2019年に多発性骨髄腫の治療のため入院し、現在も闘病を続けている宮川花子。退院後に筆を執る機会を得たという「あわてず、あせらず、あきらめず」には、夫・大助のサポートのもと病と闘う日々のこと、そして「長い闘いになろうともいつかセンターマイクの前にたどり着いてみせる」という希望が綴られている。
自宅からビデオ通話で取材に応じた大助・花子は終始明るい様子だったが、ときおり大助がこみ上げてくる思いに声を詰まらせると花子が笑いながらツッコミを入れる場面も。また
入院中はえんぴつも握れないほど握力が衰えていたという花子。周囲の協力を得て1年半ほどで書き上げた同書の発売について「まさかこういう形で本になるとは。うれしいです」と喜びを表し、「遺作ではないですよ!」と念押しして笑わせた。「2019年に病気のことで会見したときは治ると思っていたんですが、この病気を知るにつれて、治らないんだと知りました」と振り返るが、「日進月歩、闘っていきたい。諦めず生きていきたいという期待をこの本に託しました」と前向き。一方大助は、この本を読み返しながら「嫁が大変な病気と闘っている」と改めて感じさせられ何度もページを閉じてしまったことを告白し、「病気と闘っている方々の支えやヒントになればという思いで嫁は綴ったと思います」と語った。
昨年12月には地元・奈良県生駒市での寄席で約2年半ぶりに舞台復帰。そのときのことを花子は「めちゃくちゃ楽しかったです。自分が帰ってくる居場所があるというのは本当に幸せ」と振り返り、帰宅後は反動で寝込んでしまったと明かす。最近はリハビリによって車椅子で移動し、風呂に入ったりトイレに行ったりすることができるようになった。しかし現段階の体力で15分の漫才をするのは難しく、大助はまずは着席でのトークショー形式で2人の掛け合いを披露したいとコメント。「もしセンターマイクの前にシュッと立てる日が来るなら、もうぶっ飛ばすような漫才をしたい」と期待も込める。花子も「(車椅子ではなく立って漫才することを)可能にせなあかん、可能にしたいです。自分が一番期待してます」と話した。
しかし、「遠くの夢は見られなくなった。『明日の点滴、うまく入るといいな』とか、ちょっと先の夢」と今の花子にとって未来を想像することは簡単ではない。「NGKでの漫才という大きな夢は遠くに置いてます」と述べるが、常に頭には「舞台」がある。表紙に描いたイラストも、“病人の自分”ではなく漫才師としての姿。「漫才師というのが先に立っているとつくづく痛感します」と述べ、「芸人なんですよ、しゃあない! 今日の会見もごっつ気合い入ってますもん(笑)」と病気を感じさせないハリのある声を報道陣に聞かせた。
また花子は「夫婦でよかったと思います。大助くんが介護してくれていて、常に2人でしゃべっていますし。絶対なくてはなくてはならないのが夫婦であり漫才」と大助にも感謝。「別にのろけてるわけじゃないですよ! 福山雅治やったらよかったけど」という補足も忘れない。楽しみは趣味の手芸や韓流ドラマ。またお笑い番組も好きで、「M-1グランプリ」を「勝手に審査しながら観ている」という花子は「(2021年大会の)
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お笑いナタリー @owarai_natalie
【会見レポート】宮川大助・花子「立って漫才」諦めず生きる、センターマイクへの希望綴った闘病記
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