オンバト、いいとも、いぐちんランド、ウエストランドの全部入ってる「ぶちラジ！」10周年

ウエストランドが配信しているラジオ形式の番組「ウエストランドのぶちラジ！」が来月9月で10周年を迎える。これを記念した公開収録イベントが、9月15日（水）に東京・座・高円寺2で開催されることが決定した。

2008年11月に結成し、2010年6月にタイタン所属となったウエストランド。タイタンの公式Ustream「タイタン放送局」から派生する形で2011年9月から「ぶちラジ！」をYouTubeやポッドキャストで配信している。今でこそ珍しくなくなった芸人のネットラジオをこの頃から休まず継続しているコンビは稀。お笑いナタリーでは10年の歩みの感慨を聞こうと「ぶちラジ！」の収録現場を訪れた。

まずは長くやってきた手応えを尋ねたが、井口は「ずっと続けてるなーとは思いますけど、その割に話題にならないなーって思っている時期ですね。10年もやってるんですよ？ 相当すごいことですよ？ なのにこんなに誰からも注目されないってどういうことですか？」とさっそく恨み節。最初は「しゃべりの練習」という目的を持っていたが、仕事としてではなく自主的にやっているため、いつしか「なんでもよくなってきた」という。デビュー間もない若手がこれだけ毎週トークをすれば成長したこと、身についたこともあるはずだが、井口は「ないですよ。少なくともこいつ（＝河本）には。聴いていればわかるでしょ？ #1から今まで何ひとつ成長してないんだから」とまくし立て、当の河本も「据え置きです」とどこ吹く風だ。

「ぶちラジ！」の魅力はそんな2人の飾らないやり取り。河本がいくら見当違いな相づちを打ったり、突飛なタイミングでエピソードトークに割り込んだり、気に入ったフレーズをしつこく繰り返したりしても、井口が首尾よく、ときにいい加減に処理していくのが耳心地いい。河本が地元・岡山弁も交えながらのびのびとこの番組に臨めるのは、スタッフ含め気を許した面々だからこそ。自称「内弁慶」の河本は「ほかの芸人さんがいたら僕のしゃべる量が減るじゃないですか。入るタイミングとかもわからないので。2人だけだったら井口が僕のほう向いてくれているから、やりやすい」と話し、井口は「こいつなりに活躍しなきゃっていう思いはあると思うんですけど、それが出るといいことが1つもない！ 僕もそうですけど、ここでウケたって売れることなんて100％ないので気負わないんです。爪痕残そうって気が1ミリもなくていい」と河本のよさがこの番組に限って発揮されるわけを分析する。新しい機材を試す場に利用しているスタッフたちが「最悪、撮影失敗しても怒られない」と気張っていないことも現場の和やかさや継続の秘訣らしい。

イベントの内容は、この取材時点で「0（何も決まっていない）」とのこと。井口は「10周年だからって特別なことはないし、過去を知らなくても気楽にふらっと来てほしい」と最近知ったファンに優しく呼びかける。一方、ソルジャー（リスナーの呼称）にメッセージを求めると、彼らに高圧的な態度を取り続けている井口は「新規とか古参とか本当になくて、僕のみが偉い。あとは全員平等なんだっていうのは言っていきたい。どうせ全員1人で来て、一言もしゃべらず開演を迎えると思うので。そういう意味で本当に敷居は低いです」と乱暴に誘った。とは言いながらも、これまで収録を行ってきた場所“謎の屋敷”にまつわる何かは企画したいと話すのはソルジャーの思いに応えるため。公開収録イベントで毎回オープニングアクトを務めてきた“謎の組織・アバンテーべのバシコバ社長”が製作中のTシャツなど、グッズにも期待しよう。

ウエストランドを取り巻くこの10年間の出来事を、彼らの愚痴や嘆きと共に記録してきた「ぶちラジ！」。井口は「初めて『オンバト』に出たこと、『笑っていいとも！』のレギュラーに選ばれたこと、『THE MANZAI』や『M-1グランプリ』への挑戦、“いぐちんランド”事件、全部が入っている」としみじみ。河本が「日記ですね、日記」というのを「日記ではないです」と軽くあしらいつつ、「ライブレベルのことを10年も発信しているコンテンツってまずないので、お笑いファンには今売れている芸人のライブ時代を知れる貴重な資料として聴いてほしいですよ」とお笑い史的な価値をアピールした。

ウエストランドのぶちラジ！公開収録6～10周年！もうすぐ500回！10周年！～

日時：2021年9月15日（水）18:00開場 19:00開演
会場：東京・座・高円寺2（生配信も予定）
料金：前売2500円 当日3000円
チケット：カンフェティにて8月17日（火）10:00に発売予定。