お笑いナタリー Power Push - BSスカパー!って知ってますか!?

地上波では絶対に見ることができない!田村淳、劇団ひとり、加藤浩次がオリジナル番組制作

スカパー!加入者なら誰でも視聴できる“おまけチャンネル”「BSスカパー!」をご存知だろうか。個性豊かなオリジナル番組を放送する独自のチャンネルとして誕生し、今年10月で1周年を迎えるのだが、その知名度はいまだに高いとは言えない……。

そこでこのたび、田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、劇団ひとり、加藤浩次(極楽とんぼ)が「地上波では絶対に見ることができない!」をコンセプトにそれぞれ番組を制作し、知名度アップに一役買うことに。これらは「BSスカパー!って知ってますか!?」と題して、9月27日(日)、10月4日(日)、10月11日(日)22時より3週連続で無料放送される。この特集では3人が手掛ける各番組の見どころを、収録現場レポートとインタビューで紹介。果たして彼らは「BSスカパー!」の救世主となれるのか。

取材・文 / 狩野有理

1.田村淳(ロンドンブーツ1号2号)「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」

2015年9月27日(日)22:00~23:00

番組概要

ロンドンブーツ1号2号・田村淳と上野のホームレスとの座談会の様子。

酒とおつまみを囲んでホームレスと今の日本について語り合う「実録!ホームレスが現代の日本を斬る!」、芸能界に復帰した元光GENJIの赤坂晃としゃぶしゃぶを味わいながらトークを展開する「実録!元光GENJI赤坂晃が“シャブ”の恐怖を語る!」、大人用オムツの効用をあらゆる場所で試す「実録!オムツをはいて高齢化社会を学ぶ!」の3コーナーからなる“社会派”番組。コンセプト通り、暗黙のルールによって地上波の番組では扱うことができないとされているテーマに切り込む。なお赤坂晃がテレビでシャブについて語るのは「この番組が最初で最後」だという。「アウトなのかセーフなのか、やってみないとわからない」(淳)。

撮影現場レポート

ホームレスを座談会に招待! 果たして集まるのか?
ロンドンブーツ1号2号・田村淳と上野のホームレスとの座談会の様子。

お笑いナタリーでは「実録!ホームレスが現代の日本を斬る!」の収録を取材。現場となる上野のとある倉庫へ赴くと、淳と元いいとも青年隊でホームレス生活経験者の岸田健作がお酒とおつまみを用意して、ホームレスとの座談会を開こうとしていた。番組スタッフが当日までに約30人のホームレスに声を掛け、時間と場所だけを伝えているのだというが、何人がやって来るのだろうか。2人は岸田がかつてホームレスだったときのことや、淳が女性の家を転々としていた“ヒモ”時代のエピソードなどで笑いあいながら待機。時間が経つにつれ、「本当に来ますかね?」「2時間は待ってみようよ」と不安げな空気が漂い始める。

伝えていた時間から30分ほど過ぎたところで入り口に人だかりができた。「来た!」と立ち上がった淳はすかさずこの座談会に招待した人だけが知る合言葉(=番組タイトル)を確かめる。そして招き入れた彼らに冷えたビールやお茶、駄菓子や軽食を振る舞い、ビールケースで作った“パネラー席”に座らせると、ようやく座談会をスタートさせるのだった。

借金、夜逃げ、逮捕歴……各々の人生に興味津々の淳
ホームレスとの座談会を進行する淳(右端)。

普段、プライベートで街を歩いている際に、ホームレスを見つけると決まって話しかけるという淳。参加者の中にはそのときに声を掛けた男性の姿もあり、思わぬ再会に握手を交わして喜ぶ。33歳という比較的若い男性もいれば、ついこの夏にホームレスになったばかりだという72歳の女性、バングラディシュからやって来た外国人男性も。淳はホームレスになった経緯を1人ずつ尋ね、人となりを掴んでいく。

淳と上野のホームレスとの座談会の様子。

競艇に熱中した結果、借金で首が回らなくなった人、仕事や人間関係が嫌で逃げてきた人など、ホームレスになった理由はそれぞれ。夜逃げを経験した人には「昼から荷物をまとめておくの?」、刑務所生活を送ったことのある人には「何やって捕まったの?」と率直な疑問をぶつけていく淳に、彼らは「いろいろあるんだよ」とごまかそうとしつつも、自身の過去について隠さず語ってくれた。するとそこへ第2陣が! アルミ缶を大量に載せた台車を押す男性を筆頭に、いわゆる“オネエ”だという淳と同年代の人などさまざまなキャラクターが追加され、あっという間にビールケースも足りなくなった。

ホームレスとの座談会を進行する淳(右端)。

今の日本への不満、安倍政権を支持するか否か、安保法案の是非、といった政治的なテーマをもとに討論が繰り広げられ、淳はそれぞれが持つ意見に耳を傾ける。収録が終わっても話し止まない、おしゃべりな参加者たちとの時間を楽しんだ淳は、このあと赤坂晃とのしゃぶしゃぶトークが控えているのだと嬉々として会場を後にした。

田村淳インタビュー

タブー視されていることを覆していきたい
田村淳

ホームレスの人たちってすごくピュアな気持ちを持っていて、「なんで自分がこうなっちゃったんだろう」って現状を憂いている人はあんまりいないんです。今を楽しんでいる、前向きな人が多いから、この人たちを集めて番組にしたら悩みが多い日本人に何か訴えかけられるんじゃないかなと思い、この企画を最初に挙げました。びっくりすることに、BSスカパー!の人たちは「それなら行けそうですね!」って言ったんです。提案したこっちが「え? OKなんですか?」みたいな(笑)。「地上波では絶対に見ることができない」っていうコンセプトにはすごく合っていると思います。

もともと“社会派”の切り口で行こうと決めていて、さらにバラエティの要素ときちんとあわさったことをやりたかった。ホームレスの人だけじゃなく、いろいろなタブー視されていることを覆していきたいなという気持ちでこの番組に臨んでいます。地上波でそんなことOKしてくれるチャンネルはないだろうし、やりたいことがどんどん実現していくことがすごく楽しいです。こんな楽しい仕事をするために東京に来て、芸能界に入ったから。これをやることで僕、地上波に戻れなくなるかも(笑)。自由な表現を一度手にしたら、地上波での“ブレーキ”が窮屈に感じてしまうと思うんですよね。それが不安です。

BSスカパー!のチャレンジ精神を日本のメディアの基準に

「BSスカパー!」のことはオファーをもらうまで僕も知りませんでした。というかまだよくわかってない(笑)。だけどコンプライアンスとかルールが厳しくなった今の時代だからこそ、立ち上がらないといけないチャンネルが出てきたんだと思います。BSスカパー!のような「うち、しがらみないから何でもできますよ!」っていうのが日本のメディアの基準になることで、地上波が「あそこまでやらないと視聴者が減っていくんだ」って気づいてくれるといいですね。僕がやっていることで気づかせられるかはわかりませんが、BSスカパー!の「できないことにチャレンジ」っていう意志は応援したいです。

とにかくドキドキが詰まった番組にしたいなと思って、スタッフと一緒にアイデアを出し合ってがんばりました。地上波のルールに当て込んで、比較しながら観るとより楽しめると思います。

「BSスカパー!って知ってますか!?」

番組情報

スカパー!加入者なら誰でも視聴できる“おまけチャンネル”「BSスカパー!」の知名度を上げるべく、田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、劇団ひとり、加藤浩次(極楽とんぼ)がそれぞれのオリジナル番組を制作。“地上波の顔”とも言える彼らが手掛けた「地上波では絶対に見ることができない!」番組を3週にわたって無料でオンエアする。

  • 2015年9月27日(日)22:00~23:00 田村淳
    「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」
  • 2015年10月4日(日)22:00~23:00 劇団ひとり
    「劇団ひとりの『夢劇場 -小ホール-』」
  • 2015年10月11日(日)22:00~23:00 加藤浩次
    「密着!加藤浩次軍団コントへの挑戦!」

※すべて無料放送。スカパー!にご加入していない方でもご視聴いただけます。

BSスカパー!概要

BSスカパー!とは

スカパー!加入者なら誰でも視聴できるチャンネル。バラエティ、ドラマなど地上波では体験できないような興奮を味わえるオリジナル番組や音楽ライブなどココロ動くコンテンツをお届け。

ロンドンブーツ1号2号・田村淳(タムラアツシ)
田村淳

1973年12月4日生まれ。山口県出身。
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。
相方の田村亮と1993年にロンドンブーツ1号2号を結成。仕事のない休日に最新メディアを駆使してさまざまなプロジェクトを行うプライベート企画「淳の休日」を展開中。