ナタリー PowerPush - バナナマン

DVD「emerald music」完成 2人が語る最新単独ライブ

見てる人の心をかき乱したい

──これまでの単独ライブでも感動的で涙を誘うようなコントがありましたが、今回もまさにジーンとくるコントが入っていますね。

設楽 別に「泣かそうぜ」って作ってるわけじゃなくて、2人で恋愛がらみの話になると、ゴールが「ダメな話」か「いい話」か、どっちかしかないんですよね。これ何年も何回もやってるから、実はパターンがあんまりなくて、それでもやっぱりやりやすいからやってるんですけど。やっぱり今年はでかい……ねぇ、震災があったから、今回は「雨降って虹が出る」とか、「いつか辛いことは終わるよ」とか、そういうのは多少思考に入っていたのかな。でも、別に俺らはコントで泣かそうっていうのは基本はないんです。ただ、トータルで考えるといろんなコントを見せたいから、最終的にそういうものも構成的に入れたっていう。

日村 台本読んでると、「面白い、面白い、面白い」でくると、ちょっといいこと言われただけで、「ヤベッ、感動した」ってなっちゃいますよね。ちょっとしたことで。

インタビュー風景

設楽 面白いのが一番だけど、見てる人の心をかき乱したいっていう欲求は強いです。感動であったり、「うわ!」ってなるのとか全部ひっくるめて、全体で「笑わせたい」になっていればいいかなっていうのはあるんですよ。

──本当に笑ってグッときて、思惑通り心をかき乱されました。

設楽 感動と笑いは紙一重というか、新聞紙で女を作るコントも、作家のオークラの実話が元になっていて。稽古中にいろんな奴のオナニーの話とか聞いたりするんですよ。そうすると、やっぱそこってすごい人間性が出てくるんですよね。このネタって、まんま捉えるとただのバカネタっぽい感じだけど、モテない男の切なさとか、自分が一番見られたくないところを騒ぎにさせられちゃう悲しさみたいな部分までひっくるめて捉えると、すごく悲しいネタにも見えてくるっていうか。

──なるほど。

設楽 (おぎやはぎ)小木さんの奥さんは、すごく俺らのコントの違う感動を発見して言ってくれるんです。たとえば不良のコントの会話で、「ここにネッシーがいるのか」みたいな話をするところがあるんですけど、「ネッシーが世の中的に嘘だってことがわかってるのに、それすら知らない。そのレベルでしか会話ができないバカな2人がかわいそうで涙した」って言ってて。そこは俺らは意図してないんですけど、そういう違う部分で「ああ、なるほど」っていうことを言ってくれる人が出てくるんですね。だから、DVDになった時点で、俺は見る人が自由に見てくれればいいと思ってます。いろいろ見せたいっていうのが一番かな。こういうこともできるって見せたいでしょ、やっぱ。

日村 そう!「俺らはできる!」っていうね(笑)。

動きながら次の目標を見つける

──現時点でたくさんのレギュラー番組をお持ちですが、まだまだ「こういうことをやりたい」という気持ちはありますか?

設楽 「まだまだやりたい」っていう気持ちはもちろんありますけど、昔からそんなに「こういうのやりたい」って決まってないんですよ。

日村 たぶんずっとそんなこと言ってますよ。「そんなにないんですよ」って。

設楽 目標なんて基本はないんだよね。この時期になってくると「来年の抱負は?」って聞かれることが多いんですけど、数年前から「現状維持」ってずっと言ってます。……ないんだよねぇ。

日村 ないんですよね。やりたいって言えば、なんだってやりたいですもん。

設楽 そうそう。なんでもやりたいです。バナナマンでレギュラー番組とか、やっぱり持ちたいし。

日村 もちろんもちろん。それが一番やりたいです。今やってる番組もずっとやっていたい。

設楽 そうだねぇ。なんか止まりたくないというか、動きながら次の目標を見つけるというか。そういう楽しさがあるかも。昔からずっと止まってる感覚が強いからかな。いまも高く飛んでるイメージないですから。低空のままの状態で上に行ってる感覚がない。俺ら、止まるとたぶんズーってなります。

──あはははは(笑)。

日村 その感覚はずっと変わってない。

──では、今後も単独ライブは引き続き期待していいですね?

設楽 そうですね。夏はもうけっこう前から小屋押さえてるんで。

──このDVDを見て、また次に足を運んでもらって、と。

設楽 そうですね。まあ見ても見なくてもライブに来てくれるのは嬉しいですけど。まあDVD出てるんでね、絶対見てもらいたいですよね(笑)。

インタビュー風景

DVD「bananaman live emerald music」 / 2011年12月14日発売 / 3990円(税込) / 発売元:ホリプロ / 販売元:ポリドール映像販売会社 / POBD-60413

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収録内容
  1. Disappointed
  2. ぬるぬる
  3. Emerald lizard & salamander
  4. Ashamed
  5. 赤えんぴつ
  6. Irritating man

収録時間:本編約140分

映像特典:コントの合間に上映された幕間映像を4本収録

初回プレス分:「日村・設楽 金のTシャツ」が当たる応募ハガキ封入(公演中に販売していたTシャツの別バージョン)

バナナマン

バナナマン

左/設楽統(したらおさむ)
生年月日:1973年4月23日
出身地:埼玉県

右/日村勇紀(ひむらゆうき)
生年月日:1972年5月14日
出身地:神奈川県

所属:ホリプロコム