久々に会う友達との近況報告会をお笑いナタリー上でやってもらえたら芸人も私たちも楽しいんじゃないか、という編集部の思いつきで、不定期企画「よっ!最近どう?」がスタート。第1回には、高校時代に出場した「ハイスクールマンザイ2012」で知り合い、今でも暇があれば電話でネタの相談をする仲、
真輝志の「R-1グランプリ」決勝進出や、村田が新コンビを結成し同じ吉本興業所属になったこと、電話では伝えたけれど顔を合わせて語りたいことがたくさんあっただろう2人。大阪を拠点にしている真輝志がラジオ収録のため東京にやってくるタイミングを見計らって会合の機会をセッティングすると、お互いの顔を見るやいなや肩を組んで再会を喜んだ。仲を深めたきっかけからそれぞれの弱点まで、リラックスムードであっという間に時間が過ぎたおしゃべりの様子をお届け。
取材・
テキパキ漫才の真輝志、鬼才ぶっていた村田
真輝志 最後に会ったのいつやったっけ?
ド桜・村田 去年やと思うで。高円寺で。
真輝志 電話はちょいちょいしてるから、しゃべってはいるけど会うのは1年弱ぶりか。
村田 今、2人で一緒に取材受けてるってことをXに上げてもいいですか?
──いいですよ。撮りましょうか?
真輝志 村田ので撮って、送ってもらっていい? 俺iPhone7やから。
村田 え? 「R-1」ファイナリストなのに?
真輝志 今って“倍”いってるらしいな。
村田 倍や。俺(iPhone)14や。
取材中のツーショット
──ではお二人の出会いから改めて聞かせてください。
村田 真輝志とは18歳で出会ったから、付き合いで言うと12年くらいか。
真輝志 高校3年生のとき、(高校生のお笑い大会)「ハイスクールマンザイ」で知り合いました。
村田 大阪のイオンモール大日で予選会があって。僕らのコンビは前の年から出ていたので、ある程度対策を考えていたんですよ。プロっぽい動きをしたらほかと差がつくらしいと聞いて、センターマイクをいじって高さを変えようとしたんですけどマイクが抜けて、それが顎にボーン当たって、「えっと……」って言ってもうて。そこからはなんにも覚えてない(笑)。
真輝志 ネタと意識が飛んだんやな(笑)。
村田 そう。そこから全然ウケへんと終わってステージ降りたら、テキパキ漫才が聞こえてきたんですよ。それが真輝志のコンビ。すっごいテキパキチャキチャキって。
真輝志 テキパキチャキチャキはおもんない漫才師の擬音やねん(笑)。
村田 いや、でもマジで面白かった。「同い年で? すげえ!」って。
真輝志 僕は高校3年生で初めて出たんですよ。そしたら、もうコミュニティができあがっていて。去年出ていた子同士で集まって、「今年は(優勝)お前らちゃうの~?」みたいな、その感じが嫌でしたね(笑)。「なんや、この団体は!」って。
村田 わかる。俺らは、2年生のときから出てたけどそのコミュニティには入れてもらえなかった。おもろなすぎて(笑)。
──2年生のときもうまくいかなかったんですか?
村田 もう最悪ですよ。まず、声が小さい。今はめっちゃ声デカいですけど、そのときは声の出し方もわからんから、まず客席に声が届いてなくて、ズタボロでした。
真輝志 まあ、あの頃なんてみんなそうやけどな。僕は相方運がよかったというか、同級生に
村田 むっちゃ声通るよな。
真輝志 すでに仕上がっている子と組めたから、あとは自分さえなんとかすれば、という状態でした。
村田 恐竜が出てくるようなネタじゃなかった?
真輝志 怪獣な。黒田がヒーロー戦隊で、俺がナレーション役でからかっていくっていう。
村田 テーマは俺らのほうが勝ってたかもしれへんな!
真輝志 なんやったっけ?
村田 校長先生の話が長いから、短くするために時限爆弾をつけるんやけど、校長先生が緊張して汗かいて、その汗が爆弾の火に落ちて爆発せず、みたいな。
真輝志 導火線タイプなん? 時限爆弾なのに?
村田 そうや? 何が悪いねん!
真輝志 破綻してるやん(笑)。
村田 爆弾の種類なんて知らんやろ!
──オリジナリティあふれる設定ですね。
村田 当時はバイオレンスこそ正義やと思っていて。
真輝志 僕は「ハイスクール漫才」で出会った人の中で村ちゃんが一番面白いなって思っていたんですけど、すぐバイオレンスとかグロを入れたがるんです。
村田 当時はイタかったんですよ。そういうのがええんやろ?って思っていて。
真輝志 ピンのコントでも、人を食べるとか。
村田 人を食べる、死ぬとかそんなんばっかりやってて、それをやっていたらスベってもカッコいいと思ってましたね(笑)。
真輝志 すごい鬼才ぶるんですよ(笑)。また同級生も、そういうネタで笑いよるんです。これを笑っておけば「お笑いわかってる」みたいになるから。僕はグロのところはそんなに好きじゃなくて、つなぎの、しゃべりの部分がめっちゃおもろいなって思っていました。
村田 今はそんなん一切ないですけど、そのときはむちゃくちゃ鬼才ぶってましたね。
──ピンでも舞台に出ていたんですね?
真輝志 「ハイスクールマンザイ」に出場したコンビはそこで終わったんですけど、高校生でも出られるインディーズライブがあるって聞いて、おのおのピンで出ていました。
村田 そこでどんどん仲が深まっていった感じです。僕は「残虐川柳」みたいなこともやっていました。5・7・5はまったく守らんと、ただただグロかったり不快なことを言うっていう。思い出したくもないくらい酷いネタなんですけど(笑)。
真輝志 村田大樹主催ライブもやってたもんな?
村田 「ファニー」っていうライブね。村田大樹の「き」は「鬼」っていう字で。
真輝志 鬼才やからね(笑)。
“ボスの命令”で一緒にKOC出場
──高校を卒業したあとは、それぞれ違う方法で芸人の道へ進んだんですね。
真輝志 「ハイスクールマンザイ」で優勝すると(吉本興業の養成所)NSCの授業料が免除になるんです。僕は親に芸人になることを反対されていて、バイトもしていなかったから「優勝せなプロになられへんな」と思っていて。そしたらなんとかうまいこと優勝できた。
村田 僕もNSCに入ろうと思って20万くらいまで貯金していたんですよ。でも18歳、パチンコに行ける年齢になり、貯金全部使っちゃったので、僕は違うルートでいこうかな、と。真輝志は太陽の下を歩いて、僕は月の下を歩く……みたいな。
真輝志 カッコつけてるなあ。新月も新月やで。見えてへん。
村田 あ、見えてなかった?(笑) なので僕は大阪で、フリーとして活動を始めました。
真輝志 でも1回、僕がNSC生のとき村田と一緒に「キングオブコント」に出たんですよ。
村田 僕の当時の相方と、トリオで。
真輝志 「ボスの命令」っていうユニット名(笑)。
村田 そうやった! それもなんか鬼才臭出てんなあ。命名、俺っぽくない?
真輝志 そうやで。めっちゃ我強かったもん(笑)。ほかの案出しても、「ええなあ」とは言うけど絶対に採用してくれなかった。「ボスの命令」の由来を聞いたら「キングオブコントは俺らの意思で出てるんじゃなくて、俺らの上にいるボスに『優勝してこい』って命令されて出ている」って言ってました。
村田 もちろんそんなボスはいませんよ、どこにも(笑)。ネタも、尖っているほうでお客さんの信用を得ようとしてましたね。
──仲がいいのに2人でコンビを組もうという話にはならなかったんですか?
村田 僕は1年大阪でやって、19歳で東京に行ったので、そういう話は出なかったですね。真輝志はNSCからよしもとに入ったし、お互い別のコンビでやっていましたから。
真輝志 それぞれが組んだり解散したりを繰り返す中で、「こういう人と組もうと思ってる」とか「解散することになった」という報告はし合っていましたけど。めっちゃただの友達でしたね(笑)。
村田 だから12年もいい感じで友達でいられてるのかもな。
真輝志 揉めずにな(笑)。
夜、暇なときに電話する
──いつもどういうタイミングで電話しているんですか?
村田 夜、暇なときとかです。
真輝志 朝起きたら2、3時くらいに「電話できる?」「やっぱええわごめん」って連絡来てて。
村田 そんなん多いよな。
──深夜でも気兼ねなく。特別な用事があってかけているわけではないんですね。
真輝志 ただ近況を話したいっていう感じです。ほんまに、高校の頃からお笑いやっている知り合いでずっと関係が続いているのは村田くらいなので。
村田 マジでそうやな。何人かはいたんですけど、もう辞めたかどうかも知らんレベルで絡んでいなくて。
真輝志 村ちゃんがマメなので、賞レースのたびに連絡くれるんですよ。
村田 でも真輝志くらいやで。真輝志とか、ほんまに身近な人しか送らん。
真輝志 決勝に行ったら僕も連絡しますけど、「R-1グランプリ」のときに「準決勝どうやった?」「敗者復活のネタ観たよ」とかも言ってくれて。
村田 ちゃんとオンラインチケット買って観てるんですよ(笑)。けっこう真輝志もいろんなコンビやってきたやん?
真輝志 せやね。NSCのときも合わせたら5回くらい組み直した。
村田 だから、真輝志が今年「R-1」決勝行けたときめっちゃうれしかったですよ、ほんまに。そこまでの過程を知っていたからこそ。
真輝志 でも、村ちゃんもだいぶ解散してるやんな?
村田 短いのも合わせたら……俺も5回くらい解散してる。
──電話ではそういう活動報告をすることが多いですか?
真輝志 そうですね。でも、重い話ばっかりでもなくて、ほんまに普通に「最近どう?」とか「こんなネタ思いついから聞いてや」とか。
村田 ネタの話もめっちゃしますね。賞レースの前に「このネタとこのネタどっちがいいかな?」って聞くこともあります。僕も一昨年「R-1」に出場したんですけど、前のコンビを解散して1発目だったので、真輝志にめちゃくちゃ相談しました。だいぶ案を採用させてもらって(笑)。
真輝志 してくれてたな。ネタの動画を見せてもらったら、ちょっと(鬼才の)鬼が顔を覗かせてたから(笑)。しっとり入ろうとしていたので、絶対に一発目怒鳴ったほうがいいよって言いました。
村田 最初カッコつけちゃってて(笑)。
──この12年の間は、電話したりたまに会ってご飯に行ったり?
村田 そうですね。僕が今年よしもと所属になるまでは事務所も違ったので、一緒のライブになることもないし。プライベートで実家に帰るときとかに真輝志を誘ってました。
真輝志 僕も、東京で仕事があるときはとりあえず村ちゃんに連絡してましたね。
──村田さんがよしもと所属になると聞いて真輝志さんはどう思いましたか?
真輝志 まさか合流するとはな(笑)。
村田 びっくりしたよな。俺も入れると思わんかったもん。
真輝志 「入らない」って言ってなかった?
村田 なんなら、東京に来た最初は人力舎に入ろうとしたしな。おぎやはぎさんが好きやから。でも入り方がわからんくて、自分が考えたネタを貼って「こういうネタを書けます」って人力舎の会社のメールに送ったら、「ここに入ってください」って(プロダクション人力舎の養成所)JCAのURLが届いたんですよ。
真輝志 養成所からどうぞ、と(笑)。
村田 でも、メール返してくれるだけ優しいと思うわ。
真輝志 確かに。意欲はある奴やと思われたんやろな。
村田 たぶんな。でもそのときは、その大人の優しさみたいなのがわからんから「人力舎はとんでもない大きい魚逃したわ!」とか、ヤバいこと言うてたような気がする(笑)。
漫才のツッコミ担当から体一つコントボケに
──真輝志さんが前のコンビを解散してピンになると聞いたとき、村田さんはどう思いましたか?
真輝志 「ピンになる」とは言ってなかったかな? 前のコンビを解散する報告をして、お笑いを続けるかどうしようかなって感じのことを言ったと思います。「たぶん続けるとは思うけど」って。
村田 僕としては続けるんやったらどんな形でもいいんちゃうかなと思いましたけどね。「辞める」という報告だったら、「もうちょっと考えたら?」って言うと思いますけど。
真輝志 お互いいろいろやってきたから、「こっちの道行くわ」って言われても「そうなんや」という感じなんですよね。自分としては、「ピンになる」って決めてなったわけではなくて、コンビ解散して「辞めるか続けるかどうしよう」と思いながら一旦「R-1」を目指してみようかなと。
村田 まあ、ピンでも大丈夫やろって思っていました。思っていたんですけど……。今まで漫才師だった奴がピンとして生きていくってなったら、普通は怖いんですよ。なのに、真輝志のピンネタがどんなのか聞いたら、音響とか小道具を一切使わずに、体一つでコントするって言ってて。「こいつ頭おかしいんか?」って思いました。普通、小道具とかに頼りたくなるはずなんです。
真輝志 手っ取り早いやん、体一つのほうが。
村田 スベったらマジで全部自分のせいじゃないですか。なのに、なんにも持たんと体のみでコントしてて。
真輝志 まったく同じことを、当時ほんまに電話越しで1時間半くらい熱弁されましたからね(笑)。「お願いやから小道具使ってくれ!」と。
村田 気持ち悪すぎるから! 一番荷物少なかったやろ?
真輝志 少なかった(笑)。でも、自分もそんなこと言う割には漫談してたやん。
村田 漫談はちゃうやん。「漫談」という形式がもともと小道具とかないものやからさ。
真輝志 まあ漫談は、漫才で培った筋肉をそのまま使えるのもあるからな。それまで漫才でツッコミやってた奴が、ピンの体一つコントでボケてたら確かに怖いか(笑)。ピンになるって決めてピンになったわけじゃないけど、今は「ピン楽しいな」って思ってる。
村田 それはよかった。性格的にピンが向いているのかもしれへんし。真輝志って、人と合わんやろ?
真輝志 こんなところでそんなこと言わんでくれる?(笑) 自分もやで?
村田 俺はめっちゃ人に合わせるっちゅうねん! けっこう優しかったりとか、節々にさりげなくフォロー入れるの得意やもん。
真輝志 村ちゃんは友達最高人間やん。友達としては最高やけど。
村田 友達最高人間でもあり相方最強人間でもある。
真輝志 最強は最強やけど、すぐ意見変わるし意外と流されるし……。
──そうなんですか?
村田 けっこう流されますね(笑)。
真輝志 カッコつけるし。
村田 カッコもつけるな(笑)。女の子が目の前にいると腕の筋ギュッと出したりするもん。
真輝志 まだそのカッコつけ方?(笑)
──真輝志さんがピンに向いているっていうのはどのあたりが?
村田 ツッコミもボケも回しもできるからピンでええやんっていう。相方がおったら、そいつが後ろめたく感じると思う。そいつができんことがあったら真輝志はなんも言わんと助けてあげたりとかしそうやわー。
真輝志 なんで嫌そうやねん(笑)。ええことやんけ。
村田 そいつのプライドをへし折りそう(笑)。
真輝志 でも全然そんなことなくて、それこそ前の相方には助けてもらってた。俺は「できない」がうまくできへんというか。失敗したときに「あっ……」って空気になる。
村田 ああー。確かに、真輝志は失敗できへん人間やもんな。
真輝志 例えば、大喜利のコーナーで「OK」と「ダメ」の判定があるやん。僕が微妙なウケやったときって、絶対に「OK」になってまう。自分としては「ダメ」って言ってくれたほうがいいのに。
村田 俺なんか、ウケても「ダメ」って言われるで?
真輝志 あはははは(笑)。自分的にはそれがコンプレックスで、前の相方が天然やったから、そっちの役をやってくれてすごい助ってた。ちゃんとスベれるっていう。できる人なんか山もりおるんやから、キャラクターで売れようとか考えたら、絶対そっちのほうがええやん。
村田 ズタボロにしてもらったほうがありがたいときもあるしな。でも、真輝志は見た目とかも“できる人”やん。
真輝志 プレーンやもんな。普通の人間で普通の見た目でわりと真面目な性格で道具使わんコントして、そんな奴売れんのかなって思うわ(笑)。
村田 店のクレームとかツイートしたら?
真輝志 隙を作るために?(笑)
村田 意外とそういう人間なんや!っていうギャップで(笑)。
村ちゃんは絶対大丈夫
──反対に、村田さんが新コンビを組んだことは真輝志さんはどう思いましたか?
真輝志 前のコンビのときから村ちゃんが面白いことは周知されていたから、新しい相方とも村ちゃんの面白さをそのまま出せると思ったので、絶対大丈夫だろうなと。
村田 うれし! 思ってた? 大丈夫やって?
真輝志 おもろいのは確定してるから、あとは新しいコンビとして知られるだけというか。
村田 前のコンビも僕がガッていく感じやったんで、今もあんまり変わってないと思われがちなんですけど、ちょっと変えてはいます。
真輝志 相方のかつやまくんが全然ちゃうもんな。がっちりしてるから、村ちゃんに怒鳴られても……。
村田 そやねん。かわいそうに見えへんから。かつやまは先輩からもすごいかわいがられていて、そこから俺も脈ができて、ダイタクさんにライブ呼んでもらったりしてる。
真輝志 今、人脈のことを「脈」って言うた? コネクションを「コネ」って言うみたいな略し方すんなよ?(笑)
村田 「脈」は「脈」やん。
真輝志 相当「人脈」って言い尽くしてないと「脈」にはたどり着かへんねん。
村田 山脈とかもあるしな(笑)。真輝志も「R-1」決勝行ったからひっぱりだこやろ?
真輝志 いやいや、ひっぱりだこではないよ。増えはしたけどな。でもほんまに、ピンになって収入がグッと減って、貯金を切り崩して生活してて。バイトはギリギリしてないけど鼻の先まで来てて、この「R-1」で決勝行けへんかったらバイト生活始まるなっていうところで決勝行けたから、危なかった。
村田 俺はバイトしてますよ。
真輝志 それは借金してるからやろ? 酒、たばこ、ギャンブルとかの。
村田 でも、(ギャンブルしに)行かんかったら行かんかったで、普通の生活していたらこんなお金残るんやって今すごい感動してる。
真輝志 なんや、その報告(笑)。
村田 今、感動中です。
真輝志に足りないのは…
──さて、この場で何か報告しておきたいことはありますか?
村田 それで言うと、7月に人生で初めて単独ライブをやるんですよ。真輝志と出会ってからの12年間で単独の報告はしたことなかったから。
真輝志 へー、どんな感じにするん?
村田 もう漫才しまくり。コントも1本しようと思ってる。
真輝志 俺も7月に単独するわ。
村田 マジで? 何日?
真輝志 俺はちょいちょい単独打ってるけど、次は7月23日。
村田 えっ、俺らの4日前やん!
真輝志 まあまあ、そんなこともあるやろ?
村田 俺は、日にち近いとかで喜べんねん! 大人になりすぎや、真輝志。
真輝志 俺も初めての単独とかやったらわかるけど(笑)。
村田 でも単独楽しいよ、準備が。すごい楽しい。1時間、自分が主役になれるわけやん? こんなん一番好きやからな、俺。
真輝志 1時間チヤホヤされるわけやからな。
村田 俺らのみをずっと見てくれる。それがいいねんな。絶対笑ってくれる、イエスマンの前でネタしてたい。
真輝志 そんなことを声高に言える芸人はいないですよ(笑)。
村田 普段できないんでね? 味方だけの空間でネタやるって、精神衛生上めっちゃいいじゃないですか。自己肯定感も上がるし。この貯金だけで2年はやっていける。
真輝志 あはははは、村ちゃんぽいな(笑)。チケット売れてるん?
村田 来場は完売。“所属バブル”もあると思うけど。あとは、配信チケットも伸ばすためにギミックを考えてる。
真輝志 え、そんなのできるん?
村田 できるよ! ビジネス書とかちょっとかじったりしてるもん。16ページくらいまで。
真輝志 ほんまにかじっただけやん(笑)。俺は、券売はほんまに伸びへんなあ。人気がほんまにずっとない。昔から。
村田 真輝志めっちゃ人気出そうやのにな。シュッとしてるし。スーツ姿もカッコよかったよ。
真輝志 細長い芸人史上一番人気ない。細長い芸人って、それだけで人気出るやん普通。
村田 なんでなんやろ。あ、でも俺は真輝志に1個だけある。「色気」。
真輝志 絶対言うと思った(笑)。電話するたびに「彼女できた?」って聞いてくるんですよ。
村田 みんな真輝志はどこにも行かんもんやと思ってるからこそ追わんねん。女の影を見せて、「真輝志が誰かのものになっちゃうかも!」っていうのを醸し出したら?
真輝志 色気なんて出そうと思って出せるもんでもないからなあ。
村田 胸毛生やすとか、毛の処理を怠るとか。
真輝志 それは、今のお客さんがおらんくなるだけやない?(笑)
村田 今の真輝志を好きなお客さんが「汚な!」ってなって去るだけか(笑)。真輝志はほんまに女性よりもコント。女性よりもノートやから。今、横に裸の女の子がいても真輝志はノート開いてネタ書くやろ。
真輝志 それはさすがに見るって。
村田 いや! 見て、そこから受けたインスピレーションでネタ書くやろ! ネタを生むために見ると思う、真輝志は。
真輝志 コントの題材として?(笑)
村田 そう! 俺はちゃんと「エッロー」で見るもん。YouTubeもネタしか載せてないもんな?
真輝志 そうやね。チャンネル名「真輝志」やし。
村田 あははははは!(笑)
真輝志 「真輝志チャンネル」とか「真輝志の○○」とかじゃなくて、「真輝志」ってチャンネル名。
村田 こわ!(笑) 真輝志の素の部分が見えたらいいんじゃない? お客さんからしたら、真輝志はコントの中の住人やねん。ネタの世界から飛び出してきた人みたいな。
真輝志 実写版真輝志?(笑)
村田 そうそう。真輝志が描いたネタの実写版がお前や。またネタに戻んねやろ? ライブが終ったら。ノート開いて(ノートの中に入っていく)。
真輝志 頭から行くんや(笑)。
村田 で、入った瞬間に文字になんねん。台本やから。
真輝志 文字なんや! 2Dの絵とかでもない(笑)。
村田 お客さんはそう思ってると思うで。
真輝志 そうかもな。単独も、100人来てくれても出待ちが5、6人やったりするし。(ロビーまで)俺が出てくるわけないって思われてる。
村田 台本に戻るからな(笑)。
高校お笑いムーブメントを
村田 一緒にライブやりたいな。
真輝志 ほんまに。やろう。
村田 大学お笑いが熱いやん。それこそ令和ロマンも大学お笑いから「M-1チャンピオン」になって。俺らも高校お笑いの残党で盛り上げていこうや。
──ちなみに、お二人は「ハイスクールマンザイ」が初舞台ですか?
村田 僕は、高校1年生の3学期に「ハイスクールマンザイ」とは別の団体がやっている高校生の大会を見つけて出たのが最初です。
真輝志 僕も、「ハイスクールマンザイ」の前にインディーズの舞台に1回だけ出ました。めっちゃ緊張して声は小さいし、倍速でしゃべってしまうし、打ちのめされて一度部活に集中しようってなったんですけど、3年で部活を引退してから芸人になりたいなと思って、「ハイスクールマンザイ」に挑戦したんですよ。
──文化祭とかでもなく、外のライブが初舞台って珍しいですね。
村田 そうかもしれないですね。当時、モバゲーとかがあって、今のSNSみたいな文化ができ始めた頃やったんですよ。それで外のライブの存在を知りました。
真輝志 俺は一緒に出たことないけど、霜降り明星さんからの代からそういうのができ始めたよな。
村田 そうや。高校1年生の3学期に出たライブは、霜降りさんがそれぞれピンで出てたわ。
──高校お笑い出身芸人、集められそうですか?
真輝志 カンフーカンフーのチェンは僕が出ていた年の「ハイスクールマンザイ」準優勝コンビの片方で、
村田 そうやね。徳原は同じ高校なんですよ。1個下の学年で、文化祭でネタやってました。体育科でスポーツもできるし、人気者でしたね。
真輝志 僕は「R-1」の準決勝で4年くらいずっと一緒になっていて、今年は決勝が終わった後にもLINEくれました。村ちゃんは「ほんまによかった! 刺激もらったわ!」っていう熱量高いメッセージをくれるんですけど、とっくんは「お疲れさまでした。途中からトップバッターだなんてことをすっかり忘れてしまいました」って。ということはよかったんや、って想像の余地のあるメッセージを送ってくれるんです。
村田 決勝終わって疲れてるんやからそんなん送ってくんなや! 回りくどいところがとっくんやな(笑)。
真輝志 言うてる間に決勝来るよな。1人コントやから、もろライバル。決勝で戦えたらうれしいですね。
プロフィール
真輝志(マキシ)
1994年5月8日生まれ、大阪府出身。高校の同級生とコンビ・チーズロマンスを結成し、「ハイスクールマンザイ2012」で優勝。2013年にNSC大阪校に36期生として入学し、2014年にプロデビューした。「アレグレット」「きんめ鯛」といったコンビでの活動を経て、2022年1月にピン芸人としての活動をスタート。2024年2月に「R-1グランプリ」で決勝進出を果たした。
真輝志単独ライブ「赤ららら」
日時:2024年7月23日(火)19:15開場 19:30開演
会場:大阪・よしもと漫才劇場
料金:前売2000円 / 配信1500円
FANYチケット、FANY Online Ticketにて販売中。
村田大樹(ムラタダイキ)
1994年10月5日生まれ、岡山県出身。前コンビ・赤もみじを解散後、ピン芸人として活動したのち元衝撃デリバリーのかつやまと2023年にユニット「とんかつ街道」を結成。「M-1グランプリ2023」に出場し、予選1回戦初日を1位で通過した。2024年3月にコンビ名を「ド桜」と改め、正式なコンビとして活動開始。同時に吉本興業所属となった。
ド桜 初単独ライブ「デカい家住むぞ」
日時:2024年7月27日(土)19:45開場 20:00開演 21:00終演
会場:東京・神保町よしもと漫才劇場
料金:配信1500円
FANY Online Ticketにて配信チケット販売中。
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ド桜 村田大樹 @syukan_murata
ハイスクールマンザイ2012の残党同士で取材受けました💪 https://t.co/4AQl5HR6fx