今年5月10日からMr.Childrenの全シングル、全アルバムのダウンロード配信、サブスクリプション配信がKDDIの定額音楽配信サービス「うたパス」をはじめとした各サイトでスタートした。1992年のデビューから現在に至るまで、数多くのヒット曲、名曲を生み出し続けているMr.Childrenの存在に改めて注目が集まっている。
音楽ナタリーではMr.Childrenを敬愛しているというCHEMISTRYの堂珍嘉邦に、Mr.Childrenにまつわる思い出や好きな楽曲などについてインタビュー。また十代の頃に聴いていた楽曲を中心にしたプレイリストについても聞いた。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 佐藤類
人間が持っている喜怒哀楽を歌にするのがうまい
──Mr.Childrenに出会ったきっかけを教えてもらえますか?
確か15歳か16歳のときだったと思うんですけど、最初に聴いた曲は「innocent world」ですね。桜井(和寿)さんがフードを深くかぶっているCDのジャケットが印象的だったし、どんどんランキングが上がってきて「すごくいい曲だな」と思って。学校の友達もみんな聴いてたんじゃないかな。その頃、Mr.ChildrenとThe BeatlesのCDを貸し借りするのが友達の間で流行ってたんですよ。The Beatlesは洋楽の入り口という感じだったんですけどね。
──当時はMr.Childrenのどんなところに魅力を感じていましたか?
「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」のようなポップでノリのいい曲も好きでしたけど、アルバムの中に入ってる、社会的なメッセージが感じられる曲に惹かれていましたね。楽しいだけじゃないと言うか、人間が持っている喜怒哀楽を歌にするのがすごくうまいなって。「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」もそうですよね。根底には社会に対する反抗心があるんだけど、それをすごくポップに表現していて。その素晴らしさに気付いたのは、実は自分がデビューしたあとなんですよ。「このフレーズ、自分が使いたかったな」って(笑)。
──Mr.Childrenのライブにまつわる思い出は?
高校生のときに地元の広島で見た野外ライブですね(1995年7月28日「Mr.Children STADIUM TOUR -Hounen Mansaku- 夏祭り1995空 [Ku:]」の広島広域公園第一球技場公演)。ライブの後半は土砂降りだったんですよ。たぶん「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」の間奏だったと思うんですけど、桜井さんが勾配の付いたステージの花道でヘッドスライディングして、お客さんが「ワーッ!」って沸いたんですよね。桜井さんがそんなことするとは思ってなかったし、すごく印象に残ってます。むしろ雨も気持ちいいくらいだったし、会場の熱気もすごくて……あとはずっと一緒に歌ってましたね。
──それくらい聴き込んでいたし、歌い込んでいたと。
歌詞とメロディのハマりがすごくいいから、一度覚えると忘れないし、スッと出て来るんですよね。ライブのときもほぼ全部歌えていたと思います。「Dance Dance Dance」が始まって、一緒に行ってた友達と「この曲、来た!」みたいな感じで目を合わせて盛り上がったり。高校生らしいことやってましたね(笑)。
桜井さんの歌い方はマネしちゃいけない
──バンドを組んでMr.Childrenの曲をコピーしたことも?
僕はやってないけど、友達のバンドがやってましたね。「イントロのギターが弾きやすい」という理由で「雨のち晴れ」をやったりしてたのかな。僕もバンドはやってましたけどGreen DayとかSupergrassとか、主に洋楽をカバーしてたんです。その中で唯一聴いてた日本のアーティストがMr.Childrenだったっていう。音楽好きの仲間も同じような感じだったんじゃないかな……今思い出しましたけど、好きな女の子に聴かせるために「『車の中でかくれてキスをしよう』」を必死でコピーしていたやつがいて(笑)。それを見て「俺も弾けるようになっておこう」とギターの練習をした思い出もあります。今でもたまに弾きますよ。
──ボーカリストとして桜井和寿さんに影響を受けた部分はどんなところですか?
もちろん影響はあると思うんだけど、桜井さんの歌い方はマネしちゃいけないと思っていたんです。Mr.Childrenの曲をカバーしている人は多いですけど、桜井さん自身の声に存在感がありすぎるから、どうしても(原曲のボーカルを)頭の中で想像しながら聴いちゃうんですよ。そういうアーティストって、長く第一線で活躍している方ばかりですよね。たとえば(奥田)民生さんもそうだし。
──確かに。一瞬で“この人だ”とわかる個性と存在感があると言うか。
そうそう。とにかくMr.Childrenの曲は、人前でカバーしないほうがいいと思います。仲間内とか、1人で楽しむのがいいんじゃないでしょうか(笑)。まあ、僕らの世代は絶対に影響されているんですけどね。
──魅力を知っているからこそ、簡単にマネできないと。ちなみに桜井さんとお会いしたことは?
「ミュージックステーション」でご一緒したことがあります。2003年に共演したときには桜井さんが僕らのことを知っていてくれて、「SPANOVA(1997年にデビューした兄弟ユニット)に曲を書いてもらってるんだよね?」って言ってくれたんですよ。「どうして知ってるんだろう?」という驚きもありましたし、僕もSPANOVAさんの曲が好きだったので、共通点が見つかった気がしてうれしかったですね。
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堂珍嘉邦(CHEMISTRY)選曲
- CHEMISTRY「Heaven Only Knows / 13ヶ月」
- 2018年6月20日発売 / Sony Music Associated Records
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初回限定盤
[CD+DVD+写真集]
3000円 / AICL-3519~20
- CD収録曲
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- Heaven Only Knows
- 13ヶ月
- DVD収録内容
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- LIVE TOUR 2017-18「Windy」 -Behind The Scene Movie-
- Heaven Only Knows -from "LIVE TOUR 2017-18「Windy」" 3月7日 Bunkamura オーチャードホール-
- Heaven Only Knows -Music Video-
- Heaven Only Knows -Music Video Making Movie-
- ユメノツヅキ(Slow & Emotional) -from "LIVE TOUR 2017-18「Windy」" 3月7日 Bunkamura オーチャードホール-
- Windy -Music Video-
- Windy -Music Video Making Movie-
- ユメノツヅキ(Short ver.) -Lyric Video-
通常盤 [CD]
1300円 / AICL-3521
- 収録曲
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- Heaven Only Knows
- 13ヶ月
- Heaven Only Knows(T-Groove Remix)
- Heaven Only Knows -Instrumental-
- 13ヶ月 -Instrumental-
アナログ盤 [アナログ]
1944円 / AIJL-5326
- 収録曲
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Side-A
- Heaven Only Knows
- 13ヶ月
Side-B
- Heaven Only Knows(T-Groove Remix)12inch ver.
- Heaven Only Knows(T-Groove & monolog Mellow Mix)
- 堂珍嘉邦(ドウチンヨシクニ)
- 2001年3月にCHEMISTRYのメンバーとして「PIECES OF A DREAM」でメジャーデビュー。同年11月には初のオリジナルアルバム「The Way We Are」をリリースし「NHK紅白歌合戦」への出場も果たした。2012年4月のCHEMISTRY活動休止と同時にソロ活動を本格化させ、同年10月に初のソロワンマンライブを開催し、11月にはソロデビューシングル「Shout / hummingbird」をリリースした。2017年2月28日に東京・東京国際フォーラム ホールAでのライブをもってCHEMISTRYの活動を再開。2018年6月20日には活動再開後第2弾シングル「Heaven Only Knows / 13ヶ月」をリリースした。音楽活動と並行して映画や舞台、ミュージカルなどで俳優としても活動している。