ワルキューレ特集|ファイナルライブ目前!カナメΔ安野希世乃、マキナΔ西田望見が奇跡の7年振り返る (2/3)

灼熱の太陽、舞台上の先生

──鈴木さんに関してはどうですか?

安野 みのりちゃんの魅力はやっぱり、一番は爆発力でしょうね。すごく熱くて大きな、灼熱の太陽のようなパッションを内側に抱えている子なんですけど、練習では意外とクールにやっていたりもするんです。それがライブ本番になるとものすごい爆発力をドンと出してくれるから、私たちも本番で驚くんですよ。それまで一度も聴いたことないような、一番いい歌声を聴かせてくれるし、一番いいMCも聞かせてくれる(笑)。

西田 そうそうそう!

安野 ライブ本番に本領が発揮される、というところが彼女の一番の魅力なのかなと思います。

──なんだかフレイアのことを言ってるみたいに聞こえますね。

安野 確かに(笑)。でも本当にそうなんですよ。

西田 レコーディングでも「最高値を出してるなあ」っていつも思うんですけど、ライブになるとそれを超えてくるんです。私、前回のライブ(「ワルキューレ LIVE 2022 ~Walküre Reborn!~」)で「愛してる」のときのみのりちゃんの歌を聴いてめちゃくちゃ泣いちゃって。あとで「あのときどういう気持ちだったの?」って聞いたら、「自分と戦ってた」って言うんですよ。「私はもっとできる、これ以上を出すんだ」と自分にムチを打ちながら歌っていたと。ライブを楽しむだけじゃなくて、本番中にも自分をより高めていこうとする姿勢がすごくカッコいいなと感じました。

安野 戦隊モノに例えるならば、みのりちゃんがレッドで本当によかったなって思います。

西田 本当にそうだね。

ワルキューレ

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──レイナΔ東山奈央こと東山さんについてはいかがでしょう。

西田 東山さんはさあ……すごいよね。

安野 いや、すごい。

西田 ダンスも歌もパーフェクトなんですよ。そのうえ……さっきのJUNNAちゃんの話と被りますけど、奈央ちゃんも弱音を吐かない。私ときよのん(安野)が「できなーい!」とか言ってると、「ちょっと2人とも! まだ弱音を吐くようなタイミングじゃないよ」って。

安野 「まだ時間があるから大丈夫だよ、がんばろう」ってすごく励ましてくれるんです。

西田 私たちも「奈央ちゃんがそう言うなら、がんばるしかないね!」みたいな感じで(笑)。あと、ステージでキュンキュンさせてくれるのは奈央ちゃんが一番かなって思いますね。お客さんの気持ちをキャッチするのがすごくうまいから、一緒のステージに立っている私ですら「え、そんな歌い方するの!? かわいいー!」ってなっちゃう。

安野 奈央ちゃんのライブパフォーマンスは、心の中に滑り込んできてハートを鷲づかみにしていきます。スルスルスルーッ、キュッみたいな。

西田 文字だと伝わりにくいやつ(笑)。

安野 それと同時に、奈央ちゃんは全体を俯瞰してパフォーマンスの精度を上げる役割も担ってくれていました。

西田 客観的に見てくれてる感じがします。

安野 例えばフォーメーションについて「誰々がもうちょっと前に出たらきれいなV字になるよ」とか。ダンスの先生がメンバーの中にもう1人いるみたいな……もはや舞台上の先生ですね。

──プレイングマネージャー的な。

安野 そうなんです。奈央ちゃんの目があったからこそ洗練されたパフォーマンスがたくさんありました。

誰ひとり欠けても成立しない

──アニメの印象だと、カナメがそういうまとめ役を担っていそうなイメージもありますけど。

安野 すみません(笑)。私って何ができてるんだろうねー、5人の中で。

西田 いっぱいあるよー! まず私にとっては、本当に心のよりどころなんです。きよのんに対しては、みんなに言えないような本気の弱音も言えるし、それを全部を受け止めてもらえる。そういった安心感が、精神的な意味ですごく支えになっています。そのすべてを包み込んでくれる柔らかさは、歌声にも表れていると私は思っていて。ワルキューレの歌ってけっこうガッと突き刺すイメージなんですけど、きよのんの歌声が楽曲をふんわりまあるく包んでくれている感じがするんですよね。あんまり鋭く刺してばっかりだと、お客さんもうわーってなっちゃうじゃないですか。そこにきよのんがいてくれるだけで、5人の歌声がすごく魅力的なバランスになってると思う。特に私が大好きなのが、Yami_Q_ray(ヤミキューレ)のきよのんで……。

安野 ええー、うれしい。

西田 Yami_Q_rayでは悪ぶったパフォーマンスをしないといけないのに、きよのんからは心の清らかさがあふれ出ちゃっていて、先生からも「もっと悪ぶってよ」と言われていました。「やっぱりこの人はどうしても優しさが隠しきれないんだなあ」と思ってたんですけど、あとでライブ映像を観たらちゃんと“闇”なんですよ。「清らかなまま、ちゃんと闇になれるんだ」と思って、本当にすごいなって。

安野 “清らか”と“闇”って、相反してるけどね。

西田 そう、相反するんだけどちゃんと両立してるんですよ。“清らかな闇”が。この記事を読んで「何を言ってるんだろう?」と思った方はぜひライブに来て確かめていただけると(笑)。本当にめちゃくちゃかわいいんだから!

安野 がんばります(笑)。

ワルキューレ

ワルキューレ

──一方の西田さんについては、安野さんはどういうふうに見ていますか?

安野 私にとっても、心の支えはのぞみるです。同じこと言っちゃうけど(笑)。

──お互いに支え合っているんですね。「人という字は……」的な。

西田 1画目がきよのん、2画目が西田、みたいな(笑)。

安野 何度のぞみるに助けられたか。ホント、西田さんって1人ひとりとちゃんと向き合って話をしてくれるんですよ。さっきJUNNAちゃんを追っかけ回している話もしましたが(笑)、やっぱり最初の頃はJUNNAちゃんからクールそうな雰囲気も感じてたし、年齢差もあってどう接していいかわからないときも正直あったんですね。「あんまりなれなれしくするのもうっとうしいかな?」とか、考えすぎてたところもあったんですけど……そんなJUNNAちゃんに対して、のぞみるがグイグイ行ってて(笑)。

西田 何も考えてないだけの可能性がある(笑)。

安野 そこがいいところなんだって! まあまあ年の差があるユニットなんですけど、全員と等しくコミュニケーションを取る姿勢を常に見せてくれたのがのぞみるでした。JUNNAちゃんともみのりちゃんとも奈央ちゃんとも私とも、個々にしっかり対話をしてくれたことで、みんなを精神的に太くつないでくれる存在だったと思います。私が最年長でリーダーという立ち位置ではあるんですけど、ある意味ではのぞみるが“肝っ玉母さん枠”を担ってくれていましたね。

西田 あははは。ありがとうございます。

安野 あとパフォーマンス面で言うと、レイナ・マキナの対比ですよね。奈央ちゃんがレイナという役柄的にミステリアスな月のポジションだとすると、マキナは太陽。レイナが懐に忍び込んでハートをこっそり盗んでいくのに対して、マキナは正面突破でズキュン!って感じなんです。ライブでマキナに撃ち抜かれちゃうファンの方がたくさんいるのもわかるなあ。

──その西田さんと東山さんの“両ウイング”感は実際すごくありますよね。で、JUNNAさんと鈴木さんがツートップで、安野さんが全体のバランスを取るボランチのイメージです。

安野 なるほど(笑)。

西田 ライブでの立ち位置はみんな違うけど、誰1人欠けても成立しないユニットだなっていつも思ってます。