ナタリー PowerPush - 吉木りさ

このポテンシャルを知らしめたい ヒャダインが語る「歌手・吉木りさ」

グラビアアイドルやタレントとして幅広いフィールドで活躍を続ける吉木りさは、幼少の頃から民謡をたしなみ、2008年にCDデビューを果たした歌手でもある。その歌声をバリエーション豊かな12曲で楽しめるのが、吉木にとって初のオリジナルアルバム「ペントミノ」。ペントミノとは12種類のピースを組み合わせて1つの正長方形を作るパズルの名前で、吉木自身がこのタイトルの名付け親となった。

ナタリー3度目の登場となる今回のインタビューには、吉木に加えてヒャダインが参加。ヒャダインは吉木の楽曲で立て続けにプロデュースを務めた、吉木にとってよき理解者の1人だ。ヒャダインの言葉を通して「歌手・吉木りさ」の魅力が多くのリスナーに届くことを願う。

取材・文 / 成田邦洋 撮影 / 上山陽介

 
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ボーカルとしてすごいポテンシャルを持ってる

──ヒャダインさんが吉木さんの楽曲を最初にプロデュースしたのは2012年8月リリースの「ボカロがライバル☆」でした。

左から吉木りさ、ヒャダイン。

吉木りさ キャッチーな楽曲を作っていただいて、聴いた瞬間「キター! がんばるぞー!」って思いました。打ち合わせのときはうつむきがちだったのに、レコーディングのブースに入った瞬間、いきなり豹変するのに驚きましたね。

ヒャダイン 自然にテンション高くなっちゃうんですよ。「いいね、かわいい! 胸キュン胸キュン! よっ、萌える!」ってつい声が出ちゃう(笑)。非常に情熱的なレコーディングでした。

吉木 またポンポンとアイデアを出される方なので、それについていくのがとても面白かったです。間奏のこぶしの部分もその場で考えたものですし、丁寧に指導していただきました。

──そういったアイデアが出てくるのも、吉木さんの素質があってこそ、では?

ヒャダイン 確かにそうですね。もともとグラビアアイドルというイメージが強かったんですけど、初めて吉木さんの歌を聴いたとき「こんなに歌えるんだ!」ってビックリしちゃって。「グラビアアイドルが酔狂で歌を出してるんじゃないな」と。

吉木りさ

吉木 いやいや……ありがたいです。

ヒャダイン だから、吉木さんがボーカルとしてすごいポテンシャルを持ってるんだぞ、多面的にアプローチできるんだぞ、と最初に知らしめるために作ったのが「ボカロがライバル☆」なんです。仮歌で渡したものはすぐに歌えてしまったので、セリフやコーラスを入れたり、歌い方を変えたり、いろんなものをプラスアルファで“増し増し”にしましたね。

──「ボカロがライバル☆」に続くシングル「世界は教室だけじゃない」もヒャダインさんの作詞作曲で、こちらはリリースの際に吉木さんに話を伺いました(参照:吉木りさ「世界は教室だけじゃない」インタビュー)。この曲は「今になってもチクチクする 過去(あのひ)のトゲ」の部分が、かなりのハイトーンにも関わらず地声なので驚きます。

ヒャダイン ここ、もともとは裏声の予定だったんですけど「地声でいってみっか!」ってことになって。吉木さんに「声、出ますかー?」って聞いてみたら……。

吉木 「え、嘘でしょー?」みたいな(笑)。

ヒャダイン で、やってみて「わー、出たー!」って。「じゃ、ライブがんばってねー」って(笑)。

吉木 ライブは本当に大変です(笑)。でもメッセージがより強くガツンと伝わるようになったので、最終的には地声でよかったなって思います。

クリスタルキングを超えた

──さらに吉木りさ×ヒャダイン名義で発表された「シフトと時給と、ついでに愛をとりもどせ!!」は、テレビアニメ「DD北斗の拳」の主題歌。こちらも吉木さんの歌声が常軌を逸したテンションです。

ヒャダイン

吉木 この曲はもうヒャダインさんワールド全開で、クリスタルキングもビックリ、みたいな(笑)。

ヒャダイン メッセージ性ゼロですけどね(笑)。

──「アタタタタタタタ アタタタ あたためますか?」のパートが衝撃的です。

吉木 人生でこんなに「アタタタタタタタ」って言ったことがなかったので「私、何言ってるの?」って照れました(笑)。

ヒャダイン どうやら世代的に「アタタタタタタタ」言ってないんで免疫ができてないらしいです。

吉木 で、また照れちゃうとヒャダインさんが怒るんですよ。「ここで真剣にやらないとダメだ!」って。

ヒャダイン 真剣に「アタタタタタタタ、アター!」ってやんなきゃダメですよ、って。もともとド名曲なので、やるからには徹底的にふざけなきゃいけないんです。キーも普通の女性ボーカルよりひたすら高く設定していて。クリスタルキングよりかなり上げました。

──ちなみにヒャダインさんもボーカルで参加されていますが……。

ヒャダイン あ、僕の歌はなるべくボリュームを下げてもらいました(笑)。やっぱり主役は吉木さんなので。アニメを見てた人は「吉木りさ、こんな声出るのか!」ってビックリしたみたいです。僕が今まで携わった中でも、サビが一番パワフルな曲になりましたね。

ニューアルバム「ペントミノ」 / 2014年3月5日発売 / 日本コロムビア
初回限定盤 [CD+DVD] 3800円 / COZP-850~1
通常盤 [CD] 3150円 / COCP-38441
CD収録曲
  1. ボカロがライバル☆
    [作詞・作曲・編曲:前山田健一]
  2. PERMANENT SUMMER
    [作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:宮崎誠]
  3. シフトと時給と、ついでに愛をとりもどせ!!(吉木りさ&ヒャダイン)
    [作詞:中村公晴 / 作曲:山下三智夫 / 補作詞・編曲:前山田健一]
  4. カラフルな世界
    [作詞:SUIMI / 作曲・編曲:板垣祐介]
  5. Dual
    [作詞:大森祥子 / 作曲・編曲:宮崎誠]
  6. 色文
    [作詞・作曲:渡辺翔 / 編曲:増田武史]
  7. 月は瞬いている
    [作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:宮崎誠]
  8. どれどれスパイス
    [作詞・作曲:奥村愛子 / 編曲:Pan Pacific Fiction]
  9. わたし、もっと
    [作詞・作曲・編曲:佐伯youthK / 弦編曲:矢野小百合]
  10. ボクは風になる
    [作詞・作曲・編曲:宮崎誠]
  11. ラブリィ♥ラブリィ♥ラブリィ
    [作詞:大森祥子 / 作曲・編曲:橋本由香利]
  12. 世界は教室だけじゃない
    [作詞・作曲:前山田健一 / 編曲:板垣祐介]
初回限定盤DVD収録内容
  • わたし、もっと Music Video
  • PERMANENT SUMMER Music Video
  • わたし、もっと Music Video Making
吉木りさ(よしきりさ)
吉木りさ

1987年千葉県生まれ。小学4年から高校3年まで日本民謡を習う。2009年よりフジテレビ系深夜番組「キャンパスナイトフジ」にレギュラー出演して注目を集める。以降、雑誌のグラビアやバラエティ番組、ドラマ、舞台などの分野でマルチに活躍。2011年3月に「yoshiki*lisa」名義でテレビ東京系アニメ「GOSICK-ゴシック-」のオープニングテーマ「Destin Histoire」をリリースし、2012年3月にはカバーを中心とした1stアルバム「Poche」を発表する。ヒャダインがプロデュースしたシングルは「ボカロがライバル☆」「世界は教室だけじゃない」。吉木りさ×ヒャダイン名義の替え歌カバー曲「シフトと時給と、ついでに愛をとりもどせ!!」も話題を呼んだ。この3曲が収録された初のオリジナルアルバム「ペントミノ」を2014年3月5日に発売。

ヒャダイン
ヒャダイン

1980年7月4日生まれの音楽クリエイター。3歳でピアノを始め、作詞・作曲・編曲を独学で身につける。京都大学を卒業後、2007年に本格的な音楽活動を開始。前山田健一として、倖田來未×misono「It's all Love!」、東方神起「Share The World」などのヒット曲を手がける一方、ニコニコ動画などの動画投稿サイトに匿名の「ヒャダイン」名義で作品を発表し大きな話題を集めた。2010年5月には自身のブログにてヒャダイン=前山田健一であることを告白。その後もヒット曲を量産し、2011年4月にシングル「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」でヒャダインとしてメジャーデビューを果たした。2012年11月には初のソロアルバム「20112012」を、2013年1月には6枚目となるソロシングル「23時40分 feat. Base Ball Bear」を発表。2014年2月にテレビアニメ「ガンダムビルドファイターズ」のエンディングテーマ「半パン魂」をシングルとしてリリースした。