権田修一×ソニー完全ワイヤレスイヤホン WF-1000XM5|「アスリートにとって最高の武器になる」

緊張は、紛らわしてはダメ

──この「WF-1000XM5」をどんな方にオススメしたいかも伺いたいのですが、やはりまずはアスリートの方ですかね?

アスリートには間違いなくいいと思います。もちろんひと口にアスリートといってもいろんなタイプがいるわけですけど、やはりプレッシャーが大きければ大きいほど集中力が必要になってくるので。「世界最高」と謳われているノイズキャンセル機能が、アスリートにとって最高の武器になってくれると思います。

──権田さんが言うと説得力がありますね。

緊張って、紛らわしちゃダメなんですよ。よく緊張を紛らわすためにやたら口数が増える人とかもいますけど、それは緊張していることを忘れようとしているだけで、なんの解決にもならないんです。緊張はごまかすんじゃなくて、ちゃんと受け入れたうえで自分でそれに打ち勝たないといけない。そうしないと、その先にいい成果は生まれてこないですから。

──その考え方は、アスリートに限らず参考になりそうですね。

例えば大事なプレゼンを控えたビジネスマンの方であっても、入試を控えた受験生の方であっても同じことだと思いますね。緊張しているときに音楽を聴いてもその音楽自体はなかなか入ってこないかもしれないけど、大事なのは周りの雑音から意識を切り離して、目を閉じて自分の世界に入ること。それが一番、自分と向き合える時間になるんですよね。そういう時間を作りたい、すべての人にオススメできるイヤホンだと思います。このノイズキャンセル機能は本当に周囲の音を遮断しくれて、自分の世界に没頭できるので。

権田修一

──権田さんが集中するときによく聴く曲としては、事前アンケートで大事MANブラザーズバンド「それが大事」、ゆず「栄光の架橋」、MONGOL800×WANIMA「愛彌々」の3曲を挙げていただきました。それぞれどんな思いで選ばれたのかを教えてください。

まず「それが大事」は、中学生のときにコーチがカラオケで歌ってたのを聴いて知った曲で。最初は「なんか知らない古い曲を歌ってるな」くらいに思ってたんですけど(笑)、画面に出てくる歌詞を見てたら「負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事」と出てきて……それがなんか、ゴールキーパーにとっては響く言葉だったと言いますか。ゴールキーパーって自分のミスが失点に直結するポジションなので、プレッシャーがすごくかかるんですよ。正直、逃げ出したいときがたくさんあるんです(笑)。だから「逃げ出さないことが大事」と繰り返されるこの歌は、それ以来大きな舞台になればなるほど聴きたくなる曲になりましたね。

──なるほど。

ゆずの「栄光の架橋」に関しては皆さんご存じの通りアテネオリンピックのときの歌で、アスリートの生き様が歌われている曲ですよね。つい先日も「オールスター合唱バトル」という番組で名だたるアスリートの方々がこの曲を合唱しているのを観たんですけど、僕泣いちゃって。テレビを観て泣くことなんて普段ないんですけど……やっぱりアスリートにしかわからない部分がたくさん詰まっている歌だし、すごく勇気をもらえるんですよね。この2曲は、僕のプレイリストにはいつも必ず入れている定番曲です。

──やはり、言葉がスッと入ってくる楽曲に力をもらえる?

ですね。と言いつつ、状況にもよるんですけど(笑)。最近は、特にウォーミングアップに行く直前とかはあまり頭で考えることなく気分を上げたいときがあるので、そういう場合は「愛彌々」のようなノリのいい曲調のものを聴いています。アップテンポで本当に元気が出る曲なので、これを聴けば即「よし行こうか!」って気持ちになれるんですよね。

──噂では、ワールドカップのとき、サッカー日本代表チームでは堂安律選手や久保建英選手が移動中のバスで音楽をかける担当をされていて、そこで知ったアーティストもいたとか。

彼らがけっこう最近の曲を流してくれるんで、その中にいいなと思う曲があったら教えてもらって、自分でもダウンロードしたりしてますね。例えばMrs. GREEN APPLEの「点描の唄」は、ワールドカップ予選のときにトレーニング施設で建英が流してた曲で。

──そういう交流があるのはとてもいいですね。

やっぱり、試合に勝ったあとの帰りのバスとかではみんなで盛り上がりたいじゃないですか。今回のワールドカップでいえば、グループリーグ突破を決めたスペイン戦のあとなんて特にそうで。となったときに、選手間の年齢差がけっこうあるから選曲が意外と難しいんですよね。久保選手の流した曲に僕らが「いや、それは違う。それじゃ盛り上がれない」とか言ったりしながら(笑)、若い選手たちがなんとかみんなで盛り上がれる曲を選んでくれるっていう。ケツメイシの「涙」とかを流してたかなあ。あの時間は本当に楽しかったです。

──そういうお話を聞くと、世代を超えて楽しめる楽曲の力を改めて感じますね。

間違いないですね。そうやってみんなで盛り上がれるのも音楽のよさだし、逆にノイズキャンセルを使って1人の世界に入り込めるのも音楽のよさだし。サッカー選手は……というかスポーツ選手は、たぶんみんな同じように感じてるんじゃないかなと思います。

権田修一
権田修一
「WF-1000XM5」

権田修一にとってプロとは

──では最後に、今回の特集テーマである「プロに選ばれたイヤホン」にちなんで、「権田さんにとってプロとは?」というお話を伺えたら。

うーん……自分の与えられた環境でベストを尽くせるのがプロかな、と思います。

──というと?

僕、環境に対して文句を言うのが一番よくないことだと思っていて。例えばですけど、サッカーのスタジアムって場所によって芝の状態もロッカールームの環境もさまざまなんですね。それを「いや、俺キレイなグラウンドじゃないとプレーできないんで」とか「こんなボコボコの芝生じゃできないです」とか言ったりするのはプロじゃないなって思うんですよ。「雨だとちょっと……」とか。

──なるほど、すごくよくわかるお話です。

究極は、1人でポーンと放り出されたときに力を発揮できるのがプロなのかなと思います。そういう意味では、芸人さんってプロだなと思うことがよくあって。

──芸人さん?

芸人さんって、やるんですよ。どんな状況でも。こういう言い方が適切かはわからないですけど、例えば熱くもないお湯を「熱い熱い!」ってやりますよね(笑)。プロじゃないですか、そんなの。「ちゃんと熱湯にしてくれないとリアクションできないよ」なんて、誰も言わない。

──確かに……!

まあ、本当に熱いのかもしれないですけど(笑)。僕の所属する清水エスパルスは去年J2リーグに降格してしまって、今年はトップカテゴリではないんですね。それによって、例えばJ1のクラブだったら新幹線移動のときはグリーン車に乗れるんですけど、J2だと指定席になるとか、いろいろ違いがあるんですよ。

──へえ、そういうのがあるんですね。

そうなったときに「指定席での移動じゃいいパフォーマンスができないよ」なんて言ったら、そこまでなんです。それを言い訳にしている選手って、やっぱりどこかいろんな部分で甘さがあるなって思うんで。

権田修一

──なるほど……そんな権田さんが今までに出会ってきた方の中で、「この人は本当にプロだな」と思った方を1人挙げるとしたら?

川島さんですね。

──即答! 元日本代表の正ゴールキーパー、川島永嗣さんですね。

永嗣さんはすごいです。あんな人、ほかに見たことない。例えば代表の試合なんて、時差が厳しかったりピッチ状況が国によって全然違ったり、いくらでも言い訳できる材料があるんですよ。前日にヨーロッパから帰ってきてすぐ試合とかだと、試合時間がちょうどめちゃくちゃ眠いとか。

──ああ(笑)。

でも、代表に選ばれている以上はそこで最高のパフォーマンスを出さないといけない。それがワールドカップ出場を懸けたアジア最終予選だったりもするので。そういう状況でも、まあ代表クラスの選手になると誰も文句言わずにやるんですけど、永嗣さんは特にそうですね。状況に対して文句言ってるところなんて一度も見たことなくて。

──そういうプロ意識に関して、ご本人と直接話したことはあったりするんですか?

永嗣さんは口で言うよりも態度で示してくれるんですよね。衝撃的だったのは、一度ワールドカップ予選の試合がミャンマーであったんですけど、練習場の芝生が今座っているこのソファぐらいあって。長さが。言ってる意味、わかります?

──ピッチというより草原のような状態ということですね?

さすがに「マジか」と思いましたよ(笑)。しかも、その下の地面がもう沼みたいになってるんです。そこでキーパー練習が始まったんですけど、永嗣さんはいきなりバーっと横っ飛びとか普通にやり始めて。「この人、やっぱすげえ」と思いましたね。

──超プロですね……!

それで、終わってから「永嗣さん、なんとも思わないんですか?」って聞いたら、「だってしょうがないじゃん」って。「試合もこれでやらなきゃいけないかもしれないじゃん。だったらこれで練習しといたほうがいいでしょ」って涼しい顔で言うわけですよ。そのときに「ああ、俺まだまだだな」って思いましたね。

権田修一
「WF-1000XM5」

ソニー「WF-1000XM5」

世界最高のノイズキャンセリング(※1)を搭載した完全ワイヤレスイヤホン。LDACコーデックに対応しており、ハイレゾ音質(※2)も高音質に再生できるだけでなく、あらゆる圧縮音源がイヤホン側でハイレゾ級(※3)にアップスケーリングされる。ソニー史上最高クラスの通話品質(※4)を誇り、音や人の声が気になる環境下でも正確かつクリアに集音するため快適な通話が可能。装着性と機能性を兼ね備えつつ、極限まで小型化したボディも特徴で、マルチポイント接続にも対応しているので仕事の現場でもプライベートでも活躍できる。

※1 左右独立型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2023年4月10日時点。ソニー調べ。電子情報技術産業協会(JEITA)基準に則る。
※2 ハイレゾワイヤレス。ハイレゾコンテンツをLDACコーデックで最大転送速度990kbpsで伝送する場合。「Headphones Connect」アプリから操作が必要です。
※3 DSEE Extreme ON時にCDやMP3などの圧縮音源をSBC / AAC / LDACのコーデックでBluetooth再生する際、最大96kHz / 24bitまで拡張(再生機器の仕様によっては圧縮音源をLDACで伝送する場合でもDSEE Extremeが無効になる場合があります)。
※4 ソニー完全ワイヤレス史上最高通話品質。2023年7月25日時点。ソニー調べ。

プロフィール

権田修一(ゴンダシュウイチ)

1989年生まれ、東京都出身のプロサッカー選手。4歳のときにサッカーを始め、2007年に国士舘高校に在学しながらFC東京のトップチームに昇格。2015年シーズンまで同チームで過ごし、その後はオーストリア・SVホルン、サガン鳥栖、ポルトガル・ポルティモネンセSCを渡り歩き、2021年より清水エスパルスに所属している。また日本代表には2009年に初招集され、「2022 FIFAワールドカップ」の日本代表にも選出。初戦のドイツ戦では前後半通じて26本のシュートを浴びながら1失点に抑え、この試合のMVPとなる。チームはスペインにも大金星を上げ、ベスト16に進出した。