音楽ナタリー Power Push - Versailles

結成10周年、日本武道館公演にかける思い

Versaillesが描くラブストーリー

──「Inheritance」は壮大なスケールを備えたミディアムバラード。愛をテーマにした歌詞も素晴らしいと思います。

KAMIJO 自分としても大傑作だと思っています。HIZAKIくんの曲に乗せるべき歌詞がようやく書けたなって。

──HIZAKIさんから歌詞のイメージを提案することはあるんですか?

HIZAKI 聞かれたら言いますね。「Inheritance」に関しては「バラは中世の言い伝えで、子宮の比喩に使われることがあるから、それをテーマにしたらどうか」と伝えて。

KAMIJO それを受けて“無償の愛を受け止めることの難しさ”というテーマにたどり着いたんです。このメロディに導かれたところもあるし、Versaillesとしてこういうテーマにチャレンジできたこと自体が幸せですね。

HIZAKI 実は10年前にVersaillesで初めて作った曲も、似たようなテーマの曲だったんですよ。そういう曲をもう1回提示したいという気持ちもありましたね。あとはクワイア(合唱団)もキーワードになっていて。

KAMIJO 武道館ライブにも70名のゴスペルクワイアグループ・Be Choirさんが参加しますからね。

TERU レコーディングではリフのフレーズだったり、グルーヴもかなり意識していて。実はノれる曲でもあるので、そこにも注目してほしいですね。

MASASHI(B)

MASASHI こういうミディアムテンポの楽曲は自分としても大好物で。ヘヴィで壮大、メッセージ性もしっかりあって、「自分でこういう曲を書きたかった」と思うような楽曲ですね。ベースもアルバムの中で一番重たく弾いてます。

YUKI こういうタイプの曲はいくつかあるんですが、コードなのかアレンジなのか、洋楽感が強まった印象もあって。

HIZAKI 確かにヨーロッパのフェスで鳴ってる曲っぽいイメージはありましたね、自分の中では。特に北欧のテイストは入っていると思います。

──北欧のヘヴィメタルもVersaillesのルーツの1つですからね。そして4曲目の「A Day Without You」ですが、アグレッシブなサウンドと憂いのある歌詞のマッチングが面白いなと。

KAMIJO これもHIZAKIくんらしい楽曲ですね。この気持ちいいスピード感にあえてラブソングを乗せることで、いいコントラストが付けられたと思います。

HIZAKI 最初はビックリしましたよ。「何を考えてるんだろう、この人は」って(笑)。でも、完成してみると歌詞がすんなり入ってきたんですよね。

KAMIJO 僕、この歌詞にすごく思い入れがあるんですよ。先ほども言いましたが、Versaillesは結成10周年なんですね。離れていた時期もありましたが、同じ人とこれだけ長く一緒にいることはそんなにないと思うんです。ただ近くにいればいるほど伝わらない気持ちもあるんじゃないかって。この歌詞ではそれをラブストーリーに置き換えているんです。こういうことは誰にでも起こり得ることだと思うんですよね。

TERU アレンジに関していえば、ギターで攻めている感じもありつつ、そこに絡んでくるシンセがすごく印象的で。気持ちがノリノリになるんですよ。こういうバリエーションも今まではなかったなって。

YUKI 確かにシンセのフレーズはいいですね。僕はDeep Purpleっぽい雰囲気を感じましたけど。

TERU あ、それもわかる。

HIZAKI シンセを弾いてくれたのは女性なんです。女性ならではのタッチ、音使いが欲しかったので。

MASASHI いろいろな要素が絡み合ってますよね。ストレートに聞こえるけど、繊細だったり切なかったりもするし、壮大さ、男らしさも感じられる曲になっています。

KAMIJO×YUKI曲は大作になりがち

──5曲目の「Lineage」もアルバムを象徴する楽曲だと思います。

KAMIJO そうですね。これは「We have a lineage」という歌詞にある通り、「私たちにはこの血が流れている」という曲です。ライブで合唱して全員が自分に酔いしれるような曲になればいいなと。

HIZAKI これも「La Musique」と同じく、バンド力、アンサンブル力が発揮されている曲だと思います。レコーディングの終盤に録音したので、今のVersaillesがしっかり表現されていますね。

TERU ラフミックスの段階から一番よく聴いている曲ですね。耳触りもいいし、すごくテンションが上がるので。

MASASHI 以下同文という感じですが(笑)、ドン!と伝わってくるものがあるんですよ。ライブで演奏しているときの絵もすごく浮かんできますね。

YUKI(Dr)

YUKI KAMIJOさんから「こんなイントロができたよ」って電話で聴かせてもらったのが最初だったんですよ、この曲。その時点で「すごくいい。大事な曲になりそうだな」という感じがあって。KAMIJOさんがコードやメロディ、僕がリズムパターンを考えて骨組みを作ると、大作になることが多いんです。この曲も当初は「10分超えそうだな」と思ってたんですが、それをギュッと凝縮した仕上がりになって。

KAMIJO 大作ではなく、ライブでセットリストに組み込みやすい曲にすることを優先したんです。いい意味でコンパクトになったし、きれいに収まりましたね。

──さらに、昨年のうちにチケットを購入した人に配布される初回限定盤にはTERUさん、HIZAKIさんが共同で作曲した「Marionette」も収録されますね。

TERU ベースとなる部分を僕が作って、そこにHIZAKIさんがしっかり自分のテイストを加えてくれて。2人の個性がうまく入った曲になりました。

HIZAKI 真逆なものを結び付けた感じですね。最初はヨーロッパのテイストが満載だったんですけど、シンセやボーカルのメロディで日本的な雰囲気も入って。国籍が限定できない、Versaillesらしい曲だと思います。

KAMIJO シンセのメロディを歌ってたら、それがボーカルのメロディになったんですよ。最初から「Doll Doll Play」って口ずさんでいたので、そのまま人形遊びの曲にしました。遊び心があるし、ライブでも盛り上がると思います。

HIZAKI うん、ファンの間でも人気が出そう。

MASASHI 「Doll Doll Play」というサビが呪文みたいに聞こえて、頭の中でずっと鳴ってるんですよ(笑)。寝るときも鳴ってるから、子守唄みたいになってますね。

YUKI ハハハ(笑)。わりと急いで作った曲なんですが、いろんな奇跡が重なりましたね。

武道館ではいつもと違う一方通行なライブを

──最後に日本武道館公演に対する意気込みを聞かせてもらえますか?

HIZAKI 気合いは十分に入ってますね。これからヨーロッパツアーに行くので(取材は1月中旬)、さらに結束力を高めて武道館に臨みたいなと。ファンの皆さんにしっかり愛情を伝えることはもちろん、これから先のVersaillesを感じられる、未来を作っていけるライブにしたいと思っています。

TERU 音楽を志した者として、日本武道館は憧れの場所ですからね。そんな特別なステージに上がること自体が素晴らしいし、自分たちの気持ちを思い切りぶつけたいと思います。ファンの皆さんもぜひ、感情をぶつけてほしいですね。10周年というタイミングでもあるし、気持ちが通い合うライブにできたらなと。

MASASHI 日本武道館でライブをやるからにはVersaillesの看板をさらに大きくしないといけないし、期待されている以上のものを見せないといけないと思っていて。ここから積み上げられるものもあるはずなので、皆さんに心から感動してもらえて「これからもついて行きたい」と思ってもらえるライブにしたいですね。

YUKI 今回のアルバムは武道館に来てくれた方だけが手に取れるので、ぜひ楽しみにしてほしいです。開場前からお渡しできるので、早めに聴いていただいてもいいと思います。

KAMIJO この5人、いや6人で日本武道館のステージに立てることが嬉しいです。メンバー、そしてファンの皆さんに対して感謝を伝えたいですね。普段は「皆さんと一緒にライブを作りたい」と言ってるのですが、日本武道館公演に関しては、僕たち自身をしっかり見せたいという気持ちが強くて。いい意味で一方通行のライブをやって、たっぷりと見せつけたいし、聴かせたいなと。ヨーロッパツアーでさらに磨きをかけて、圧倒的なVersaillesというものを思い切り突き刺してやりたいですね。

Versailles「Chateau de Versailles」
2017年2月14日(火)
東京都 日本武道館
日本武道館公演来場者配布アルバム「Lineage ~薔薇の末裔~」
「Lineage ~薔薇の末裔~」初回限定盤 / SASCD-073
「Lineage ~薔薇の末裔~」通常盤 / SASCD-074
収録曲
  1. La Musique
  2. Shadows Fang
  3. Inheritance
  4. A Day Without You
  5. Lineage
  6. Marionette

※6曲目は初回限定盤のボーナストラック

Versailles(ヴェルサイユ)

2007年にKAMIJO(Vo)とHIZAKI(G)が中心となり、“絶対的な様式美サウンドと耽美の極み”をコンセプトに掲げ結成。活動初期は海外メディアのみの取材に応じたことで話題を呼んだ。10月にはドイツのレーベル・CLJ Recordsとライセンス契約を交わし、1stミニアルバム「Lyrical Sympathy」を日本とヨーロッパで同時発売。翌2008年7月には1stフルアルバム「NOBLE」をリリースした。2009年12月には東京・渋谷C.C.Lemonホールのワンマンライブ内でメジャーデビューを発表し、2010年1月20日にデビューアルバム「JUBILEE」を発売。2012年12月の東京・NHKホールでのライブをもって活動を休止するが、2015年に再開。12月に“復活の儀式”と題したライブを東京・Zepp DiverCity TOKYOで行ったほか、2016年8月には千葉・舞浜アンフィシアターで完全復活ライブ「Chateau de Versailles」を実施した。9月には過去の楽曲をリメイクして収録したベストアルバム「The Greatest Hits 2007-2016」を発表。結成10周年を記念し2017年2月に東京・日本武道館での単独公演「Chateau de Versailles」を開催し、このライブの来場者に配布するニューアルバム「Lineage ~薔薇の末裔~」を制作した。