「ZIMA MUSIC FIGHTERS meets ライブナタリー」特集 King Gnu×フレンズ対談|札幌で繰り広げる“異種格闘技戦”

ライブナタリーとZIMAによるライブイベント「ZIMA MUSIC FIGHTERS meets ライブナタリー」が、9月から10月にかけて全国5都市で行われる。

イベントは全公演対バン形式で行われ、King Gnu、フレンズ、マカロニえんぴつ、LUCKY TAPES、パノラマパナマタウン、向井太一、SHE IS SUMMER、Czecho No Republic、向井太一、佐藤千亜妃(きのこ帝国)が各地でライブを繰り広げる。本イベントの開催にあわせて、音楽ナタリーでは全公演の出演者同士による対談連載企画を展開。第4回となる今回は、9月16日に北海道・DUCE SAPPOROで対バンするKing Gnuの井口理(Vo, Key)と新井和輝(B)、フレンズのおかもとえみ(Vo)とSEKIGUCHI LOUIE(Dr)による対談をセッティングし、4人にお互いの共通点やツーマンライブの見どころなどを語り合ってもらった。

※取材は8月中旬に実施されました。

取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 西槇太一

待望のツーマンかもしれない

井口理(King Gnu) SEKIGUCHIさんは長野出身なんですよね? 俺も長野出身なんです。伊那市っていうところ。

SEKIGUCHI LOUIE(フレンズ) マジっすか!? 僕は長野市のほうです。伊那には親戚のおばちゃんが住んでます(笑)。

──これまでお互いに面識はあったんですか?

井口 まったくないです。

おかもとえみ(フレンズ) 初めましてですね。フェスで同じ日に出演したことはありましたけど、お話ししたことはなかったです。

新井和輝(King Gnu) 噂はかねがね聞いてました。

おかもと こちらもです。

左から新井和輝(King Gnu)、井口理(King Gnu)、おかもとえみ(フレンズ)、SEKIGUCHI LOUIE(フレンズ)。

──それぞれどんなイメージを持っていました?

おかもと ナウくてイケてる人たちがカッコいい音楽をやってるなって。キラキラしたジャングルを見ているようなイメージでした。

井口 俺たちからしたらフレンズのほうがキラキラしてて、眩しすぎます。

おかもと うれしいな。キラキラ同士ですね(笑)。

SEKIGUCHI いろんなアプローチをしている中でKing Gnuの曲には歌謡曲っぽい懐かしさがあって、聴いていてカッコいいなと思います。

井口 俺はフレンズさんの「夜明けのメモリー」や「雨のフライデー」みたいな雰囲気の曲が好きで。キラキラしてすぎてて逆に聴けないくらいです。

おかもと LOUIEくんも前に同じこと言ってた(笑)。

SEKIGUCHI 長野出身だからそう思うのかな?

井口 谷が深い湿気のあるところで育ったから(笑)。

──King Gnuはブラックミュージックを下地にしたミクスチャーロック、一方のフレンズはまっすぐなシティポップを鳴らしていて、2組の音楽性はかなり違いますよね。

おかもと 確かに。今までになかったツーマンになりますね。でも「この2組が一緒にライブをやってくれるのはうれしい」「北海道だけでなく、全国各地でツーマンをやってほしい」という声をたくさん聞いていて、フレンズとKing Gnuのどちらも好きな人はけっこういるんだなと思いました。待望のツーマンなのかもしれないですね。みんなが楽しみにしてくれているように感じます。

井口 異文化交流って感じですよね。

SEKIGUCHI もしくは異種格闘技戦みたいな。

新井 意外な組み合わせのツーマンが実現するのはうれしいですね。お客さんの中には2組共好きな人もいれば、片方を初めて観る人もいるだろうし、いい日になりそうな予感がします。

左から新井和輝(King Gnu)、井口理(King Gnu)、おかもとえみ(フレンズ)、SEKIGUCHI LOUIE(フレンズ)。

ポップスってなんだろう

──音楽性が異なる2組ですが、逆に共通するものはなんだと思いますか?

井口 SEKIGUCHIさんと話している感じだと、メンバーが暗いところですかね(笑)。

SEKIGUCHI 暗いのは俺だけですよ(笑)。ほかのメンバーはめちゃくちゃ明るい。

おかもと でも私、聴く音楽も読むマンガもめちゃくちゃ暗いです。

井口 それでフレンズっていう名前のバンドをやってるのって、なんか怖いっすね(笑)。

おかもと サイコかもしれない(笑)。サイコバンドです。

SEKIGUCHI いや、超ポップバンドです! King Gnuもフレンズもお互いにポップというものを意識してるんじゃないですかね。

新井 それはありますね。俺たちもポップスをやってるという意識があります。ロックでありつつも、ポップであるっていう。

井口 俺らはポップスの定義をかなり広めに解釈してるけどね。

SEKIGUCHI 僕らはJ-POPのどセンターに行こうとしていて。主観ですけどKing Gnuさんはいろんな音楽のバックグラウンドにポップミュージックを取り入れて、もう1段上のステップに登っているように感じます。

新井 アプローチや角度は違うけど、掲げているものは一緒ですよね。

井口 観ている人が「ポップスってなんだろう」って考えるようなツーマンライブになったらいいですね。

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バンド名の由来は