初めてのことに緊張や戸惑いはつきもの。期待に胸を膨らませて臨んだのに、想定外のハプニングに見舞われて大失態を犯してしまうなんてこともある。そんな初々しい経験の中から「初単独ライブ」の記憶を芸人たちに綴ってもらうのがこの「芸人が綴る初単独メモリーズ」。第7回となる今回は川崎が住む家を失ったことでもなにかと話題の
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手作り初単独ライブ
どうも、家なしブサイクことモダンタイムスのブサイクの方、としみつです。この度、お笑いナタリーさんから、「第1回の単独ライブの思い出を語る」という有り難いお話を戴き、私が書く事とあいなりました。
第壱回モダンタイムス単独公演は、2008年10月1日「バカにしてんだろ」。びーちぶで開催されました。30歳になる前とかだったと思います。僕らの世代は単独と云えばラーメンズさんが作った単独が印象的で、「そうそう簡単に単独はやるべきではない」みたいな空気が当時は有りました。でも、芸人としての節目の年齢、事務所的に何かやらんといかん的な空気感の中、開催されたのを覚えています。
当時、びーちぶには、初代管理人としてハリウッドザコシショウ氏が住んでおり、「お前らの芸風をタイトルにした」と我々の初単独のタイトル「バカにしてんだろ」をなんとシショウに考えて戴き、フライヤーもシショウにデザインしてもらうという贅沢極まりない単独でした。びーちぶ単独は完全に手作りでもあるので(舞台監督も自分)、前日の夜中、稽古終わり、びーちぶで会場作りをしていると、シショウが普通に手伝って下さいまして、「吉本の芸人はこういう事やった事ないからな」と椅子を出して会場を作って下さいました。椅子を出しながら泣きそうになったのを覚えています。
当時から、本当に芸人仲間には恵まれていて、友達のアルコ&ピースの平子氏が告知してくれたり、友達の
あと、個人的に幕間の映像コントを気合い入れて作る芸人が大好きで、この単独でやり過ぎて30分間くらい映像コントを見せてました。本当は幕間にクラシック音楽をかけてYシャツに着替えたいんですが、どうも似合わなくて、バカみたいなコントを延々と流してました。
でもこの単独で一番驚いたのは、相方の川崎誠(家なし)が、インディーズ時代にお笑い評論家・松みのる氏から戴いた「松みのる賞」の賞状をグッズとして勝手に売っていた事です。本当に恐ろしいと思いました。
それから、2020年になり、まさか単独ができない状態になるとは思ってもいませんでした。なんとか今は、どの芸人さんも模索しながらお笑いを届けています。我々、モダンタイムスもYouTubeやGERAラジオ等の配信でネタやトークをお届けしております。
いつかまた必ず、皆様の前で単独ライブが開催できる日を願いながら頑張りますので、どうかお笑いを変わらず愛して下さいませ。ではまたお逢い致しましょう、さやうなら。
としみつ
1978年10月29日生まれ、青森県出身。本名は佐々木登嗣光。2001年4月に小学校からの同級生である川崎誠とモダンタイムスを結成し、ネタ作りを担当する。相方の川崎は今年、同棲していた彼女に追い出され住む家を失った。2004年から主催する企画ライブ「としかわトーク」は会場のびーちぶが閉館中の現在、YouTubeで展開している。ラジオアプリGERAにて「モダンタイムスの家なしブサイクラジオ」を毎週月曜20時に配信。SMA NEET Project所属。
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どくろネコ @the_skullcat
モダンタイムスとしみつ「シショウが一緒に椅子並べてくれた手作りの初単独」 | 芸人が綴る初単独メモリーズ Vol.7 https://t.co/nhaqxAlyhA ラジオ好きとしては感動(´・ω・`)