「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン4|視聴者MVPでも勝機なし!? なぜくっきーは「ドキュメンタル」に出続けるのか?

テディベアちゃんとテレンス・リーのコンボ

──くっきーさんといえば宮川大助・花子の写真ネタが強力です。ハチミツ二郎さんのマスクと同じように裏を考えてしまって、くっきーさんが夜な夜なコツコツと画像を加工しているのかな、と想像すると……。

あはははは!(笑) そう思ったら恥ずいなあ。「笑えー、笑えー」と思って作ってますよ。眠い目こすりながらパソコンで大助師匠の頭くり抜いて、こっちに持ってきて……ってやってます。「もっと頭ちっちゃくしよか」「あえてデカめにしてうっすら緑入れたろ」と試行錯誤しながら(笑)。

──あははは(笑)。

写真ネタを出す際の心境を語るくっきー。

でも、大花師匠の写真は出すときにそのまま自分も笑っちゃうんですよ。「笑えよー」と思いながら、家でケタケタ笑いながら作ったやつなんで、自爆しやすい。

──配信されている作品すべてご覧になっているそうですが、改めて観てどんな感想を持ちましたか?

「こんなボケあったな」とか「こんなくだりあったんや!」とか言いながら、ただただ普通に笑いながら観てました。誰が1000万獲るかっていうことはあんまり重要じゃなかったですね。シーズン2では(ダイアン)津田おもろかったなあ。(森三中)大島の汚いパンツ見て「野球しました?」とか、ポソッと入れてるのが好きで。あと(バイきんぐ)小峠がおかっぱのヅラ被って出てきて何もせずすぐ下がったのも面白かった。

──2回目の挑戦となったシーズン3に出演するにあたって気をつけたことはありますか?

戦略は特になくて、持っていけるもん全部持っていこうとは思いました。1回目のときに「いらんかなと思ったけど持ってきといたらよかった」っていうのがあったので、家にある全キャラ、全ボケは用意しようと。

──シーズン3からは、脱落した人が一時的に復活でき、残った人たち全員を笑わせられたらノーコンテストになる「ゾンビタイム」が導入されました。

これはめちゃめちゃラッキーでした。ゾンビタイムがなかったら僕、早々に散ってますから。

──ゾンビルーム(脱落した芸人の控室)はどんな様子でしたか?

みんな鼻息荒かったです。「次誰が行く?」「じゃあ俺いいっすか?」みたいな。

テディベアシーズン3より、ゾンビタイムの様子。左がくっきー扮するテディベアちゃん、右がサンドウィッチマン伊達扮するテレンス・リー。

──くっきーさんは“テディベアちゃん”に扮して、サンドウィッチマン伊達さんと共にゾンビタイムに挑戦しました。どういう打ち合わせをして伊達さんとコンビを組んだんですか?

最初からテディベアちゃんで出ようと思ってたから、「僕行きます」も言わずにとりあえずその格好をしてたんですよ。みんなもそんな感じで、いつでも出られるように準備してたんですけど、伊達くんは特に用意もせず普通に座ってて。で、僕がちっちゃいグラサン渡して「一緒に行きましょう」って誘いました。

──あまり打ち合わせせずに。

「僕どうしたらいいんですか?」って感じだったので、「テレンス・リーかなんかでええんちゃいますの?」って言ったら、「じゃあそれで」って(笑)。ほんで「どうも、テレンス・リーです」って勝手にやり出したんです。めちゃくちゃいいコンボだったと思います。伊達くんも常にボソッとツッコミ入れてるんですよ。春日が鬼瓦やったときに「誰が笑うんだよ」って小さい声で言ってたり。テディベアちゃんのときも、ちゃんと「わーかわい」って言ってくれてるんです(笑)。あんまり印象に残ってないかもしれないですけど、あれでよりテディベアちゃんのおもろさ増したと思います。伊達くんには殺されかけてもいるし、助けてもらってもいるし、怖い存在でしたね。

──シーズン3は配信で最後までご覧になってどうでした?

くっきー

自分で言うのもあれですけど、個人的MVP、自分やと思ってるんですよ。

──おお!

そのボケが何かというと、僕が(TKO)木下さんに頭突きを入れてから、ティッシュの箱で思いっきり頭どついてるところがあって。それ何回観ても自分でわろてまうんですよ。バッコーンどついてて(笑)。これがMVPです。

──なぜそんなにお気に入りなんですか? 先輩をどついているから?

先輩やし、でっかいし(笑)。よその事務所のでっかい大先輩をバコーンどついてるの、面白くありません? あれ、ようみんな笑わへんかったなと思います。

──視聴者アンケートで名シーンも聞いているんですが、その場面は1票も入ってなかったです。

あははは!(笑) まじっすか? えー意外。

1000万獲るより大事なもん

──収録後は、「もっとこうすればよかった」と反省するものですか? それともやっぱり「楽しかった」という気分なのでしょうか。

あんまり脳みそがマイナス思考持ってないんです。出せてないボケもあったけど、あの時間内では出し切ったっていう、自分の中での“おつかれさん感”はありますね。金なくなったことなんか別によくて、「あのときやったあのボケおもろかったな」とか「ほかの番組でも使えるな」とかそんなレベル。ほかの芸人さんもそこまでお金に対して執着ないと思います。100万なくなるのは辛いですけど、「面白いことできるんだったら行く!」って人しか出ないんちゃうかな。

招待状を渡されるくっきー。

──ではシーズン4で3回目の招待状を受け取ったときも、躊躇なく「出よう」と。

2回出て、もう1回おかわりくるってだいぶ値打ちあるなと思ったんで、断る理由はなかったです。

──合計300万円つぎ込むことになるっていうのも関係なく。

全然全然。嫁に頭下げたらええだけやと思ってますから(笑)。

──エピソード1に収められている意気込みインタビューでは「勝ちにこだわってみる」とおっしゃっていました。前回、前々回の反省を踏まえて、今度はなにか作戦を立てたのでしょうか。

そうは言ったものの、実は勝ちにこだわってなくて。1000万獲るよりも大事なもんってあるじゃないですか? 金なんか度外視で、よりおもろいと思われたほうが価値あるというか。だから、いっぱいボケようとは思ってました。シーズン1、シーズン3に出て、僕は勝てない人間なんだとなんとなく悟ったので(笑)、「どうせわろてまうんやったら、その前に面白いボケをバスンバスン入れてまえ」って完全に攻撃型でしたね。出し惜しまずに攻め続けろっていう。

くっきークロちゃんの異常さを語るくっきー。

──今回のメンバーにはどんな印象を持ちましたか?

いや、シーズン4はだいぶすさまじいメンバーですよね。(ずん)飯尾さん、(森三中)黒沢、(安田大サーカス)クロちゃんっていうバケモンの中に、(雨上がり決死隊)宮迫さんっていうド級の売れっ子もおるし。よく飲みに行くのは飯尾さんなんですけど、常にこの人こうなんですよ。ずっと一緒。クロちゃんは、石放ればなにかしら返ってくるんですけど、ほったらかしてたら全然何もせえへん(笑)。でもそのただ佇んでる顔がおもろくて。

──対面したときに一番「うわ!」と思ったのは?

西澤かなあ。ダイアンは(西澤と津田)両方ともえげつないくらいおもろいんで。(千鳥)ノブがおってからの大悟来たときもびっくりしましたね。フジモンに対しては「久しぶりー」みたいな(笑)。「また一緒やねー」って感じでした。

シーズン4より、ずん飯尾。 シーズン4より、森三中・黒沢が攻撃に回る様子。 シーズン4より、安田大サーカス・クロちゃん。

お笑いとは新幹線です

──危なかったシーンや印象的だったシーンを教えてください。

最初にやばいと思ったのはやっぱり西澤です。なんか知らんけど、ずっと僕んとこ来て「ごみ箱ないですねえ」って言ってくるんですよ。「ほんまや、ないなあ」って返して、別のところ行ったらまたついてきて「ごみ箱ないですねえ」って。西澤のボケに対して僕がよく笑うって知ってるから、ピンポイントで的絞ってきよったんです(笑)。わっるい奴ですわ。

くっきーシーズン4より、ダイアン西澤。

──そんなことがあったとは気づかなかったです。

めちゃめちゃちっちゃい声なんで誰も気づいてないと思います。「こいつなんで俺殺そうとしよんねん!」って思って笑いそうになりました。

──先に殺しておこうという作戦だったんですね(笑)。ほかにもありますか?

宮迫さんが「ステーキ焼いたる」って肉焼いてくれて、それがめちゃめちゃうまかったんですよ。

──え、そこですか?

シーズン4より、雨上がり決死隊・宮迫(左)とFUJIWARA藤本(右)。

「めっちゃうまいんかい!」っていう。

──なるほど(笑)。

あの会場にいて「肉焼いてくれ」って言われたら、大量のわさびを塗っておくとか、ボケるじゃないですか。「ほな、うまい肉食わしたろ!」って焼き加減にこだわったり、いい感じのタレ作ったりしないですもん、普通。あり合わせのもんで、ただただうまい肉食わしたっていうのがマジこの人イカれてんなと思いました(笑)。

──「ドキュメンタル」ではおいしいステーキを焼くことや、いつもだったら気にならないことが面白く思えてきます。松本人志さんは「ドキュメンタルは本当に面白いことを探る実験」とおっしゃっていますが、くっきーさんは3度挑戦してみて、その答えを見つけられましたか?

くっきー

ムズい質問ですねえ(笑)。でも、引いててもしゃあないとは思いました。「これ出してもスベるかもしれないからやめとこう」じゃなしに、出したったらええねん、と。この場ではどうせ全員スベってるんで、引いてて生まれる笑いはないというか。だから……お笑いとは新幹線ですね。バックできない。お笑いとは新幹線です(笑)。

──(笑)。ただ、そこにいるだけで面白いという人もいます。

持って生まれたものもあるんですよね。クロちゃんなんかまさにそう。持って生まれたものとか、育った環境がこういうバケモンを生んでると思います。

──人間そのものが「面白い」ということですね。

そうそう。「お笑いとは人間だ」? なんかカッコつけすぎですね(笑)。

──もし4度目の招待状をもらったらどうしますか?

出ます出ます。

──誰が来たら嫌ですか? シーズン0と呼ばれているパイロット版には板東英二さんが参加されていますし、今後芸人だけじゃない可能性もあります。

板東さんえげつなかったですもんね。うーん、誰やろ。風間杜夫さんとか? 部屋入って風間杜夫さん座ってたら「うわ!」ってなるなあ。席立っただけでわろてまいそう。「今からなんかするんや、この人!」って(笑)。

くっきー
くっきー
1976年3月12日生まれ。滋賀県出身。相方ロッシーと1994年4月に野性爆弾を結成。「ドキュメンタル」シーズン1、シーズン3に出演し、数々のボケで見る者を圧倒した。3回目の出演となるシーズン4には「常に当って砕けろ精神なので、片道のガソリンしか入れてないタイプ。今回は多めに積んできたつもり」という意気込みで臨む。果たしてバトルの行方は。12月31日(日)に「野性爆弾カウントダウンライブ2017 赤紙太郎~海底マイル餅~」を東京・CBGKシブゲキ!!にて行う。また展示イベント「超くっきーランドneo」が2018年1月14日(日)まで千葉・イオンモール幕張新都心で開催中。
Amazonオリジナル作品「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン4
シーズン4

出演者雨上がり決死隊・宮迫 / FUJIWARA藤本 / ずん飯尾 / 野性爆弾くっきー / スピードワゴン井戸田 / 千鳥・大悟 / 千鳥ノブ / 森三中・黒沢 / ダイアン西澤 / 安田大サーカス・クロちゃん

「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」とは
「ドキュメンタル」

「面白いとはなんなのか」を突き止めるべく、松本人志が仕掛ける実験場。招待状を受け取った10人の芸人が1つの部屋に集い、制限時間6時間で笑わせ合う。最後まで残った者には優勝賞金1000万円を贈呈。参加者の様子は松本人志が30台以上のモニターでチェックし、笑った者にはイエローカード、オレンジカード、即退場のレッドカードが出される。シーズン2からは敵を笑わせるごとに1ポイントを付与する「ポイント制」が導入され、2人以上で制限時間を迎えた場合はもっともポイントの高い参加者が勝者に。またシーズン3からは脱落した芸人が一時的に復活できる「ゾンビタイム」が登場。生き残っている参加者全員を笑わせることができた場合、ノーコンテストとなり参加費は返還される。

出演者シャンプーハットこいで / 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎 / バッドボーイズ清人 / 森三中・大島 / ロバート秋山 / とろサーモン久保田 / ニューロマンスおにぎり / スリムクラブ内間 / トレンディエンジェル斎藤 / 板東英二

パイロットシーズン
パイロットシーズン

出演者FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / ダイノジ大地 / 野性爆弾くっきー / 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎 / とろサーモン久保田 / 天竺鼠・川原 / トレンディエンジェル斎藤 / マテンロウ・アントニー

シーズン1
シーズン1

出演者FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / バナナマン日村 / アンジャッシュ児嶋 / バイきんぐ小峠 / 森三中・大島 / ダイアン津田 / 平成ノブシコブシ吉村 / ジャングルポケット斉藤

シーズン2
シーズン2

出演者極楽とんぼ山本 / TKO木下 / ケンドーコバヤシ / 野性爆弾くっきー / フットボールアワー後藤 / サンドウィッチマン伊達 / ロバート秋山 / レイザーラモンRG / オードリー春日 / プラス・マイナス岩橋

シーズン3
シーズン3
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2017年12月28日更新