どのような内容になるのかは事前に明かされず、ベールに包まれていたこのライブ。開演すると、加納が「どうもー」とひょこっと笑顔で登場し、「ようこそ、お越しいただきました。ここまでは遠かったですか?」と客席に語りかける。身構えていた観客たちが拍子抜けするほどフランクな雰囲気で漫談が進むが、少しずつ内容が難解に。不穏な空気が漂い始めてきたところで、客席後方の数人が立ち上がって加納に野次を飛ばす。驚いて後ろを振り返る観客たち。観る者の現実と虚構のラインがゆっくりと不明瞭になっていく中、大勢の出演者がマーチングバンドの生演奏と共に一気に舞台上に現れ、ここから演劇とコントを融合させたようなカオスな物語が幕を開けた。
今作は、学生時代からお調子者だった加納が、あるショックな出来事をきっかけに、芸人ではなく女優の道へと進んだ世界線を描いたストーリー。Aマッソらしいユーモアを存分に散りばめつつ、過去と現在を行き来しながら彼女の人生を表現した。観客を引き込んだのはAR技術や壮大な舞台装置を使った超現実的な演出の数々。「すぐに癇癪を起こしてしまう」「シリアスな場面でちょけてしまう」といった加納の性格は、そのときの脳内を見せる“インサイド・ヘッド”のような形で具現化され、会場全体を摩訶不思議な世界に誘う。最後は加納が自らの人生にいったんの“決着”をつけるような結末を迎えた。
本作には加納の「芸人も役者も大人も子供もない」という意向で、劇団「
コントに初めて挑戦したという南極のメンバー・こんにち博士は「普段は笑いをとろうとしていないので恐ろしかったです。でも加納さんがウケると言っていたところで本当に全部めっちゃウケていてすごかった」とコメント。加納は「コントって間が難しいじゃないですか。稽古中は『この間でちゃんとウケるから待って。私を信じて』と伝えていました。ずっと『私を信じて』と言っていて、アラジンみたいになってた(笑)。それしか説明しようがないんです。『これでウケるねん!』と言うしかない」と振り返った。
本日6月8日に実施された最終公演の模様は6月15日(日)までアーカイブ配信中。視聴チケットはZAIKOで販売されている。
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