「uP!!! SPECIAL ライブナタリー 201811」特集 鈴木愛理×理姫(アカシック)|2つの個性が融合したクレイジーパーティへ

ナタリーのイベント企画「ライブナタリー」による対バンライブ第3弾「uP!!! SPECIAL ライブナタリー 201811」が、11月1日に東京・チームスマイル・豊洲PITで開催される。

「uP!!! SPECIAL ライブナタリー」は1組のアーティストをホストに迎え、Twitterでのリクエスト投票をもとにゲストアーティストを選出するファン目線のライブ企画。第3弾となる今回は、アイドルグループ・℃-uteでの活動を経てソロアーティストとなった鈴木愛理がホストを務め、アカシックをゲストに迎えてツーマンライブを行う。

アカシックは℃-uteへ解散間際にエモーショナルなナンバー「凜(RIN)」を提供している。またアカシックのフロントマン・理姫(Vo)は子供の頃にハロー!プロジェクトへの憧れを抱いており、℃-uteの活動もいちファンとしてチェックしていた。その後、℃-uteメンバーの岡井千聖や中島早貴とはイベント出演などをきっかけに親交を深めてきた理姫だが、鈴木のことは特別視をしていたという。音楽ナタリーではライブでの共演を前に2人の距離を縮めるべく対談をセッティング。すぐに打ち解けあった2人からは、ライブに向けての期待値が上がるアイデアが次々と飛び出した。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 塚原孝顕

「もしかしたらこの子が一番クレイジーなのかもしれない」

──理姫さんは元℃-uteの岡井千聖さんや中島早貴さんと親交があるんですよね。

理姫 はい。飲み友(岡井)と釣り友(中島)。

──もともと℃-uteをはじめとするハロー!プロジェクトのファンだとお聞きしていますけど、鈴木さんのことはどう思っていたんですか?

理姫

理姫 千聖やなっきぃ(中島)はどことなく接しやすいんですけど、この方だけはちょっと違って、普通には話しかけられない女神様なんですよ。周りにガッチリ囲んでいてほしい存在でした。

鈴木愛理 そんなことないですよ!

理姫 でも変な動画がけっこうあって、それを観ると「もしかしたらこの子が一番クレイジーなのかもしれない」って。

鈴木 いっぱいあるんですよね、ヤバいやつ。過去に自分が出してきた本性(笑)。どれですか?

理姫 ネコとおばあちゃんのやつとか。

鈴木 バースデーイベントのだ! 恥ずかしい! でも自分でやりたいって言ってやってるんですよ(笑)。

──クレイジーだという自覚はありますか?

鈴木 同じことを千聖に言われたことがあるんです。「テンション上がったときは愛理がマジ一番クレイジーだから」って(笑)。どうなんですかね?

理姫 いい意味でクレイジー。凡じゃないんです。

鈴木愛理

鈴木 私は理姫ちゃんの歌詞が好きなんです。女子の気持ちを歌詞に落とし込むのがうまいなって。陽だけじゃない、いい意味で闇を感じる。私は好きになるアーティストさんはだいたい影がある人なんです。自分に影がないからかもしれないけど、影がある人に憧れがあって。理姫ちゃんもそのジャンルのアーティストだと思ってます。なっきぃが「8ミリフィルム」(2016年3月に発売されたアカシックの1stフルアルバム「凛々フルーツ」収録曲)が好きで、楽屋でよく一緒に聴いてました。

理姫 千聖が楽屋でアカシックを聴いてるところを動画で送ってくれたことがあるんですよ。そこに千聖やなっきぃがいるのはわかるけど、愛理ちゃんがいるのはヤバい!ってメンバーみんなで言ってました。

鈴木 なんでなんで! ホントに普通の人間なんですけど!

勘違いミステリアス

──理姫さんが感じていた鈴木さんの印象はよくわかりますけど、ソロになってからの鈴木さんは天真爛漫さが以前よりも全面に出ていて、けっこう雰囲気が変わった気がします。もともとあった気質だとは思うのですが、ソロではより自由になってませんか?

鈴木 そうですね。今はなーんにも考えてないです。つるりん!って感じで。でも私、ソロを始めるにあたって本当はミステリアスになりたかったんです。

──高校デビューみたいな感覚でミステリアスに。

左から理姫、鈴木愛理。

鈴木 私の記憶の中では、高校生の頃の自分ってミステリアスだったはずなんですよ。でも最近、高校の頃の友達に「あの頃の愛理ってミステリアスだったと思うんだけど、どんな感じでミステリアスだった?」って聞いたら、「愛理がミステリアスだった記憶は1つもない」って言われて(笑)。勘違いミステリアスだった説が最近浮上してきて、もうミステリアスはあきらめました。

理姫 勘違いミステリアス(笑)。

鈴木 謎なところがあるほうがカッコいいじゃないですか。中二病みたい(笑)。私は小学生の頃から16年この世界で活動しているし、今はSNSなどで全部見せちゃうから、ファンの方も知らないことのほうが少ないと思うんですよ。だからミステリアスな部分がほしいなと思ったんですけど、いろんな人から「無理だから止めときな」って言われて3日であきらめました。だからもうこんな感じです。べらぼうです。止まんないんですよ。1人になってから。しゃべるのが。誰か止めてください!

理姫 かわいい……。

鈴木 ホントに止まんないんですよ!

理姫 永遠にしゃべっててほしいですよね(笑)。この面白さはどこから来るのか気になります。

鈴木 たぶん親ですね。お母さんがこんな感じなんですよ。お父さんはどちらかと言うと寡黙な人で、弟も人見知りだから、家族でいるときはお母さんと私がその場で生まれた歌を歌いながら歩いて、男子軍を巻き込んだら勝ちというゲームをずっとやってるような感じなんです。

理姫 えー、面白ーい!

──ご陽気家族なんですね。

鈴木 はい、だいぶ。だからこんなになっちゃいました(笑)。

背中を押してくれる「凜(RIN)」

──理姫さんが歌詞を書いた℃-uteの「凜(RIN)」はメンバーの皆さんかなりお気に入りのようですね。

鈴木 はい! 超覚えてますよ、あの曲を初めて聴いたときのこと。ツアーで地方を回っているとき、ライブハウスの楽屋……岡山です。桃太郎って岡山ですよね?

理姫 うん、岡山。

鈴木愛理

鈴木 きびだんごの差し入れがあったので(笑)。「ナルチカライブ」という、なるべく近くでお客さんに観てもらうライブツアーで、小さなライブハウスを回っていたから楽屋も狭かったんですよ。その狭い楽屋でパソコンを開いて、全員で歌詞を見ながら聴いて……本番前に大泣きしました。「これはヤバい……これはヤバいよ」とか言いながら。

──「凜(RIN)」は℃-ute解散が決定したあとに提供された曲ですが、そんなタイミングだからこそグッとくる強さを感じました。終盤のライブではメンバー自ら選んでこの曲をセットリストに組み込んでいたそうですね。

鈴木 はい。今年の9月10日の“℃-uteの日”にもラジオで「凜(RIN)」をかけさせてもらいました。時間が経ってさらに、あの曲の内容の厚みが増している感じがすごくしていて。解散するときは「将来こういうふうに思えたらいいよね」と思いながら歌っていた曲が、今現在、本当にその通りなんだよなあって。当時の気持ちが今の私たちの背中を押してくれているような。

理姫 ありがとうございます。

──理姫さんにとっては作者冥利に尽きる話ですよね。

理姫 はい。冥利に尽きました。℃-uteさんへの楽曲提供は3度ぐらい挑戦していたんですけど、ハードルが高くてなかなか採用されなかったんです。「凜(RIN)」を歌ってもらえると連絡をもらったときは夜の帰り道だったんですけど、超泣きました。「夢が叶っている」って。それで今のお話ですから……小学生の頃の自分に教えてあげたいです。

──鈴木さんは中でも大サビの重要なポジションを担っています。

鈴木 仮歌は理姫ちゃんの歌声で、アカシックワールドが完成していたんです。私、仮歌にけっこう影響されちゃうタイプで、ディレクターさんには「いつも通りでいいよ」と言われたんですけど、作品の中に理姫ちゃんワールドを若干残したかったんです。なのでディレクターさんに少し抵抗しながらやりました。ダメなんですよ、最近昔の反抗期話を暴露しすぎてて(笑)。

理姫 反抗期(笑)。かわいい……。

左から鈴木愛理、理姫。

鈴木 ハロプロのときはまだ自分のこだわりが出せなかったので、レコーディングがあまり好きじゃなかったんです。マイクの位置がだいたいこのへん(顔の辺りを指して)にあるんですけど、もう少し低い位置が落ち着くんですよ。声が上がっちゃうので。この位置がいい曲もあるんですけど、もう少し下のほうがいいなと思ったときは、セッティングのときにこっそり膝を曲げてスタンバイして、下に来るようにしてたんです。

理姫 えー!

鈴木 そういう反抗期があったんですよ(笑)。

──思ってたよりかわいい反抗でした。

理姫 確かに(笑)。私なんて「座って録りたいから椅子ください」って言っちゃうし。でもマイクの位置の話はすごくわかる。そもそもマイクって気が散るんですよ。

鈴木 そう! ここ(目の前)にアミアミしちゃってるから。

理姫

理姫 わかるー。ポップガードの枠がすごく邪魔。「本当にこれは必要なんですか?」って思っちゃう。マイクの位置で気持ちがスッキリいかないの、困りますもんね。わかります、わかります。

鈴木 だからハロプロのときは最初の調整が勝負でした。

理姫 でも、自由にやれない緊張感の中でやってると、プロになりますよ。今思いました。やっぱしバンドとかって、気になったら「すみません、これズラしてください」とすぐに言って成り立つ現場が多い気がして。自由すぎない環境に小さいときからいることで、プロとしての資質が培われているんだなってすごく思いました。

鈴木 いやいやいや。でも1人になってからは自分で全部判断しなくちゃいけなくなって、「ここでいいですか?」「いいです」って1つひとつ言わなきゃいけなくなったから、最初はそれが難しくて。「何がしたいの?」と聞かれても「あれ、なんだっけ……」みたいな。昔は「これをやってください」と言われたことを消化していくスタイルだったから、自分から「何が歌いたいのか」「どういうことを伝えたいのか」を考えるのはすごく悩みました。

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フロントマンの悩み

uP!!! SPECIAL ライブナタリー 201811

2018年11月1日(木)
東京都 チームスマイル・豊洲PIT
OPEN 18:00 / START 19:00(予定)

出演者 鈴木愛理 / アカシック

チケット一般発売

受付期間 10月6日(土)10:00~10月31日(水)23:59

詳細はこちら

鈴木愛理「鈴木愛理 1st LIVE ~Do me a favor @ 日本武道館~」
2018年10月31日発売 / zetima
鈴木愛理「鈴木愛理 1st LIVE ~Do me a favor @ 日本武道館~」Blu-ray盤

[Blu-ray+2CD]
7560円 / EPXE-5141~3

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鈴木愛理「鈴木愛理 1st LIVE ~Do me a favor @ 日本武道館~」DVD盤

[DVD]
4320円 / EPBE-5581

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鈴木愛理「Do me a favor」
2018年6月6日発売 / zetima
鈴木愛理「Do me a favor」初回限定盤

[CD+Blu-ray]
3780円 / EPCE-7406~7

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鈴木愛理「Do me a favor」通常盤

[CD]
3000円 / EPCE-7408

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アカシック「エロティシズム」
2017年10月18日発売 / Warner Music Japan
アカシック「エロティシズム」

[CD]
3240円 / WPCL-12755

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公演情報
鈴木愛理 LIVE TOUR 2018 "PARALLEL DATE"
  • 2018年11月3日(土・祝) 大阪府 Zepp Namba
  • 2018年11月4日(日) 愛知県 Zepp Nagoya
  • 2018年11月15日(木) 東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2018年11月23日(金・祝) 広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
  • 2018年11月25日(日) 宮城県 SENDAI GIGS
  • 2018年12月4日(火) 東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年12月8日(土) 北海道 Zepp Sapporo
  • 2018年12月17日(月) 福岡県 Zepp Fukuoka
アカシック ワンマンツアー2018「POP OFF」
  • 2018年11月26日(月) 神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2018年12月2日(日) 北海道 SOUND CRUE
  • 2018年12月4日(火) 宮城県 enn 2nd
  • 2018年12月5日(水) 新潟県 CLUB RIVERST
  • 2018年12月7日(金) 大阪府 OSAKA MUSE
  • 2018年12月14日(金) 愛知県 ell.FITS ALL
  • 2018年12月16日(日) 福岡県 THE Voodoo Lounge
  • 2018年12月20日(木) 東京都 渋谷ストリームホール
鈴木愛理(スズキアイリ)
鈴木愛理
2002年、8歳のときに約3万名の中からハロー!プロジェクト・キッズに選ばれる。2003年にハロー!プロジェクト内のユニット、「あぁ!」のメンバーとしてCDデビュー。2005年6月に℃-uteを結成する。2007年より℃-uteと並行してBuono!としても活動開始。圧倒的なパフォーマンス力で人気を集め、女性ファッション誌のモデルとしても活躍中。2017年5月に神奈川・横浜アリーナで行われたライブ「Buono! ライブ 2017 ~Pienezza!~」をもってBuono!の活動が終了。その後2017年6月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで℃-uteのラストコンサートが開催され、約12年におよぶグループ活動に幕を閉じた。℃-ute解散公演をもってハロー!プロジェクトを卒業し、2018年3月にソロ活動をスタート。6月に初のソロアルバム「Do me a favor」をリリースし、7月には東京・日本武道館でのワンマンライブ「鈴木愛理 1st LIVE ~Do me a favor @ 日本武道館~」を成功に収めた。10月にはこの日本武道館公演の模様を収めたライブBlu-ray / DVD「鈴木愛理 1st LIVE ~Do me a favor @ 日本武道館~」をリリース。11月から12月にかけて全国8会場を回るライブツアー「鈴木愛理 LIVE TOUR 2018 "PARALLEL DATE"」を行う。
アカシック
アカシック
理姫(Vo)、奥脇達也(G)、バンビ(B)、山田康二郎(Dr)からなる2011年に結成されたロックバンド。耳について離れないキャッチーなメロディと横浜の繁華街で生まれ育った理姫の独特なキャラクターが全面に出た楽曲が特徴。2014年3月に初の全国流通盤ミニアルバム「コンサバティブ」をリリースし、東京・タワーレコード渋谷店の週間インディーズチャートにて1位になる。2015年6月にunBORDEよりメジャーデビューミニアルバム「DANGEROUS くノ一」、2016年3月に初のフルアルバム「凛々フルーツ」を発表。2017年にはFOD / フジテレビドラマ「ラブホの上野さん」の主題歌「愛×Happy×クレイジー」が話題になり、10月に2枚目のフルアルバム「エロティシズム」をリリースした。