ロングコートダディ兎、映画「ネムルバカ」仲崎とコントの演じ方は“逆” 繊細なマインド調整

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ロングコートダディ兎がキャストとして参加している映画「ネムルバカ」が3月20日(木・祝)に東京・新宿ピカデリーほかで全国公開される。それに先がけてお笑いナタリーでは兎に映画初出演となった今作での手応えや、今後の役者仕事への意欲を聞いた。

ロングコートダディ兎

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映画「ネムルバカ」より、久保史緒里演じる入巣柚実(左)と、平祐奈演じる鯨井ルカ(右)

映画「ネムルバカ」より、久保史緒里演じる入巣柚実(左)と、平祐奈演じる鯨井ルカ(右)[拡大]

同作は石黒正数のマンガ「ネムルバカ」の実写化。「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの阪元裕吾がメガホンを取り、久保史緒里(乃木坂46)と平祐奈がダブル主演を務めた。大学の女子寮で同じ部屋に住む後輩・入巣柚実と先輩・鯨井ルカの友情と別れが、何気ない日常を通して描かれている。

映画「ネムルバカ」より、バイト中の柚実(久保史緒里)と先輩の仲崎(ロングコートダディ兎)。

映画「ネムルバカ」より、バイト中の柚実(久保史緒里)と先輩の仲崎(ロングコートダディ兎)。[拡大]

兎は柚実(久保)のバイト先である古本屋「古本MAX」の先輩・仲崎役。仲崎は柚実に好意を寄せており、知識やセンスで彼女の気を引こうと日々アピールし続けている。自信過剰な面が煙たがられがちなキャラクターだが、兎は「自分に自信があって、積極的にアプローチして動ける人。未来を切り開いていける人っていうイメージ。僕があまり自分からしゃべりかけることができないタイプなので、人として尊敬できるキャラクターだなって思いました。柚実にはけっこう冷たくあしらわれるけど、それでもガンガン行けるのはすごい。別に人の目を気にしないっていうか、ビクビクしていないじゃないですか。その姿勢は僕はすごい好きでした。マインドは憧れます」と肯定的。自身とは性格が真逆だからこそ、演じる上では「引け目とかをちょっとでも出しちゃダメだなというのは心がけました。1つもグッと引いてしまわないように。前に前にということを思いながら演じました」と意識したという。

柚実のバイト先の先輩の仲崎に扮するロングコートダディ兎

柚実のバイト先の先輩の仲崎に扮するロングコートダディ兎[拡大]

ロングコートダディのコントでも悪びれないキャラクターに扮することが多い兎。しかし「一緒に見えて、演じ方としては逆かもしれないです。仲崎は周りを気にせず、自分が思うようにしたいことをやるっていうイメージなんですけど、僕がコントで演じる失礼なことを言うキャラクターは、それが毒に聞こえないようにマインドはちょっと手前に引きながらやっているんです。仲崎はちょっと嫌な奴に見える役ですが、コントだと腹立つことを思いっきり言うので、その分見ている人が腹立ちすぎないように、面白くなるように、ちょっと下手に出ながら言うくらいの感じでやっています」と演じ方の違いを語り、映画では“嫌な奴”全開になるようにコントとは心持ちを変えていると明かした。

ロングコートダディ兎 インタビュー

──原作を読んでみてどう思いましたか?

2人の女の子が共同生活しながらお互いにあるもの、ないものに対して葛藤していく作品なんですが、その描写がだいぶリアルでした。

映画「ネムルバカ」より

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──共感する部分はありましたか?

どちらかと言うと、僕はルカなんですかね。ダラけてしまうというか、やりたいことはあるのに自分からはそんなに動かない部分が。柚実のほうが丁寧に生きてるのかなって思いましたね。ルカはバンドをやっているけど、あとのことは適当なイメージ。柚実はルカみたいにやりたいことがないから悩んでいるんですけど、いろいろ丁寧にやっているイメージでした。

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──初めての映画撮影現場で印象的だったことは?

力の入れ方がすごいです。スタッフさんの人数であったり、ビデオ屋をちゃんと貸し切ってしっかりどこを映してもいいようになっていたり。あと仲崎の靴。食事しに行くシーンにトゲトゲの靴を用意してもらっていたんですけど、それがけっこうきつかったんです。無理やり足を入れて、最後ギュッって衣装さんがファスナーを上げた瞬間に取手の部分が取れたんですよ。しかも両足(笑)。ファスナーが下ろせないから靴が脱げない状態になっちゃって、トゲトゲのまま1日過ごしてました。なので、撮影現場では足が痛かった印象が強いです。トゲトゲなので、ほかの人の足を蹴ったり踏んだりしないように、足元をずっと見ていました。

ロングコートダディ兎

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あと、ちょっとだけ僕の長ゼリフがあったんですけど、そこをすごい噛んじゃって。何回も噛んで撮り直してを繰り返していたら余計にめっちゃ焦って、体感80テイクくらいしたんじゃないかっていう。久保さんもいるシーンだったのでずっと付き合わせてしまって申し訳なさすぎましたね。

──もし次があったときに生かせそうな反省点は?

休憩時間、僕はほとんど台本を読んでいたんですけど、ほか誰も読んでいないんですよ。初めてだったのでそういうものだって知らなくて。完全にやらかしてましたね。次があったら(相方の)堂前にも練習を手伝ってもらって、完全に覚えていって休憩時間にみんなで楽しくしゃべりたいです。今回は、台本を読まないといけないっていうのもあって僕は会話に入れなかったんですよ。言い訳みたいな感じですけど(笑)。

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──ご自分が出ているシーンをご覧になった感想は?

自分だけで言うと、やっぱりちょっと恥ずかしかったです。緊張とかもわかるし。でも個性はすごく爆発していると思います。緊張してるけど楽しそうだなって思いました。また機会があったらいろいろ出たいです。「もうちょっとこうしてみたいな」とかも思ったので。

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──またお芝居の仕事をしたい?

そうですね。この作品は(2024年)4月に撮ったんですけど、この1年でお芝居の仕事をいろいろやらせてもらって若干引き出しが増えた気がしているんです。4月の時点ではわからなかったり、できなかった感情やお芝居がもしかしたらできるようになってるかもしれないから、どんどん挑戦して「これができる」とか「これが得意なんだ」っていうのを見つけていきたいです。

ロングコートダディ兎

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──最後に、兎さんはこの「ネムルバカ」という作品から何を受け取りましたか?

ストレートに言うと、「みんな各々でいいんじゃない?」ということでしょうか。ルカが好きなことをやって成功していくの見て柚実がちょっと焦ったり、距離を感じてしまう描写があったけど、実はルカはそんなに変わっていなかった。並な意見になってしまいますけど、人それぞれで、人は人、自分は自分だから別に焦らずに好きなことを思いっきりやればいいんじゃない?っていうメッセージかなって僕は解釈しました。

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(c)石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会

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しろくま @shirokuma3302

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