WOWOW「FUJI & SUN '20 LIVE」特集|WOWOW「FUJI & SUN '20 LIVE」特集|矢野顕子×上妻宏光(やのとあがつま)、田島貴男(ORIGINAL LOVE)×never young beachが語るコロナ時代のライブの在り方

「FUJI & SUN '20 LIVE」レポート

コロナ禍により野外開催の中止を余儀なくされたキャンプインフェス「FUJI & SUN」の特別企画となるライブ番組「FUJI & SUN '20 LIVE」の収録は、2020年12月17日に東京・伝承ホールにて実施された。出演は矢野顕子、上妻宏光、やのとあがつま、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、never young beach。会場には抽選で選ばれた5組10名のファンが招待され、世代やジャンルを超えた一夜限りのプレミアムライブを楽しんだ。

この日のトップバッターであるnever young beachは、サポートメンバーに田中ヤコブ(G / 家主)を迎えてステージに登場。バラードナンバー「いつも雨」でライブをスタートさせると、そのままミディアムチューン「やさしいままで」をプレイしてしっとりとした空間を生み出した。そして安部勇磨(Vo, G)のMCを挟んだのち、「STORY」「あまり行かない喫茶店で」などリズミカルなナンバーを畳みかけて観客の体を揺らした。

2番手の田島はリゾネーターギターを抱えてステージに現れると、1曲目に「フィエスタ」をセレクト。ギターのボディを叩いてリズムを作り出し、伸びやかな歌声を会場に響かせて観客を圧倒した。終盤にはファンキーでダンサブルな「bless you!」「フリーライド」を続けてプレイ。声を上げることができない観客にハンドクラップを促し、一体感のあるライブを作り上げてステージをあとにした。

この日のトリを飾るのは、矢野と上妻によるユニット・やのとあがつま。まず先にステージに現れた矢野は、名曲「クリームシチュー」「ひとつだけ」をグランドピアノの弾き語りで披露した。続く上妻は津軽三味線を抱えて登場すると、巧みなテクニックで「津軽じょんがら節」を演奏して独特の世界観を表現。

それぞれのソロパートが終わると、シンセサイザーの深澤秀行を加えた3人体制となり、いよいよやのとあがつまのステージへ。やのとあがつまは、歌詞の一部を矢野がオリジナルの英語詞にアレンジした熊本県民謡「おてもやん」や、ユニットのオリジナル曲「いけるかも」など、民謡とポップスを融合させた楽曲を繰り出して観客を魅了した。演奏を終えた3人は、会場に集った10名の観客に深々とお辞儀をして本公演を締めくくった。