ちゃんと練習して、皮を厚くしておいてください

──今回開催される「ニドナツバンド選手権2017」には、全国各地の高校生バンドが参加します。お二人もこれまで多くのコンテストやオーディションを経験されていると思うのですが、応募を迷っている高校生がいたらどんなメッセージを伝えたいですか。

吉田　私が住んでいた佐賀県の唐津は田舎なので、周囲にライブハウスも少なくて。だから自分たちの演奏を見てもらえる機会ってそう多くなかったんですよ。同じような環境の子もきっと多いと思うんです。コンテストにチャレンジするのは思い出になるだろうし、自信にもなるし、何か別のことにつながるかもしれない。何より、絶対楽しいと思う！ だからぜひ応募してほしいですね。

──課題曲「遠距離恋愛爆撃ミサイル」をコピーするうえでのアドバイスはありますか？

吉田　とにかく勢いのある曲なので、ガシガシいってもらいたいですね。キーボードのいるバンドには、ぜひたんこぶちんバージョンに挑戦してほしいな。オルガンの音が象徴的に入っているので、ここぞとばかりに目立ってください（笑）。

村上　この曲はギターも、指が痛くなります。サボらないでちゃんと練習して、指の皮を厚くしておいてください（笑）。

──ボーカルは息継ぎが大変そうだなと思ったのですが……。

吉田　めっちゃきついですよ！ もう、マラソンですもん（笑）。あ、あとはサビの「Kaboom!」のかけ声はぜひみんなでやってほしいです。

パフォーマンスも意識してもらえたら

──8月24日に東京の渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行われる最終審査には、映画の出演者の皆さんも参加されるんですよね。

吉田　ワクワクしてます。応募する皆さんは緊張されると思うのですが、ぜひ楽しんでほしいです。その姿勢が審査する側にも伝わると思うので。だからステージでのパフォーマンスも意識してもらえたらいいですね。たんこぶちんでいうと、ギターのYURIはステージでめちゃくちゃ動くんですよ。よく男の子に間違えられるくらい（笑）。

村上　エネルギッシュでカッコいいからね。

吉田　そうなんです（笑）。だから女の子でも「何あの子!?」って言われるくらいに動いてみたり、頭を振り乱してみたり。この曲はそういうことができる曲だと思うので、見せ方についても考えてみてほしいですね。

村上　僕もときどきギターで好きなアーティストの曲をコピーしたりするのですが、A型だからつい原曲のままやりたくなっちゃうんです。もちろん、何事も最初は模倣から始まると思うんですけど、そこからは好きにやってもらいたいですね。僕も舞台なんかでセリフを間違えるとすごく焦りますが、意外とお客さんにとって問題はそこじゃないのかなと。だから失敗も気にせず、好きなように楽しんでもらえたらと思います。

それぞれが考えるバンドの魅力

──最後に、お二人が考えるバンドの魅力について教えてください。

吉田　バンドって楽しいんです、本当に。でもそれだけじゃなくて、バンドが好きだからこそ悩みもたくさん増えるし。ときにはメンバーとぶつかることもあるけど、その中で自分が成長できるというか、磨かれるなって。それはきっとバンドだけじゃなくて、好きなことに打ち込んでいる人には共通する部分なのかなと思います。

村上　僕みたいな仕事をしていても会社勤めをしてる人でも、何年か一緒に過ごす同僚だったり恋人だったり、あるいは結婚して一生一緒にいる相手がいると思うんですけど。バンドにはそういう相手が複数人いる。もちろん途中でケンカ別れするバンドもいますが、それが結果的に伝説になる場合もあって。運命だと信じるかどうかはその人の自由ですが、まずそんな“一生モノ”の相手と出会えること自体、なかなかないことだと思います。

──このコンテストへの応募をきっかけにバンドを結成してみるのもいいかもしれないですね。

吉田　それいいですね！ ぜひ、燐ちゃん並みの猛突進で仲間を集めてほしいです（笑）。

村上　全国にいろんな燐が生まれたら面白いね。

衣装協力（村上虹郎）：UNDERCOVER
シャツ ¥40,000 （UNDERCOVER 03-5778-4805） ※価格は税抜き