WENDY特集|世田谷発、青春真っ只中の4人が鳴らす生々しいロック (2/2)

一発録りで生まれるグルーヴ

──先ほどJohnnyさん、Skyeさん、Paulさんがレコーディングの話を少しされていましたが、Senaさんはいかがでしたか?

Sena ものすごく大変でした。一発録りが多かったので、基本的にドラムがミスったらやり直しなんですよ。でも一発録りだからこそ、集中力が高まって2、3回でレコーディングが終わった曲もあります。集中できるという部分では一発録りのほうがやりやすいですね。別々で録ったときのほうがミスしちゃって時間がかかっていたし、なぜか全員と目を合わせて録るほうがミスが少なかったと思う。

Johnny 一発録りのほうが俺らには合ってるのかもね。

Johnny Vincent(B)

Johnny Vincent(B)

Paul みんなの顔が見えるから、グルーヴが生まれやすいよね。

──WENDYの曲の歌詞はSkyeさんが書いているんですよね。

Skye そうです。基本的に詞は俺とJohnnyで、曲は俺とPaulで作っています。

──すべて英詞ですが、アルバムの収録曲には未成年の飲酒や煙草などについて触れた、コンプライアンス的に少し危ういような表現もありますね。

Skye 特に「Can't stop being BAD」ですよね。これはアルバムの中でも重要な曲だと思っていて。俺はバンドを始める数年前までヤンチャなことばかりしていたけど、WENDYを結成してからは音楽にエネルギーを向けられるようになって、今は夢に向かえてるんです。でも今の時代はSNSでの炎上をよく目にするので、俺たちもデビュー後に炎上することがあるんじゃないかと思っていて(笑)。だから今のうちに「俺らはいい子じゃないよ」というメッセージを曲に込めました。今もヤンチャのままなところがあるよっていう。でもこの曲、Senaがコーラス歌ってるけど、たぶん「Can't stop」の意味もわかってないでしょ?

Sena うん、歌詞の意味はわかんない。「いい曲ですよねー」としか言えない(笑)。

Sena(Dr)

Sena(Dr)

Johnny (笑)。俺は歌詞に関しては、ヤンチャな部分をもっと表現してもいいと思ってる。俺だったらもっと書いちゃうかも。

Skye ただ一応お伝えしておくと、俺らが歌詞の内容のことをリアルにやっている、ということでは必ずしもないです(笑)。でも歌詞には本当にこだわっていて、1曲目の「SCREAM」のサビは、「他人が自分をどう思っているかなんか考えるな」と書いている。真面目で他人の言うことだけを聞いているようないい子になるんじゃなくて、自分が思っていることを言えばいい、悩みも不安も全部叫んで自分を突き通せばいいという思いを込めています。最後のサビ前には、俺たちからのメッセージみたいな感じで「もしもくじけたら俺たちが助けるよ」という言葉を入れました。

──アルバム発売に先駆けて6月に配信リリースされた「Runaway」も、近いメッセージが込められているなと思いました。

Skye 聴く人それぞれで捉え方は違うと思うので、もしただのラブソングに聞こえたとしてもそれはそれでいいんです。俺たちとしては「Runaway」を聴いている約4分間は現実逃避して、俺たちの世界に逃げ込んでもいいんじゃないということを歌ってます。「WENDYの世界は楽しいよ」って。

──そんな「Runaway」のミュージックビデオでは、SkyeさんとPaulさんが背中合わせでギターを弾くシーンが印象的でした。

Paul あのシーンは俺もめっちゃお気に入りです。撮影の直前に「こう弾こうぜ!」とSkyeと決めて、それからはライブでも同じように弾いてますね。

Skye 昔はギターに自信がなくて手元を見ながら弾いてたけどね。

Paul Skyeと背中合わせで弾いたあと、見つめ合って弾くんですけど、あの感じも好きなんですよ。

Skye 最近のライブではMVの弾き方を完全再現してるよね。

──ギターパートで言うと、アルバムのすべての収録曲にギターソロがありますよね。

Skye 俺らの曲にとっては「あるのが当たり前でしょ!」みたいな感じです。

Skye McKenzie(Vo, G)

Skye McKenzie(Vo, G)

Paul コロナ禍でギター人口が増えたとも聞くけど、そもそもギターソロになじみのない人もいると思うんですよね。なので、ギターのこういう楽しみ方もあるんだよというのを発信したいです。

──ちなみにPaulさんがギタリストとして憧れている方はどなたですか?

Paul ジミー・ペイジのプロデュース力はやっぱりすごいなと思います。中学生の頃に彼の存在を知って、思考やリフの作り方を学びました。教科書のような存在です。ジミー・ペイジのプレイをヤバすぎる完成度で再現するギタリストとして世界的に有名なジミー桜井さんのライブには何度か行ってます。

Paul(G)

Paul(G)

ワンマンで今までの集大成を見せたい

──アルバムリリース後の8月25日には、渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブが開催されますね。

Sena メジャーデビュー2日後のワンマンライブなのでより気合いが入ってます。今までとは違う「プロだぞ!」っていうWENDYの姿を見てほしいですね。

Johnny これまでワンマンは2回やったんですけど、今回はメジャーデビューしてアルバムも出してからのワンマンということで、今のWENDYの集大成を見せたいです。この日が新しいWENDYのスタートにもなるので、僕らの気持ちの入り方も違うんです。お客さんにとっても二度と忘れられないようなライブにするので、ぜひ来てほしいです。ライブだと音源よりさらに生々しくなるはずだし、会場もめちゃくちゃ熱くなると思うし、真夏にふさわしい熱狂的なワンマンライブにします。

Paul ここまでいろいろあったけど、折れることなくやってきました。今回のワンマンでは今まで自分がやってきたことをいつも通りやりつつ、成長した自分の姿をしっかりみんなに見てもらえたらと思ってます。

Skye 今回のワンマンは、WENDYの歴史に残るライブにしたいです。ステージに上がってる俺らを見てお客さんがびっくりするくらいの、これまでで一番いいパフォーマンスをしたいですね。

WENDY

WENDY

ライブ情報

Don't waste my YOUTH

2023年8月25日(金)東京都 渋谷CLUB QUATTRO

プロフィール

WENDY(ウェンディ)

東京・世田谷区在住のSkye McKenzie(Vo, G)、Paul(G)、Johnny Vincent(B)、Sena(Dr)の4人からなるバンド。2020年10月、世田谷区の青少年センターで出会ったメンバーで結成された。2022年4月に東京・下北沢 BASEMENTBARにて初のワンマンライブを開催。同年5月に1stシングル「Rock n Roll is Back」をリリースした。その後「SUMMER SONIC」や「METROCK」などの音楽フェスに出演。2023年8月にはビクターエンタテインメントより1stアルバム「Don't waste my YOUTH」をリリースし、メジャーデビューを果たした。