“青春”になったものは一生色褪せない
──「hello」を筆頭に今まで以上に内省的な曲が収録されています。
「hello」は相当暗いですよね(笑)。朝日を浴びながら「どんな理想を描いてても意味がねえな」と思ったことがあって、それが「優しいだけの朝日が 俺を甘やかす」という歌詞になっています。そんな瞬間があったからこそ、思いきってネガティブな歌にしました。
──実際にあった出来事が歌詞の起点になっているんですね。
何かあったらメモに書き溜めていって、そこから歌詞を広げていく感じです。ネガティブなことでも、それをそのまま歌詞に出してもいいじゃないか、と思える回数は増えたかもしれないですね。「そういう日もあるっしょ」みたいな。できるだけ等身大でいたいなと思うんです。
──「もううんざりなんだ」のシャウトも印象的です。
今までやってこなかった歌い方を試してみたんですが、いい感じになった気がしています。20代の自分ならできなかった歌い方だと思いますね。
──「アイマクレイジー」や「勇敢な臆病者よ、愛する君よ。」はライブでもすでに定番曲になっていますよね。
1年以上前から披露していたので、「お待たせしました」という感じです。ほかの収録曲に比べるとレベチで自分に染み込んでる状態で録ったんで、この2曲は空気感が違いますよね。本当に、1年かけてファンのみんながでっかいパワーを持たせてくれた曲です。
──「THE BEST5」のラストを飾る「Let's roll!!!」には「青春のその先の先へ」というフレーズがあります。改めて、俊光さんにとって「青春」とはなんですか?
誰かの“青春”になったものは、一生色褪せないと思っています。もうその人の人生からは抜け落ちないものになる。ちっちゃいときに流行った曲を大人になってから聴いたら、ぶち上がっちゃうじゃないですか。その曲の良し悪しとか、歌がうまい下手とかじゃなくて、「青春だった」という時点で20年後に聴いても一番盛り上がっちゃう。誰かの青春になったら勝ちだし、それを目指すべきだなと思った。ありがたいことに、東海オンエアも「小学生の頃から見てます。自分の青春です!」と言ってくれるファンがたくさんいるんですよね。僕らは深く考えてないけど、この人の人生から東海オンエアの名前が消えることはないのかと思うと、それはすごいことだなと。その感覚にすごく魅力を感じますね。
──忘れたくても忘れられない、というような。
僕らの世代はORANGE RANGEを聴いたら世界で一番盛り上がっちゃうので(笑)。そういう存在になれたらいいなと思ってます。
──しかもそんな青春の「その先の先へ」なんですね。
欲張りなんです(笑)。「もっと行こうぜ」って。終わりを決めたくない、どこまでも行きたいんです。
──ちなみに今回のジャケットには、「THE BEST」1~4の俊光さんが勢ぞろいしていますが……。
正直な話、あんまり深い意味はないんです(笑)。ただ、毎回ジャケットのデザインは悩んでいて。「THE BEST5」はTOSHIMITSUから青春ヶ丘俊光に名義が変わってからの初めてのミニアルバムだから、もう全員登場させちゃおうかと。
──ジャケットを見た人はみんな、集大成的な意味として受け取ると思います(笑)。
毎回集大成の気持ちでやってはいるのですが、今回たまたまこのデザインになったという。ここらへんのクリエイティブは、もうちょっとちゃんとやったほうがいいっすよね……(笑)。でも、「THE BEST」というタイトルの時点で、メッセージ性の強いジャケットにしにくいんだよなあ。
──5まで続いたことで意味が強くなっていると思います。「THE BEST」なのにどんどん続いていくという。
そうそう、わけがわからない(笑)。でも、僕は好きなんですよ、このタイトル。
男性アイドルから受ける刺激
──前回のインタビューではSMAPやBUMP OF CHICKEN、Janne Da Arcなど、俊光さんのルーツについてお聞きしましたが、今回は俊光さんが最近聴いている音楽についてお聞きしたいなと。
なんだろう。去年、Oasisのライブに行ったんですよ。そこで改めて思ったのが、洋楽ならではの言葉の並びの面白さ。よく見ると驚くくらいシンプルだったりして、それがいいなと思ったんです。それでもこんなにカッコいいんだから、あれくらい素直に歌っていいんだよなと。あと最近はKing & Princeも聴いてます。男性アイドルを聴くことが増えてますね。「今の手の動きが最高! 表情ヤバい!」みたいな感じで、ライブ映像もめちゃくちゃ観ちゃう。自分のパフォーマンスにも取り入れたいと思う動きが多いんですよね。もちろん、僕はアイドルじゃないし、4万人がワーキャー言うようなルックスじゃないけど、単純に、ライブに取り入れたいテクニックがいっぱいあると感じてます。純粋に参考になることが本当に多い。ロックバンドのライブで受ける刺激とはまた違った視点で、男性アイドルのライブはすごく参考になります。
──確かに、ロックバンドは「その人にしかできないこと」が魅力の根本にあるからこそ、取り入れづらいのかもしれません。
やってみると、真似になっちゃうんですけどね。
──そういったアイドルの所作に目がいくようになったのは音楽活動を始めてからですか?
完全にそうですね。青春ヶ丘になる前、渋谷WWWでワンマン(2023年4月7日「お前と燃えたい夜がある」)をやる直前くらいからです。海外のアーティストのライブを観に行ったとき、自分とリンクするものを感じたので「試す価値あるかも」と自分のライブにも取り入れてみたら、すごくいい感触だった。そこからいろんなアーティストの動きや見せ方をチェックするようになって、それでたどり着いたのが男性アイドルでした。去年、田原俊彦さんのライブを友達と観に行ったんです。トシちゃんは指先が美しいんですよね。先の先まで意識が通っていることがわかる。腕を振り上げるにせよ、自分のライブ後に映像を観てみると、精一杯伸ばしたつもりの腕が全然曲がってるみたいなことが多いんですよ。トシちゃんのライブを観て、これじゃダメだなと。僕はダンスはできないけど、「ライブ中にフロアに向かって指を差すならこれくらい意識を通わせるぞ」と思いました。
年末には新曲が……?
──1月31日にはツアー「LOVE & WILD」がスタートします(取材は1月中旬に実施)。
一生懸命やるだけですね。ライブハウスは距離が近いので、それも楽しみです。僕のファンの方々はパワーに満ちあふれているので、この距離感だとどんなエネルギーが生まれるのかなと。
──全国13カ所を回るので、俊光さんにとって初めての場所も多いですよね。
ドキドキですし、ワクワクです。やっぱり初めての場所は気合いが入りますよ。
──ファイナルの東京公演は6月27日なので、かなり長期にわたってのツアーになりますね。
本当に、YouTube辞めたのかと言われてしまいそうですけど(笑)。ステージに立たせてもらえる限りはフルパワーでやるんで、深く考えずにエネルギーを浴びにきてほしいです。あとは、僕の指がどこまでまっすぐ伸びてるかとか(笑)、細部も楽しんでほしいですね。ツアーしながら曲も作ろうと思ってるので、年末には新しい曲が出せたらうれしいなと。でもまあ、出ないかもしれないなあ(笑)。
公演情報
青春ヶ丘俊光 Concert Tour 2026 LOVE & WILD
- 2026年1月31日(土)福岡県 DRUM Be-1
- 2026年2月1日(日)熊本県 熊本B.9 V2
- 2026年3月1日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO ※2部制
- 2026年3月14日(土)広島県 LIVE VANQUISH
- 2026年3月15日(日)岡山県 YEBISU YA PRO
- 2026年4月4日(土)宮城県 Rensa
- 2026年4月18日(土)香川県 高松オリーブホール
- 2026年5月16日(土)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2026年5月30日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE ※2部制
- 2026年6月13日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2026年6月14日(日)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2026年6月20日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2026年6月27日(土)東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール ※2部制
プロフィール
青春ヶ丘俊光(セイシュンガオカトシミツ)
愛知県岡崎市を拠点に活動する6人組動画クリエイターの東海オンエアのメンバー・としみつのアーティスト名義。2019年6月にソロアーティスト・TOSHIMITSUとしてデビュー作品「THE BEST」をリリースした。2024年6月にEP「THE BEST4」をリリースし、同作を区切りにアーティスト名義を青春ヶ丘俊光に変更。2025年に対バンツアーを全国5都市で行い、ねぐせ。、BLUE ENCOUNT、Galileo Galilei、Fear, and Loathing in Las Vegas、キタニタツヤとツーマンライブを実施した。最新作はミニアルバム「THE BEST5」。2026年1月から6月にかけて、全国13カ所を巡るツアー「青春ヶ丘俊光 Concert Tour 2026 LOVE & WILD」を開催する。
としみつ【東海オンエア】 / 青春ヶ丘俊光 (@TO_TOSHIMITSU) | X



