権田修一×ソニー完全ワイヤレスイヤホン WF-1000XM5|「アスリートにとって最高の武器になる」

昨年開催された「2022 FIFAワールドカップ」に出場し、数々のビッグセーブで日本のベスト16進出に貢献したプロサッカー選手・権田修一。現在は清水エスパルスの絶対的守護神として君臨し、日々研鑽を積んでいる。自らのミスが失点に直結するゴールキーパーは、サッカーの中でも特に集中力が必要なポジションと言える。権田は試合前どのように集中力を高め、緊張と向き合っているのだろうか。

音楽ナタリーでは権田に、新たに発売されるソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」を体験してもらう企画を展開。「プロが選んだ、ソニーのハイスペックサウンドで、ワンランク上の自分へ」をコンセプトにした本製品の魅力とともに、プレッシャーに打ち勝つ方法などについて語ってもらった。

取材・文 / ナカニシキュウ撮影 / 森好弘
スタイリング / 仲唐英俊ヘアメイク / nanako azuma

「WF-1000XM5」

ソニー「WF-1000XM5」

世界最高のノイズキャンセリング(※1)を搭載した完全ワイヤレスイヤホン。LDACコーデックに対応しており、ハイレゾ音質(※2)も高音質に再生できるだけでなく、あらゆる圧縮音源がイヤホン側でハイレゾ級(※3)にアップスケーリングされる。ソニー史上最高クラスの通話品質(※4)を誇り、音や人の声が気になる環境下でも正確かつクリアに集音するため快適な通話が可能。装着性と機能性を兼ね備えつつ、極限まで小型化したボディも特徴で、マルチポイント接続にも対応しているので仕事の現場でもプライベートでも活躍できる。

※1 左右独立型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2023年4月10日時点。ソニー調べ。電子情報技術産業協会(JEITA)基準に則る。
※2 ハイレゾワイヤレス。ハイレゾコンテンツをLDACコーデックで最大転送速度990kbpsで伝送する場合。「Headphones Connect」アプリから操作が必要です。
※3 DSEE Extreme ON時にCDやMP3などの圧縮音源をSBC / AAC / LDACのコーデックでBluetooth再生する際、最大96kHz / 24bitまで拡張(再生機器の仕様によっては圧縮音源をLDACで伝送する場合でもDSEE Extremeが無効になる場合があります)。
※4 ソニー完全ワイヤレス史上最高通話品質。2023年7月25日時点。ソニー調べ。

え、こんなにすごいの?

──権田さんは現在、ソニーの「WF-1000XM4」を愛用されているそうですね。どういうきっかけで使い始めたんですか?

これは、ワールドカップ(「2022 FIFAワールドカップ」)のときに「ぜひ使ってほしい」と吉田麻也選手からいただいたものでして。「え、こんなにすごいの?」と驚いたんですよね。それ以来、もう手放せないものになってます。

──その「こんなにすごい」というのは、ノイズキャンセリング機能のことでしょうか?

そうですね。それもだし、音の質も全然違うなと感じました。最初に着けた瞬間から「音がいいな」というのはすごく感じて……僕は正直そこまで音の違いがわかる人間だとは思っていなかったんですけど、これは全然違ったのでびっくりしました。

──「WF-1000XM4」が「質の高さとはこういうことだ」を教えてくれたというか。

うん、ホントそうです。その通りですね。

権田修一

──音楽を聴くシーンとしては、やはり試合前の集中タイムが中心になりますか?

そうですね。グラウンドや芝生の状態を確認したり、風向きや日没時間などをチェックしたりするときも常に音楽を聴きながらやっています。周りでは当然いろんな音がしているんですけど、そういう音から切り離された状態で自分の世界に入ることで、準備に集中することができるので。やっぱり試合でいいパフォーマンスを出すためには、質のいい準備をすることが本当に大事になってくるんですよ。あとは、移動中のバスでも必ず音楽を聴いてますね。

──確かにテレビ中継などを観ていると、バスから降りてくる選手たちはだいたいイヤホンを着けているイメージがあります。バスに乗っているときから徐々に気持ちを高めていく感じですか?

サッカーはオンとオフの切り替えがとても大事なスポーツで……まあスポーツ全般がそうかもしれませんが、プライベートは思いっ切り気を抜いて楽しんでいい時間だと思っていて。その分、試合で普段の練習の成果を十分に発揮するためには、集中力というものが絶対に欠かせない。そのスイッチの切り替えを、自分の場合はバスの中で音楽を聴くことで行っている感じですね。逆に言うと、音楽を聴かずにその場にいる自分があまり想像できないです。それくらい当たり前のルーチンになっていますね。

──もし音楽がなかったら、パフォーマンスが落ちるかもしれない?

その可能性は高いです。例えば監督から「音楽を聴いて自分の世界に入るのは今日から禁止だ」と言われたら、ちょっと集中して試合に臨むのは難しくなるかもしれないですね。ふわふわーっとしちゃうかも(笑)。

──イヤホンに限らず、普段身に着けるものや使うものを選ぶ際にこだわっているポイントは何かありますか?

安定感ですね。

──安定感?

例えばですけど、僕がやっているゴールキーパーというポジションって、ギャンブル性が生じてはいけないんですよ。

──確かに!

だから、まあ僕の場合は決まったルーチンを持ってるタイプではないんですけど、その分、変わったことをいきなりしないようにしてるんですよね。例えば、「今日は音楽聴かなくていいか」は絶対にしない。「これだけ準備してきたんだから、安心していつも通りにやれる」という状況を作ってピッチに立ちたいので、なるべく“いつもと違うこと”がないようにしているんです。だからイヤホンの充電も必ず確認するし(笑)。

──イレギュラーな要素を徹底的に排除するんですね。

そう。だから使うアイテムに対しては、期待したクオリティを安定的に発揮してくれるものを選ぶようにしていますね。「昨日できたノイズキャンセルが今日はできないかも」だったら、それは僕は使わないですよっていう。

権田修一
「WF-1000XM5」
「WF-1000XM5」

ソニーはもはやアスリート

──では今回の新製品「WF-1000XM5」のお話に移らせていただきます。まずは使ってみた感想を教えてください。

いやあ、これは本当に最強の武器になるなと思いました。サッカーって、試合前の準備段階で身に着けられるものの数が少ないんですよ。ユニフォーム、グローブ、スパイク……せいぜいそれくらいで。その中で、このノイズキャンセリングで得られる感覚というものは、本当に強力な武器をまた1つ手に入れたなという気持ちです。

──それくらいの頼もしさがあると。

特にすごいなと思ったのが……僕が今使っている1個前のモデルでも、十分驚くほどの高性能じゃないですか。なのに、それよりもさらに機能が上がって、しかもサイズも小さくなっているところ。変な話、現状に満足してもおかしくないと思うんですよ。ソニーさんはそれくらいのものを作っていると思うので、「多少の機能アップくらいでお茶を濁したって別にいいじゃん」と僕なんかは思っちゃう(笑)。でもそこで妥協することなく突き詰めようとするという姿勢が、僕らの目指すべきところとも通ずるものがあるなと。僕らもワールドカップを戦ってきて、皆さんに「感動した」とは言っていただきましたけども、やっぱり物足りなさはありますし、まだまだ上を目指したいんで。

──アスリートとして、ソニーのもの作りの姿勢に共感する部分があるわけですね。

そうですね。最近よく思うんですけど、突き詰めて究極を求めていくソニーさんのような企業って、マインドとしてはもはやアスリートだなと。共通するところがたくさんあるんですよ。現状に満足せず、常に向上心を持って取り組む姿勢は僕らと一緒なんだなというのはよく感じることですね。トップを走る企業さんというのはみんなそうだなと。

権田修一

ノイズキャンセルの意味がわからない、でもすごい(笑)

──「WF-1000XM5」の具体的な使用感についてもぜひ聞きたいんですけど、まず、ノイズキャンセリングはいかがでした?

いや、着けた瞬間に何も聞こえなくなって(笑)。さっき、フォトシューティングの際に隣でいろいろ説明してくれていた女性スタッフの方の声が急に聞こえなくなっちゃったので、これは逆にノイズキャンセル機能の気を付けなきゃいけない点だと思いましたね。

──確かに(笑)。外音取り込みの機能もあるので、そちらを上手に使っていただくことになるかなと思います。

そうですね、その機能があるのはすごく助かります。……というか、そもそもノイズキャンセルって意味わからなくないですか? 一応、どういう仕組みなのかを調べてはみたんですよ。「音を音で打ち消してる」みたいに説明されていることはわかったんですけど、その意味は正直わからなくて(笑)。

──(笑)。簡単に言うと外音をマイクで拾って、その逆位相と呼ばれる特殊な音声を計算で生成してぶつけることによって周囲の音を聞こえなくする技術なんですけど……普通に考えたら、音をいじってるんだから音質が犠牲になりそうなものですよね。

いや、ホントそうなんですよね。

──でもこの製品は、少なくとも僕が聴く限りではとても自然な音質で聴くことができて。権田さんのおっしゃる通り、意味がわからないなと僕も思いました。

そうそう、簡単に言うと意味がわからないんですよ(笑)。たぶん皆さんがサッカーの技術に対して理解できないことが多いのと一緒で、僕にとってはノイズキャンセルが本当に謎でしかない。どうやってるのか理解できないけど、結果としてとにかくすごいことだけはわかるっていう。

──現時点では「そういうものだ」と思っておいてください(笑)。デザインなど、見た目に関してはどんな印象ですか?

キレイですよね。前モデルと比べるとより曲線的で、小型になってるし……なくさないように気を付けないとなって思いました(笑)。

権田修一

──そこがワイヤレスイヤホンの一番注意すべきポイントですよね(笑)。

そうなんですよね。これ、まさかとは思うんですけど、これだけ小さくなったのに再生時間が延びてたりしますか?

──再生時間は他社製品と比較して2時間ほど長く、「WF-1000XM4」とは変わらないですが、通話可能時間は伸びているようです。

……やっぱり、それがよくわからない。そんなはずないじゃないですか(笑)。単純に大きいほうがバッテリーもたくさん積めるはずなんで……いやでも、こうやってM4とM5を並べてみるとよくわかりますけど、本当にけっこう小さくなりましたよね。

──M4だって、別に大きいわけじゃないんですけどね。

今となっては「デカいな」って思っちゃいますもん(笑)。つい昨日までは小さいイヤホンだなと思っていたはずなのに。

──普通に考えたらM4も十分小さいと思います。

だから普通じゃないんですよ、ソニーさんのやってることは(笑)。