バナナマンの単独ライブはこれからも続く「bananaman live H」発売記念インタビュー (3/3)

1人2役、入れ替わるところをあえて見せる

コント「Half-Truth Trip」のワンシーン。

Half-Truth Trip

社員旅行で訪れた温泉旅館を舞台に、とある事情を抱えた男女が繰り広げる物語。1人2役の早替わりコント。

日村 これはやってて楽しいですよ、物語を演じているので。

設楽 1人2役で4人出てくるコントはけっこうやっていて、今までは役が入れ替わるところは見せていなかったんですけど、今回はお客さんの見えるところで入れ替わっているんです。お客さん協力目線というか、そういう世界観を作らないといけないネタではあるんですが、姿を見せながらその場で役が変わるというのをやってみました。

──それはネタの構造上そうせざるを得なかったのでしょうか。

設楽 いや、こういう形もいいかなって思って。「できんじゃん?」みたいな。実際自分でやってても、本当に2人いるように思えるんですよね。ただ、このあたりから日村さんの汗ビジョビショゾーン。

日村 完全にビショビショですね(笑)。

設楽 いつもビショビショになるんですけど、今回はビショビショのビショだったよね。写真見ます?

日村 ちゃんとした格好しているのなんて1本目だけですから。裏でメイクさんたちがドライヤー2本で汗を乾かしてくれて。

設楽 (スマホの写真フォルダをスクロールしながら)全然見つからないな。

日村 ポチッとどれかの写真を押してみて。これが8月31日だから、もうちょい前だね。

設楽 なるほど。さすがだね。……あった!

汗ビショビショの日村。

汗ビショビショの日村。

日村 あっはっはっはっは!(笑)

──ビショビショですね!

設楽 こんなビショビショになります? 肌着を着ているんだけど、それがもうつるんっとしてて。昔からなんですけど、特にビショビショ。熱い夏だったね。

──日村さんがビショビショで設楽さんが困ることはあるんですか?

設楽 やっぱり、近づくとビショビショなので、嫌です(笑)。

日村 振り返ったときに汗がスパーンって飛びますからね。

設楽 でも、これはもうしょうがないですよね。ビショビショの奴でも涼しい顔してセリフ言わないといけないですから。

バナナマン

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赤えんぴつの過去曲「超いい」

コント「Hidden Curiosity」のワンシーン。

Hidden Curiosity

バナナマンライブおなじみのフォークデュオ・赤えんぴつのコント。久々の路上ライブ、MC中にまたしてもケンカが始まってしまう。

設楽 赤えんぴつは台本もあるはあるんですけど、自分たちで楽しんでます。このとき日村さん、左ヒザに水が溜まっちゃって、本番前に抜きに行ったんだよね。だからこの2人が揉めているときに、僕がヒザばっか攻めるんですよ。

日村 「なんでヒザばっか攻めるんだ!」って。昔のプロレスラーみたいになっていました。

設楽 今回は新曲もやったけど、「誕生花」という昔の歌もやりました。これもさっきのあれと一緒で。

──ヒストリー的な。

設楽 そうそう。赤えんぴつはミュージシャンですから、ミュージシャンが自分たちの持ち歌をライブで歌うことは別に普通のことだなと思って。逆になんで毎回新曲をやってるんだ?って。

日村 本当だよね(笑)。今回、稽古場で過去の曲を聴いたんですよ。

設楽 赤えんぴつももう20年くらいやっていて、曲数で言ったらアルバム2枚分くらい。

日村 これもいいぞ、これもいいぞってずっと聴いちゃって。

設楽 超いいんだよね(笑)。

日村 自分たちで自分たちの曲聴いて、「いいなこれ!」って言って。いい時間でしたね。

できるときにやるライフワーク

コント「Henmi Kyoutarou ~変見 狂太郎~」のワンシーン。

Henmi Kyoutarou ~変見 狂太郎~

天才作家・変見狂太郎の取材にやってきた編集者。当の本人に会うには質問に正解しなければならず、答えを必死に推理する。ラストを飾る30分以上の長尺コント。

設楽 本当を言うと、もっと大変なネタだったんだよね。日村さんの長ゼリフ。

日村 だいぶスリムになってるんですよ、これでも。

設楽 けっこう早めにちゃんと覚えたよね。

日村 夏のデカい宿題もらったみたいな感じでしたね。何ページもあるので、これはもうちゃんとやらないと。

──この長尺コントを含めて今回の単独ライブをやりきったお気持ちは?

設楽 「H」は日村さん大活躍回なわけだから。「H」をやり終えた達成感はかなりあるんじゃない?

日村 そうだね。自分のイニシャルが入るようなライブはこの先もないと思う。「S」でのミスを取り返したい気持ちがすごくあったし、3年ぶりだったのもあるし、達成できたというのがあの汗ビショの写真に現れていると思いますね(笑)。

バナナマン

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──設楽さんはどうでしょうか。

設楽 コロナでできなかった3年ぶりのライブだったのもあって、いつもとは違う緊張感もありましたけど、まとまったライブになってよかったんじゃないかなと思いますね。「S」と「H」で一応、2人の頭文字を取っていたので、それが無事に終わったなと。次はオークラの「O」にしようとは言っています。オークラに全部作ってもらって(笑)。

日村 作・オークラね。

──2回スキップしたことで、改めて「bananaman live」について考える機会にもなりましたか?

設楽 さっきも話したように、やっぱり環境が整わないとできないじゃないですか。焦ったところで、できないものはできない。できるときにやるぞ、という。「やるぞ」と言っても肩ぶん回しているわけでもなくて、ライフワークみたいにやっているものではあります。

日村 昔やっていた全国ツアーとかもやれたらいいなとは思いますね。楽しかったんですよ、車で全国を回ったあの頃が。

──今や日村さんは中型バスの免許もお持ちですから。

日村 僕、バス運転できますからね!

設楽 いやいや、それでみんな乗せて連れてったら休めないよ!(笑)

日村 ほんとだ。

設楽 まあそんなのもね、またできたらいいよね。

バナナマン

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プロフィール

バナナマン

写真左 / 設楽統(シタラオサム)
1973年4月23日生まれ、埼玉県出身。

写真右 / 日村勇紀(ヒムラユウキ)
1972年5月14日生まれ、神奈川県出身。

1993年に結成し、「ラ・ママ新人コント大会」でデビュー。「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京)、「バナナサンド」(TBS)、「奇跡体験!アンビリバボー」(フジテレビ)、「沸騰ワード10」(日本テレビ)、「バナナマンのせっかくグルメ!!」(TBS)、「乃木坂工事中」(テレビ愛知)、「JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD」(TBSラジオ)などに出演中。ホリプロコム所属。