お笑いナタリー Power Push - そんなバカなマン
バナナマンとバカリズム 20年前と変わらない空気感
根底はあの頃から何も変わってない
──その頃から約20年経ちましたが、当時の印象は覚えてますか?
バカリズム 印象は今と変わらないです。
設楽 うん、変わんない。たまにテレビでヒデを見かけると「老けたなー」って思う瞬間があるくらい。あの頃のイメージがずっと残っているんでしょうね。
バカリズム お互い20代くらいの感覚のままここまで来てますから。
日村 たしかにヒデ老けたなあ。かわいかったもんなーヒデは。
──ネタの印象は覚えていますか? お互いに共通点を感じたりだとか。
設楽 バカリズムはやっぱりちょっと変わってましたね。2人でやってたからもちろん今とは違うけど、今のスタイルからさほど遠くなくて。雰囲気はありました。
日村 うん。でもまあ、とにかく仕事がなかったよね。
──ライブばっかりですか。
バカリズム 特に「ボキャブラ」ブームでみんながバーンと売れたときでしたから。僕らはライブで地道にやってた側だったんですよ。だから「バナナマンってなんで面白いのに売れねえんだよ!」って言ってるのが気持ちいい、みたいな(笑)。
──ライブ以外の仕事がない中、どんなことをして過ごしていたんですか?
日村 俺とヒデは野球ゲーム。
バカリズム あとはビデオカメラ持ってロケに出たりとか。
日村 ああ、そんなのやってたね。
──それはどこかで披露するわけでもなく?
バカリズム 全然そんなんじゃなく、ただ暇だから。「撮りに行こうぜ」って言って、朝から下北とかを2人で回って、それぞれ思いついたロケをやってみて。
設楽 ええ!? マジで?
バカリズム で、帰ってきてそれを2人で観て笑うっていう。
設楽 それけっこうヤバいね!(笑)
日村 あっはっはっは!(笑) やってたねえ。
──そのビデオ見てみたいです。お話を聞いていて、「そんなバカなマン」は当時遊んでいたことの延長みたいなものなのかなと思いました。
設楽 それはありますね。根底はあの頃から何も変わってないです。
日村 今の関係性もその頃にできたものですから。
「パシフィック・ヒム」の現場は実際ずっとすごい空気
──「パシフィック・ヒム」で日村さんが指令の通りに動く従順さが本当にすごいなと思うのですが、20年の間に築かれた関係性のたまものというか。
日村 それは本当にそう思います。20年くらい一緒にいるから、言わんとしてることはわかるんです。昨日今日で知り合った人が2人の思った通りに動けるかどうかっていうとそうじゃない可能性はありますよね。でも基本は耳から聞こえたことをそのままやってるっていう感覚です。
バカリズム 面白いことを共有できてるから、僕らの言うことをすっと解釈できるんでしょうね。
日村 そうそう。だから2人の指示を受けることに関しては一番うまいっていうだけで、「すごい」って言われても自分ではわからないんです。
──ただ解釈できたとしても、日村さん側の現場の空気もあるじゃないですか。「今これをやったら変な感じになるぞ」という躊躇はないのでしょうか?
バカリズム それは僕も見てて、よくやれるなって思います(笑)。
日村 たしかにそれはあって、実際現場はずっとすごい空気ですよ。
設楽・バカリズム あははははは!(笑)
日村 基本的に、ゲストの女の子は「ヤバい奴の番組に来ちゃったな」っていう感じ。カメラが回ってても止まってても、ずーっと俺がわけわかんないんだから。でも新人の子でバラエティも慣れてないから、「こういうものなのかな?」って受け入れるしかないっていう。
設楽 海外の番組に出てる感覚だろうね。
バカリズム 日村さんの奇行にも「こういうコメディアンさんなんだ」って言い聞かせて。
──企画の趣旨は「女性の前でカッコつけてしまう日村さんの面白い部分を最大限に引き出そう」というものですが、“カッコつけ日村”さんが顔を覗かせて「恥ずかしい」と思ったりすることは一切ないですか?
日村 全然! だって指示通りやってるだけですから。逆に指示がなかったら、カッコつけちゃうんじゃないですか?
設楽 日村さんは、仕事のときは昔からあんな感じだよね。ただ「お疲れっしたー」のときにカッコつけちゃう。だから今も「パシフィック・ヒム」が終わった瞬間からはカッコつけてると思う。たぶん、そこらへんはそんなに変わってないです。
バカリズム そうですね。カメラが止まったあと「マジでそういう奴ではないからな」っていう顔はしてます。「これが素の日村だから」みたいな。
日村 違う違う! してないよ!
設楽 その日の一番ヤバかった行動を、毎回僕らに「あれは何だったの?」って聞いて、女の子に「あれは俺じゃないよ」アピールしてる。
日村 いや、そりゃそうよ! いつも思ってるんだけど、誰が最後明かすか決めようよ。
バカリズム あはははは(笑)。最近ネタばらししなくなってますね。
設楽 だってそれはオンエアで観てもらえばわかることだから。確実にあの人(=指示通りに動く日村)は面白いんだけど、日村さん、指示がなかったらああいうこと言わないでしょ?
バカリズム 理想は指示なしであれをやってほしいですよね。
設楽 そうなんだよ。
日村 あんなの指示なしでやるタレントになったらヤバいって!
設楽 そしたらあのクオリティが毎回出るんだよ? 24時間365日あの人だったら超すごいよ。
バカリズム バケモンですよ。お笑いのバケモン(笑)。
スタジオにお客さん入れて“紙バレー”やりたい
──今後番組でやりたいことはありますか?
日村 3人で服買いに行きたいです。
設楽・バカリズム あははははは!(笑)
設楽 ふざけるとかじゃなくて、本当に似合うやつ?
日村 もちろんもちろん。今日の街ぶらが本当に楽しくて。夏服とかみんなで選びたいです。
バカリズム 雑貨とかもいいですね。
日村 雑貨もいいな! おしゃれな雑貨探そうぜ。
スタッフ 「お笑い番組」なんですけど……(笑)。
日村 それはそっちが面白くしてよ!
バカリズム ふざけて買う時代はもう過ぎましたよね。
日村 ナンセンスだよ、ふざけたもの買うなんて。
バカリズム 僕はそれぞれがかわいいと思う店員さんのいるカフェに行ってお茶したいです。
日村 あー! いいね。
バカリズム 「このカフェにはこういう子がいて」って紹介するっていう。で、おいしいコーヒー飲んで、おいしいケーキ食べる。
設楽 マジでおいしいやつでしょ?
バカリズム マジです。ふざけてるやつじゃなくて。
日村 これを面白くするのはスタッフさんですから(笑)。
──設楽さんのやりたいことは?
設楽 昔よくやってた遊びで、紙を丸めて手で打つ“紙バレー”っていうのがあるんですけど、それで本気で対戦したいですね。絶対テレビ的じゃないんだけど(笑)。
日村 あっはっはっは!(笑) 紙バレーなんて普通の番組では絶対やれないよね。
バカリズム 「そんなバカなマン」だったらできます。セロテープで変な顔して笑わせあうなんて原始的なことをガッツリやらせてくれる番組なんですから。スタジオにお客さん入れてやりましょう。
設楽・日村 あははははは!(笑)
日村 それいいなあ!
バカリズム 応援してもらって。
設楽 そういうのやりたいね。
収録内容
- パシフィック・ヒム(新木優子編)
- 爆笑アウトロークイズ
- そんなバカな!?オフショット
- DVD第1巻発売記念イベントの様子
収録内容
- パシフィック・ヒム(古畑星夏編)
- そんなバカな!?本物は誰だ?
- そんなバカな!?オフショット
- そんなバカな!?仮説
- そんなバカな!?車選び
フジテレビ系「そんなバカなマン」
毎週火曜日24:25~24:55放送
左 / 設楽統(シタラオサム)
生年月日:1973年4月23日
出身地:埼玉県
中央 / バカリズム
生年月日:1975年11月28日
出身地:福岡県
右 / 日村勇紀(ヒムラユウキ)
生年月日:1972年5月14日
出身地:神奈川県