春風亭一之輔「一番の入口になれば」渋谷タワレコで米粒写経と落語会

昨日6月23日、東京・タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIOにて「渋谷タワレコ亭 feat.春風亭一之輔～『芝浜とシバハマ』発売記念落語会～」が開催され、春風亭一之輔とゲストの米粒写経が出演した。

「渋谷タワレコ亭」はタワーレコードでこのたび始動した新たな落語会。初回は一之輔のCD「芝浜とシバハマ」の発売を記念して行われた。「芝浜とシバハマ」は、三遊亭圓朝の名作「芝浜」の前日譚として創作された「芝ノ浜由縁初鰹（しばはまゆかりのはつがつお）」など4席が収録された2枚組だ。

昨日の落語会で一之輔は「堀之内」と「笠碁」の2席を披露。「堀之内」のまくらでは、初めて訪れたというタワーレコード渋谷店の楽屋の様子を説明したほか、あたかもミュージシャンのような口ぶりで来場客とコール＆レスポンスを展開して会場を大いに盛り上げた。

米粒写経はともに大学の落語研究会出身で、サンキュータツオは渋谷で定期的に開催されている「渋谷らくご（シブラク）」のキュレーターとしても知られる。彼らの漫才では、居島がアントニオ猪木に扮してさまざまな落語の一節を披露したほか、立川談志やきゃりーぱみゅぱみゅなどのモノマネで会場を爆笑の渦に。またトークコーナーでは、サンキュータツオが「解釈が落語家さんによって違う」という「芝浜」にまつわるディープな話を3人で繰り広げた。

一之輔は開演前の記者取材会にて、自身も出演する「シブラク」に関して「あまり渋谷という街に好感を持てない（笑）」と毒づきながらも「客層が若く、反応が意外なほどいい。よく笑って、やりがいがある」と印象を語る。落語ブームと呼ばれる現在の状況については「今までの砂漠のような状況を考えると、なんでも話題になるのはいいこと」とポジティブに語りつつ「ブームと言われているときに地肩を作るのが大事」とコメント。落語界のホープと呼ばれる自らの立ち位置に関しては「初めて落語を聞く人にとって一番の入口になれば」と語った。