uchuu;「2069」 PR

uchuu;|50年前の音楽と 50年後の音楽を つなげる音楽

2017年9月の「KEEP ON」、12月の「WHITE」という2枚のミニアルバムそれぞれで、自分たちなりのダンスミュージックとバンドサウンドを存分に表現してきたuchuu;が、その両方を軸にした2ndフルアルバム「2069」をリリースした。アニメ「遊☆戯☆王VRAINS」のエンディングテーマ「BOY」をリード曲とする本作は、古きよきロックと近未来的なダンスミュージックが生々しく融合した作品。バンドが自らのサウンドに掲げる“Crossover Music Creators”というテーマをこれまで以上に強く反映したアルバムと言えるだろう。

音楽ナタリーではフロントマンのK(Vo, G, Piano, Programming)にインタビュー。アルバム「2069」の制作プロセスを紐解きながら、uchuu;のコンセプト、メンバー同士の関係性などについて語ってもらった。また後半には「遊☆戯☆王VRAINS」監督・浅野勝也への、uchuu;の音楽やアニメに関するメールインタビューも掲載する。

取材・文 / 森朋之 インタビュー撮影 / 佐藤類

コンポーザーが1人じゃないバンドの面白さ

──uchuu;のコンセプトは“Crossover Music Creators”。これは結成当初から明確だったんですか?

そうですね。今のメンバーになってから、さらに明確になりました。やっぱりバンドなので、メンバーそれぞれの個性、音楽的なバックグラウンドをしっかり見せたくて。僕らは4人とも好きな音楽が全然違うんですよ。テクノやハウスが好きなメンバーもいれば、ドラムンベースだったり、ファンク、ソウル、オーガニックなバンドサウンドを好むメンバーもいる。そういう要素を活用しない手はないし、決まったジャンルに絞るのはもったいないと思うんです。それを踏まえたうえで、自分たちらしいサウンドを作れたらな、と。

──ワンマンバンドではなく、メンバーのそれぞれ音楽性を生かしたい?

K(Vo, G, Piano, Programming)

そうですね。僕自身、もともとソロアーティストの作品よりもバンドの作品のほうが好きなんですよ。特にコンポーザーが1人じゃないバンドをよく聴いていたんです。日本のバンドで言うと、LUNA SEAとか。

──お、意外な名前が出てきましたね。

意外ですか? 僕はギタリストとして音楽を始めたんですけど、SUGIZOさんにはめちゃくちゃ影響を受けたし、INORANさんとは対談させてもらったこともあるんですよ。いろんなタイプの楽曲があるという意味では、The Beatlesもそうですよね。スピンオフ的な面白さがあると言うか、曲作りの主要メンバーではないジョージ・ハリスンの曲がすごくよかったりするので。1人の世界で完結するのではなく、いろんなものを混ぜたいんですよね。

──確かにuchuu;も、今回のアルバムでは「Regain」はHiroshi(Sequence, Percussion)さんが作詞をして、HiroshiさんとSUJIN(B, Syn B)さんが作曲を担当。「CIRCUS」ではSUJINさんが作曲を手がけています。

そうすることによって、メンバー同士の人間関係も作品を通じて見えてくると思うんですよ。SUJINはもともと曲が書ける人なので、僕は「どんどん書いてよ」って言うだけなんですけどね(笑)。「CIRCUS」は僕も制作に参加しましたけど、「Regain」はほぼ完成した状態でメンバーから送られてきました。仮歌はHiroshiが歌ってて、それがめっちゃインパクトあったんですよ。志村けんさんが歌ってるような感じで(笑)、そのイメージが全然抜けなくて大変でした。SUJINの曲でギターを弾くのも楽しいですね。僕はSUJINがやってたバンドにサポートギターとして参加したことがあるので、そのときの感覚を思い出しました。

──アレンジなどもメンバー全員でやっていくんですか?

そうですね。デモ音源は基本的に僕が作るんですけど、メンバーが演奏することで、その人のタイム感、グルーヴ感になるので。曲を作る段階でも、AILI(Dr)が叩きそうなリズムパターンだったり、SUJINが弾きそうなベースラインを意識することがあって。メンバーが「こういうフレーズ、めっちゃ弾きたかった」って言ってくれるとうれしいんですよ。メンバーが好きなことをやりたいし、そういう楽曲を作りたいというか。メンバーが幸せでいるのが一番いいので……だから、僕のワンマンバンドでは全然ないですね(笑)。

Perfumeも坂本龍一さんも“日本を含めた世界”という視点を持っている

──さまざまなジャンルを取り入れるためには、アレンジや演奏のセンスが必要ですよね。

だからけっこう大変です(笑)。ジャンルを絞ったほうがラクなのかもしれないけど、僕もメンバーも、そのうちに飽きてしまうと思うんですよ。まずは自分たちが楽しんでやれないと長続きしないですからね。

──なるほど。キャリアを重ねる中で、uchuu;らしいサウンドも変わってきてるんですか?

はい。以前はエレクトロ、テクノなどの無機質でミニマルな要素と人間の温度感、精神性みたいなものをミックスしていたんですが、最近はどんどんアナログに回帰している気がします。デジタルな部分はあくまでも手段の1つであって、バンドの本質はやはり人間的なグルーヴなのかな、と。

──そういう意識の変化が生まれたのは、どうしてなんですか?

今回のアルバムの制作の前に、音楽の歴史を振り返ってみたんですよ。ロックもそうだし、エレクトロ、テクノ、ハウスなども成り立ちから理解したくて。そういう音楽の要素だけをバンドに持ってくるのではなく、起源や流れを知ることが大事だと思ったんです。“Crossover Music Creators”を掲げてる以上、音楽に対する敬意を忘れちゃいけないなと。

──単にいろいろな音楽を混ぜるだけではなく、そのルーツを知ったうえで取り入るべき、ということですね。

K(Vo, G, Piano, Programming)

それはテクノやハウスだけではなく、すべてのジャンルに言えることですけどね。改めて歴史を調べてみると、根源にあるのはやっぱり人間のグルーヴなんだと思って。体温が感じられて、血が通ってる音楽が好きなんだなと再確認できたと言うか。あと興味があるのは音楽を作るうえでの視点ですね。海外の友人に「そっちにいると日本の音楽ってどんなふうに聞こえる?」と聞いてみたり。そういうリスニングをいくつかやってみたんですけど、それがめちゃくちゃ面白くて。「アイドルグループって、なんで同じ服を着てるの?」とか。

──日本にいるとそれが当たり前ですからね。

そうなんですよね。あとは「Perfumeはアーティストブランディングがしっかりできていて、ブレがない」とか「坂本龍一はやっていることが明確で筋が通っている」という意見もありました。Perfumeも坂本龍一さんも“日本を含めた世界”という視点を持っていると思うんですよ。日本のことを無視して「海外の音楽はいいよね」と言っているのではなく、日本だけを見ているのでもなくて。もう1つ印象に残ってるのは“日本のアーティストはいろんなジャンルが混ざり過ぎていて、何がやりたいのかわからない”っていう。

──ジャンルが混ざっているのは、まさにuchuu;ですね。

はい。でも、それでいいと思うんです。海外の人にリスニングしていく中で、いろんなことが明確になって、自分のやりたいたいこともハッキリしてきたんですよね。自分は日本人だし、どれだけがんばっても海外の人みたいな音楽はやれない。それでも世界に発信したいという気持ちはあるので、だったら“日本を含めた世界”という視点を持ちながら、日本人らしくやればいいんだなって。そのことに気付けたことは大きいですね。

uchuu;「2069」
2018年4月25日発売 / SPACE SHOWER MUSIC
uchuu;「2069」

[CD]
2500円 / PECF-3203

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収録曲
  1. 19692069
  2. 東京エソラ
  3. BOY
  4. After Goodbye...
  5. over myself
  6. Regain
  7. CIRCUS
  8. Magic
  9. Keep on living in my music,
  10. FLY
  11. L

公演情報

LIVE IN 2069
  • 2018年6月2日(土)宮城県 enn 2nd※対バンあり
  • 2018年6月9日(土)福島県 BACK BEAT※対バンあり
  • 2018年6月17日(日)福岡県 INSA※対バンあり
  • 2018年6月23日(土)愛知県 APOLLO BASE※対バンあり
  • 2018年7月1日(日)東京都 TSUTAYA O-WEST※ワンマン
  • 2018年7月8日(日)大阪府 Music Club JANUS※ワンマン
uchuu;(ウチュウ)
uchuu;
2009年に大阪で結成されたロックバンド。現在はK(Vo, G, Piano, Programming)、SUJIN(B, Syn B)、AILI(Dr)、Hiroshi(Sequence, Percussion)の4人のメンバーからなる。2013年に初の全国流通盤「Weltraum;Gate」を発表し、2016年に1stフルアルバム「+1」をリリース。“Crossover Music Creators”をテーマに掲げてさまざまな機材を駆使して奏でられる、ダイナミックで洗練されたダンサブルなバンドサウンドが評判を集める。2017年6月には、3Dホログラフィックによるステージ演出を専門とした世界初の常設劇場、神奈川・DMM VR THEATERでワンマンライブを実施。2018年4月にスタートしたテレビアニメ「遊☆戯☆王VRAINS」にエンディングテーマ「BOY」を提供し、同曲を収めた2ndアルバム「2069」を同月にリリースした。