ウエストランドは中学からの同級生である井口浩之と河本太が2008年に結成したコンビ。「M-1」は2020年以来、2回目の決勝進出だった。決勝にはウエストランドをはじめ、カベポスター、キュウ、さや香、真空ジェシカ、ダイヤモンド、男性ブランコ、ヨネダ2000、ロングコートダディ、敗者復活を勝ち抜いたオズワルドの10組が登場。最終決戦では、ウエストランド、ロングコートダディ、さや香の順にネタを披露し、ウエストランドが6票を獲得して頂点に立った。
ウエストランド コメント
──1回戦から振り返って、今回の「M-1」はいかがでしたか?
井口:1回決勝に出たことがあるからといって1回戦が余裕というわけではないから本当に嫌でした。もう「M-1」に挑戦しなくていいんだというのが一番うれしいです。とにかく苦しい大会なので。
河本:もうちょっと予選の数を減らしていただけるとありがたいですね(笑)。優勝した実感は未だにないです。
──史上最多7261組の頂点に立ったお気持ちは?
井口:本当にたくさんの人が挑戦しているし、年末の風物詩になっていますからね。芸人として売れてやるとは思っていましたが、「M-1」で優勝する人生だとは思っていなかったので意外だなあと思います(笑)。
河本:僕はただ(井口に)ついてきただけですから。7261組の頂点だとは思ってないです。
井口:めちゃめちゃムカついてる人多いと思います(笑)。
河本:腹千切れるくらい怒ってる人もいそうですね。
井口:なんか表現違うな! 「腹千切れる」は笑うときに使う言葉だから!
──最後に「やっと主役になれた」とお話していましたね。
井口:ぶっちゃけ、あれはかなり前から考えていました(笑)。
──これからすごく忙しくなると思いますが、その覚悟はできてますか?
河本:前に決勝に行ったとき、それにあぐらをかいていたら相方だけに仕事が来るようになったので、あぐらをかかないようにがんばりたいです。
──優勝して涙を流したときはどのような気持ちでしたか?
河本:子供が2人できてから涙腺がぶっ壊れてすぐ泣いちゃうんですよ。アニメでキャラがいいこと言っただけで泣いてしまう。「M-1」のPVも死ぬほど見てまして……。
井口:優勝したときに泣いた理由を早く教えてくれ!
河本:自分が王者になるなんて思わなかったです。早く娘の保育園で自慢したいです。
井口:だから、それも理由になってないから!
河本:(会話の)ラリーができないから、仕事がこないんでしょうね。
──井口さんから見て、泣いた河本さんの姿はどうでしたか?
井口:ドン引きですよ! 「とにかく泣くな」と話してたんですけどね。ビックリしました。
──前回、決勝に出場したときに「漫才はいいことがなかった人間の復讐劇だ」というフレーズが話題になっていました。復讐劇は完成しましたか?
井口:前回は10位よりウケてない9位だったので、今回はネタ2本がちゃんとウケることが目標でした。優勝はそのあとについてくるものだと思ってました。ウケることができたという意味ではリベンジを果たせたと思っています。ただ本当に復讐できたかは今はまだわからない。「ふざけんな!」という声がたくさんあるかもしれないので。もう少しいいことがたくさんあったら復讐できたということにしたいと思いますが、今はまだわからないです。たぶん、まだ嫌なことはあるでしょうし。
河本:僕は獲る前も幸せだったので復讐したいという思いはありませんでした。
──審査員からは「今後の漫才を担っていく存在だ」という声もありましたが、優勝することで何か変わることはあるのでしょうか?
井口:ないと思います。優勝したあとも嫌なことは尽きないでしょうし、漫才という意味では事務所の先輩である爆笑問題さんがずっと漫才をやり続けているので、我々も「M-1」に出なくなったからといって漫才をやめることはない。やるしかないですね。
──出番順で最後まで残ったときの心境は?
井口:2020年もラストだったんです。今回はキュウと2組で残ったことで事務所ライブみたいな雰囲気になったのでリラックスできました。運がよかったと思います。10番慣れもあったでしょうし。
河本:前回は意識が飛びそうなくらい緊張していて、笑神籤が引かれるたびにヘトヘトになっていたんですが、今回は待ち方が上手になった気がします。
──賞金の使い道は?
井口:賞金はありがたいですけど、チャンピオンということが一番デカい。なので、これから忙しくなったときのために体のメンテナンスに使いたいです。常にマッサージに行きながらくらいの感じで贅沢に。
河本:つまんないですけど、娘が2人いますので、今年崩してしまった学資保険の補填に充てたいです。
井口:引くわ! つまんなすぎて。
──爆笑問題さんへ、どのように報告したいですか?
井口:太田さんから「目の前のお客さんとテレビの前の視聴者を笑わせることがすべてだから、審査員は気にせず、それに集中しろ」と言われていたので、それはできたよということは伝えたい。このネタができたときに、たまたま田中さんが見てくださって、「このネタいいじゃん」と言ってくれたんです。後日、このネタを決勝でやると言ったときに、田中さんがそのネタのことを1ミリも覚えていなかった(笑)。さすがに今回は喜んでいただけるんじゃないかと思います。
河本:僕は太田さんから、ネタが飛びそうになったときに発する言葉をもらいました。ここではあまり言えないんですけど。
井口:放送禁止用語ね。それが出なくてよかったです(笑)。
「M-1グランプリ2022」ファイナルステージ審査結果
松本人志:
中川家・礼二:ウエストランド
立川志らく:ウエストランド
サンドウィッチマン富澤:ウエストランド
ナイツ塙:ウエストランド
博多大吉:さや香
山田邦子:ウエストランド
最終順位
1位:ウエストランド(最終決戦6票 / 659点)
2位:さや香(最終決戦1票 / 667点)
3位:ロングコートダディ(最終決戦0票 / 660点)
4位:男性ブランコ(650点)
5位:真空ジェシカ(647点)
5位:ヨネダ2000(647点)
7位:オズワルド(639点)
8位:カベポスター(634点)
9位:キュウ(620点)
10位:ダイヤモンド(616点)
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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u
井口「前回は10位よりウケてない9位だったので、今回はネタ2本がちゃんとウケることが目標でした。優勝はそのあとについてくるものだと」
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