ピース又吉「結局は自分の思うものを作るしかない」、小説「劇場」を語る

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ピース又吉の新刊「劇場」が今週5月11日に発売される。これに先駆けて東京・吉本興業東京本部にて記者取材会が行われ、又吉が作品について語った。

ピース又吉

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劇場

又吉直樹「劇場」
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劇作家・永田が主人公の「劇場」は、演劇や人間関係について描かれた恋愛小説。又吉は2014年夏に執筆を開始したあと、一時中断して前作「火花」を完成させてから執筆を再開し、今年2017年の初頭に書き終えた。執筆時の心境を、又吉は「子供の頃からみんなに愛されるタイプの人間じゃなかった。『火花』で注目を浴びて期待に応えようとしすぎたけど、そんな能力はない」と述べ、「結局は自分の思うものを作るしかない、という当たり前のことに途中で気づいた」と振り返る。

ピース又吉

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劇作家を主人公にした理由を聞かれると「僕も最初はわからなかったけど、書いていくうちに必然性を感じた」と率直に明かし、ストーリーと併せてその必然性を説明する又吉。「劇場」が恋愛小説と謳われることについては「『火花』より表現者の内面に入っているかもしれないので、恋愛小説と言い切っていいのかわからない。でも、どこかのタイミングで僕が『恋愛小説です』って自分で言ってしまった(笑)」とつぶやいて取材陣の笑いを誘った。

「火花」が読者から「難しい」と評されることもあり、又吉は「僕も本が好きなので、本屋に行った人のことを想像する。難しいなと思った人がいたとするなら楽しんでもらいたかった。できるかぎり読みやすくする努力はしたい」と配慮を見せる。その一方で「僕が書きたいものや好きなものは決まっている。そこを解体して単純なものに置き換えることはできない」と持論を展開し、「劇場」に関しても「自分で読み直すと、ちょっと簡単にはならなかったかな(笑)」と苦笑を交えて話した。

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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u

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