

ショージ 笑わないっていうのが前提やし、もはや格闘技だと思います。あと、自分が何かしようとしても、みんながみんな自分のほうを見ているわけじゃないでしょう。全員が見ている中で1人ずつボケていくっていうのだったらまた全然変わってくると思います。

──みなさん各々過ごしている中で笑いを起こさなければいけないルールですからね。

ショージ それまでの空気感もありますし。持ってきたボケをただやればいいってもんでもない。

ジミー 例えばこれが舞台やったら、兄さんの“馬乳酒”は爆笑やったと思います。

ショージ 入れてた牛乳が外に染み出てて俺も笑いそうになったわ(笑)。

ジミー 僕もそれ見てさらに笑いそうになったんです。あれ舞台のコントやったら僕、アウトですわ。(明石家)さんまさんに怒られるやつです。

ショージ 俺も怒られるな(笑)。

右 / 村上ショージ(ムラカミショージ)
左からジミー大西、村上ショージ。
1955年5月28日生まれ、愛媛県出身。1979年に漫談家の滝あきらに弟子入り。 バラエティ番組「オレたちひょうきん族」(フジテレビ系)に“何人トリオ”としてレギュラー出演し、「ドゥーン!」「何を言う、早見優!」などのギャグで注目をされる。“スベリ芸”の第一人者。現在は「痛快!明石家電視台」(MBS)、「おかべろ」(関西テレビ)などに出演し、東京・ルミネtheよしもとにて「村上ショージ独演会」を定期的に開催している。
左 / ジミー大西(ジミーオオニシ)
1964年1月1日生まれ、大阪府出身。高校時代から大阪・なんばグランド花月の裏方として働き、1982年に正式に吉本興業入り。明石家さんまの運転手をしながら活動する。1996年、画家に転向。「東野・岡村の旅猿~プライベートでごめんなさい~」(日本テレビ系)、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)などバラエティ番組に出演して芸能活動を再開した。FUJIWARA藤本と共に「ドキュメンタル」シリーズ最多出演。

2018年12月28日更新